1913年に第1回大会が開催されたもっとも歴史のあるオフロードレース、ISDE(International Six Days Enduro)。その『2021ISDEイタリア大会』が8月30日(月)から9月4日(土)までイタリアで開催され、日本からは滑川勝之選手が参戦する。

本来は2020年に開催される予定だった同大会。しかし、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により2021年へと開催が延期されていたのだ。今大会には658人ものライダーが参加し、国別対抗のワールドトロフィークラスには20カ国、ジュニアワールドトロフィークラスには14カ国、ウーマンズトロフィークラスには8カ国がエントリー。日本人唯一の滑川選手は個人クラスで出場し、イタリアでもっとも大きなエンデューロチーム・ジョリーレーシングの全面バックアップを受けレースを戦う。

【ISDEとは】
ISDEとはInternational Six Days Enduroの略称で、その名の通り6日間をかけて競われる世界最大のエンデューロレースだ。毎年開催され、開催地はエンデューロの本場である欧州が中心。それ以外だとオーストラリア、ブラジル、ニュージーランド、チリ、メキシコ、アルゼンチン等で開催されたこともある。

競技は国を代表する選手で作られた4名1チームでタイムを競う団体戦。以前は6名1チームだったため、例えば1名リタイヤしたとしても残りのライダーたちでなんとか戦うことが可能だった。しかし現在はチームの人数が少なくなった分、誰か1人でも欠けることがあれば団体戦を続けることは難しくなっている。

【競技形式】
エンデューロレースには、JNCCで採用されているクロスカントリー形式と、ISDEをはじめJECでも採用されているオンタイム形式の二種類がある。

クロスカントリー形式は選手たちが一斉にスタートし、レース終了時刻に一番最初にゴールラインを通過した選手が優勝となる。

一方、ISDEが採用しているオンタイム形式は、コースの中に走行タイムを競うスペシャルテスト(SS)が設けられ、それ以外の区間は指定された時間通りに通過しなければいけないというもの。スタートは数名ずつが1分おきに、時間差を持たせて走り出していく。
さらにはパルクフェルメという車両を保管するシステムがあり、走行時間以外にはそのマシンを駆るライダーも車両に触れることはできない。車両に触れられるのはスタート前とゴール後の決まった時間内のみで、タイヤ交換やその他の整備などもその時間内に原則としてライダー自身が行わなければならない。ライダーは速く走るだけでなく、マシンを早く整備する能力も要求されるのだ。

【滑川勝之選手】


滑川勝之(なめがわ かつゆき)※
1976年11月20日生まれ、千葉県出身。
福島県のチーズナッツパークをホームコースに活動するベテランIAライダー。オレンジ・カウンティ幕張レーシングチーム所属。17歳からバイクに乗りはじめ、当初はサーキットエンデューロに興じていたものの、デニコールカップ、JAJAカップなどで次第に才能を開花。40歳にして2016年には成績を飛躍的に伸ばし、2016年JEC IAランキング6位を獲得。

※参照ページ:http://isde-japan.net/2017/05/17/%E6%BB%91%E5%B7%9D%E5%8B%9D%E4%B9%8B/