10月23日(土)~24日(日)に宮城県のスポーツランドSUGOで開催される2021年のD.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ第7戦。ここでは、今大会の注目ポイントやコースの特徴、各クラス注目の選手など、観戦に役立つ情報をまとめて紹介します!
【1】タイトル争いの行方を占う重要な1戦
今季の2021 D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズは、第5戦近畿大会が新型コロナウイルスの感染拡大による影響で中止となり全6戦に。第2戦中国大会が、同じくコロナの影響で11月下旬に開催を延期したことから、本来は今季最終戦だった10月23日(土)~24日(日)の第7戦第59回MFJ-GPモトクロス大会は、シーズン決着の場ではなくなりました。一方で、チャンピオン争いに加わっているライダーにとっては、この大会終了後に有利な立場にいることが非常に重要となるため、もしかしたら最終戦以上にアグレッシブなライディングとし烈なバトルが観られるかもしれません。
そんな第7戦第59回MFJ-GPモトクロス大会の舞台となるのは、宮城県のスポーツランドSUGO。かつてスーパーバイク世界選手権が開催されたこともあるオンロードサーキットや、現在でも全日本スーパーモト選手権などが実施されているカートコースも有し、全日本トライアル選手権や全日本エンデューロ選手権まで実施される広大な複合モータースポーツ施設です。全日本モトクロス選手権では、今季第4戦でも会場となりました。
【2】万全の新型コロナウイルス対策で
施設とスタッフが充実し、オンロードとオフロードのさまざまなレースを開催することなどで、コロナ禍におけるイベント実施のノウハウも蓄積してきたスポーツランドSUGO。全国的な新規感染者数が激減している状況での開催とはいえ、今大会でも新型コロナウイルス対策を徹底しています。
大会前の情報によると、第4戦と同じくパドックには観客の立ち入り制限エリアを設ける予定とのこと。これは、ライダーやチーム関係者と観客の接触機会を大幅に減らすことで、感染リスクを下げるという考えに基づいています。選手との距離が近いのが、本来の全日本モトクロスが持つ魅力ですが、コロナの現状を踏まえてご理解いただけますようお願いいたします。
またSUGOの入場時には、選手や関係者や観客などに対して、状況に応じて検温や体調チェックシートの提出などが求められます。また、飲食時以外のマスク着用や観戦時の密集回避(ソーシャルディスタンス確保)なども呼びかけられています。ご協力よろしくお願いいたします。
【3】コースはアップダウンも豊富でダイナミック
かつてモトクロス世界選手権を誘致したこともあるスポーツランドSUGOのインターナショナルモトクロスコースは、ふたつの丘にまたがるようにレイアウトされ、その斜面や谷地といった自然の地形を生かした豊富なアップダウンも特徴としています。コースの序盤には、斜度が約30度で長さが約70mもある上りの「大坂」、メインエリアから見ると “丘の向こう”となるエリアにはハイスピードな「ヨーロピアンセクション」もあります。
比較的頻繁にコースの仕様が変更されるSUGOですが、「アップダウンが豊富でダイナミック」という基本コンセプトは踏襲。現地で観戦できないファンのためにYoutubeライブ動画配信チャンネルの「MFJ Live Channel」を展開していますが、豪快なアップダウンはなかなか映像では伝わりづらく、ぜひとも会場で生観戦してもらいたいところです。
SUGOライダーズカフェ
ちなみに、SUGOには昔からスターティングエリア左側にコンクリートスタンド席が設けられていましたが、近年はそれに加えて大坂の横など複数ヵ所に観客席の整備が進められました。飲食店ブースも複数ヵ所に分散され、ヨーロピアンセクションにはバイク来場者無料(一般利用500円)の「SUGOライダーズカフェ」が設けられるなど、観戦環境の向上が進められています。メインエリアのトイレはきれいで、公共交通機関のみを利用した来場は難易度が高めな立地とはいえ、初めての全日本モトクロス観戦にも最適なコースのひとつです。
【4】最高峰クラスのIA1で注目の選手は?
山本鯨選手(#1) 山本鯨選手(#1) 渡辺祐介選手(#3) 渡辺祐介選手(#3)
排気量450ccの4ストマシンが参戦する最高峰クラスのIA1は、第6戦でホンダサポートライダーの山本鯨選手(#1)が両ヒート制覇を達成。ランキングトップにつけているヤマハファクトリーチームの渡辺祐介選手(#3)が3-4位だったことから、ポイント差が2点に詰まりました。さらに、渡辺選手と同じくヤマハファクトリーチームから参戦する富田俊樹選手は2-3位となり、こちらも渡辺選手とのポイント差を削減。渡辺選手が181点、山本選手が179点、富田選手が174点と、上位3選手が7点差の大接戦となっています。
このクラスは今季、カワサキファクトリーチームの能塚智寛選手(#5)とホンダサポートライダーの小方誠選手(#4)までが5強状態。能塚選手と小方選手は、ポイントランキングでは3番手の富田選手から22~30点差で、逆転チャンピオンにはやや厳しい状況ですが、レースでのヒート優勝は十分に狙える存在です。
今季はポイントスケールが変更され、優勝25点、2位20点、3位16点、4位13点、5位11点……と、これまでよりも上位のポイント間隔が大きめ。優勝と5位では14点も違います。渡辺選手と山本選手と富田選手の7点差というのは、もはや差が無いのと同じ。この大会でどの選手が有利な立場に持ち込むのか、あるいは大混戦のまま最終戦に臨むことになるのか、3選手だけでなく能塚選手と小方選手の順位を合わせて注目です。
【5】IA2はスポット参戦ライダーに注目
内田篤基選手(#4) 大城魁之輔選手(#2)
4スト250ccと2スト125ccのマシンが使われるIA2は、前戦の決勝ヒート1で、カワサキのマシンを駆りランキングトップを独走していた内田篤基選手(#4)が負傷リタイア。内田選手はその後のレースに出走できず3ヒートともノーポイントとなり、ホンダに乗るランキング2番手の大城魁之輔選手(#2)が、わずか1ポイント差に迫りました。内田選手は、第7戦の出場あるいはポイント獲得が厳しい状況で、アクシデントがなければ大城選手がランキングトップに浮上することが予想されます。
このIA2には今回、ヤマハの招待により、オーストラリア選手権やニュージーランド選手権のモトクロスやスーパークロスで計6度のチャンピオンに輝き、米国AMAスーパークロスの250SXでも2020年にランキング19位という成績を残したジェイ・ウィルソン選手(#106)がスポット参戦。その実力は全日本IA2ライダーを圧倒的に上回っていると思われますが、ウィルソン選手にとっては慣れない日本のコースでのレースとなるため、日本人ライダーとのバトルにも期待が集まります。また、第6戦に続いて平田優選手(#51)、第4戦以来となる田中雅己選手(#48)といったベテランライダーもエントリーしていて、こちらも注目です。
川井麻央選手(#1) 川井麻央選手(#1) 久保まな選手(#3) 久保まな選手(#3)
レディースクラスは、昨年の開幕戦から全日本負けなしだった川井麻央選手(#1)の連勝が、川井選手の転倒により前戦でストップ。これで久保まな選手(#3)が今季初優勝を挙げました。しかし前戦でも、決勝中のベストラップタイムでは川井選手がライバルを完全に圧倒していて、このSUGOでも川井選手が優勝候補の筆頭であることは間違いありません。久保選手や川井選手のチームメイトでもある小野彩葉選手(#4)、インターバルで負傷した膝の状況が気になる本田七海選手(#2)らが、川井選手に挑みます。
【6】会場での観戦にはアプリの活用を!
全日本モトクロス選手権シリーズでは今季、全戦で動画配信アプリ「Grooview(グルービュー)」を展開しています。これは、来場者がスマホやタブレットでレースや関連イベントなどの動画やタイミングモニター、タイムスケジュール、選手リスト、場内案内などの情報を閲覧できる、場内限定の無料サービス。これを活用すれば、会場内のどこで観戦していても、レースの順位や今後のタイムスケジュールなどをチェックできます。
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2021年10月23、24日に、宮城県のスポーツランドSUGOで行なわれる、全日本モトクロス選手権シリーズ・第59回MFJ-GPモトクロス大会(第7戦)に、ヤマハ・モーター・オーストラリアの契約ライダーであり、これまでオーストラリア選手権とニュージーランド選手権で合わせて6回のチャンピオンに輝くジェイ・ウィルソン選手が、「YAMALUBE YAMAHA RACING AUSTRALIA」から#106をつけた「YZ250F」でIA2に出場します。
ヤマハ発動機株式会社はこれまで、北米や豪州に若手ライダーを派遣してきましたが、ウィルソン選手の招へいは海外拠点との交流の一環であり、また全日本モトクロスの活性化の一助となることが目的です。
ウィルソン選手は、2009年にニュージーランドで開催されたジュニアモトクロス世界選手権で、オーストラリア人初の世界チャンピオンを獲得。以来、プロフェッショナルライダーとして、オーストラリア選手権ではモトクロスで1回、スーパークロスで2回。ニュージーランド選手権ではモトクロスで1回、スーパークロスで2回と、合計6回のチャンピオンを獲得しています。
新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年は、全9戦で行なわれたAMAスーパークロス選手権の250SX Westに5戦出場してランキング19位を獲得したほか、クイーンズランドモトクロス選手権でチャンピオンに輝きました。2021年はオーストラリアモトクロス選手権のMX2に参戦中で4レースを終えランキング4位につけています。
【プロフィール】 ジェイ・ウィルソン(Jay Wilson) 国籍:オーストラリア 生年月日:1994年7月19日
【主な成績】 2013年: オーストラリア モトクロス選手権 MXD ランキング2位 …
10月23日、24日にスポーツランドSUGOで開催される『第59回MFJ-GPモトクロス大会 D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ第7戦』への参戦が噂されていた下田丈選手。
アメリカで活躍している彼の走りを日本で見られるかもしれないと心待ちにしていたファンも多いことでしょう。下田丈選手も当初、10月の同大会への参戦を考えていたようですが、その大会を1ヶ月前に控えた9月25日にTwitterを通じて同大会へ参戦しないことを正式に発表しました。
参戦しない理由は、新型コロナ感染症対策としてとられている隔離期間によって、来シーズンの練習やテストの時間がなくなってしまうから。ファンにとっては残念なことですが、練習期間とテストする時間をしっかりとって、来期のレースも頑張って欲しいですね。
第59回MFJ-GPモトクロス大会には参戦しないですが、彼のジャージやサイン入りカードなどのプレゼントを考えているようですよ。詳しいことは追って紹介される予定? 続報を待ちましょう!
以下は、下田丈選手がTwitterのショートムービーでコメントした内容となります。
『今年の菅生GPに関して、(参戦は)中止となりました。
やはりコロナの事情があって、隔離期間が長いと言うことで今回はレースは(参戦)できないですけど、 隔離の時間が日本に戻ってきて14日間、さらにアメリカに再び戻ってそこでも14日間、合計で1ヶ月間近く何もできない期間ができてしまいます。 菅生のレースが10月なんですけど、2ヶ月後にはアメリカのレースシーズンが始まるころなんです。 そうなるとテストや練習もしなければいけないので、時間が足りないんです。 そのような理由から今年は参戦できないです。
菅生のレースに参戦できない代わりに、レース会場ではジャージの抽選プレゼントもできたらいいなと思っていますし、サイン入りのカードも置いておきます。
僕は会場にはいないんですが、せひレースに足を運んでくれたら嬉しいです。 いろいろプレゼント企画も考えています。
来年、コロナが落ち着いてレースができるようになったら、絶対に参戦したいと思いますので、その時には、サポートや応援よろしくお願いいたします!』
下田丈選手のTwitter、YouTubeはこちら。
【プロフィール】 下田 丈(しもだ じょう) 2002年5月16日生まれ、三重県鈴鹿市出身。
【戦歴】 2021年 チーム「Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki」に移籍 2020年 AMAスーパークロス 250SX イースト ランキング3 AMAスーパークロス 250SX ルーキー・オブ・ザ・イヤー AMAモトクロス 250MX ランキング11位 2019年…