満身創痍の1年、乗り越えた先に掴んだV5。LMXチャンピオン 川井麻央

2025年はポイントスケールが変更され、最終戦までチャンピオンシップ争いが白熱した。その激闘を制し、チャンピオンに輝いたライダーたちはどんな想いで今シーズンを戦ってきたのか。チャンピオンインタビュー第4弾では、レディースクラスで5度目のチャンピオンに輝いた#1川井麻央(T.E.SPORT/ホンダ CRF150RⅡ)が乗り越えた1年を振り返る 今年のレディースクラスは、#1川井麻央(T.E.SPORT/ホンダ CRF150RⅡ)が全7戦中6勝を飾り、自身5度目のタイトル獲得を果たした。一方で、#6箕浦未夢(TEAM ITOMO/ホンダ CRF150RⅡ)や#8穗苅愛香(TOMOレーシング&美蔵withCONNECT/ヤマハ YZ85LW)、#12大久保梨子(KTM TOKAI RACING with ゆめチャンネル&331/KTM 85SX)、#10松木紗子(Yogibo PIRELLI MOUNTAINRIDERS/カワサキ KX85)ら若手の勢いも凄まじく、表彰台争いは拮抗する場面も多く見られたが、6勝という結果残した川井はまさに一強で、クラス内でも他を寄せ付けない存在である。 しかし、今シーズンを思い返した川井は「最後まで走りきれたことは奇跡だった」と振り返る。恩師との別れ、シーズン後半で負った怪我……、苦しみが多かったという一年を川井はどう乗り越えてきたのだろうか。 満身創痍で戦い続けた2025年 JMX Promotion:今年のシーズンを振り返って、率直にどんな一年でしたか。 川井:一言で表すのは難しい年でした。チャンピオン争いについては極端に競り合っている感覚はなかったので、そこに対する難しさはあまり感じていませんでした。ただ、それ以外の環境面、特に東福寺さんのこと(※1)が大きくて。モトクロスはメンタルの比重が大きい競技なので、「いつも通り」に持っていくのが難しい場面も多かったです。あらためて、チャンピオンを獲るのは簡単じゃないと感じました。 ※1:全日本モトクロス選手権のレジェンドであり、川井選手が所属するチームT.E.SPORTの監督を務めた東福寺保雄氏が6月8日に逝去 JMX Promotion:シーズン序盤は東福寺さんと連絡を取り合っていたとか。 川井:開幕前の事前走行の頃にはすでに入院されていて、しばらく会えない状況が続いていました。病院も面会NGだったので、当時は電話で話すことが多かったです。開幕戦後にも電話で「勝ちました」と報告して、その後もレースの結果など連絡は取り合っていました。亡くなったのは第4戦の1週間前でした。生前に「自分がいなくなってもレースやチームは続けてほしい」とおっしゃっていて、その言葉があったので第4戦に出ないという選択肢はチーム全員、誰にもなかったと思います。 JMX Promotion:第4戦は精神的にも大きな局面だったのではないでしょうか。 川井:そうですね。気持ちの切り替えが全然できなくて、スタートのゲートに入る直前まで涙が止まりませんでした。また、天候の影響で練習走行と決勝での路面状況が大きく変わって、バイクのセットがまったく合いませんでした。 メカニックやスタッフのみんなでセッティングを詰めてくれて、ようやく戦える状態になって挑みましたが、東福寺さんがいたら一発で決めてくれたんだろうなとも思ってしまいました。本当に苦しかったです。 JMX Promotion:その状況の中でも勝利をつかみました。どのように受け止めていますか。 川井:コース自体も難しくて、実は序盤でジャンプを飛びすぎて着地で大きく転倒しそうになった場面がありました。飛んてすぐに飛びすぎたことに気付いたのですがもうどうにもできなくて、着地までの一瞬で「もう耐えるしかない」と覚悟を決めました。なんとか耐えてそのまま走り切ることができたんですが、あの瞬間は自分でもなんで耐えられたのかわからなくて、東福寺さんに支えてもらったような感覚でした。難しいコースと精神状態の中で勝てたのは、自分にとっても大きな意味があって、「どんなことが起きても自分は戦える」と思えるようになりました。あのレースが、今シーズン一番のターニングポイントだったと思います。 JMX Promotion: そこからインターバルに入って、第5戦はどんな気持ちで迎えたのでしょうか? 川井: インターバル期間は8月くらいから本格的に練習を再開しました。名阪スポーツランド(以下:名阪)は全日本モトクロス選手権が行われるコースで唯一勝てていない場所だったので、コースに通って乗り込みました。ただ、練習していても「これなら勝てる」という感覚はなかなか掴めなくて、良い日も悪い日もあり大会前は不安もありました。 JMX Promotion: かなり気合いが入っていたんですね。ただ、大会前には怪我をされたとか……。 川井:…

笹谷野亜「プロとして走りたい」、人生を変えたチャンピオン獲得

2025年はポイントスケールが変更され、最終戦までチャンピオンシップ争いが白熱した。その激闘を制し、チャンピオンに輝いたライダーたちはどんな想いで今シーズンを戦ってきたのか。チャンピオンインタビュー第3弾では、IB OPENクラスのタイトル争いを制した#14笹谷野亜 (TKM motor sports いわて/ホンダ CRF250R)に今シーズンを振り返ってもらった IA昇格をかけて競い合うIB OPENクラス。2025年を振り返ると、8人の優勝者が生まれる激闘の年だった。さらに今年からIA昇格枠が「上位10位以内」から「上位5位以内」に変更されたことで、トップ争いは熾烈を極めた。 そんな中、見事チャンピオンを獲得したのが青森県出身、高校3年生の#14笹谷野亜(TKM motor sports いわて/ホンダ CRF250R)だ。シーズンを通して勝利数は1回と少ないものの、常に上位に入る安定感と勝負強さを発揮し、ランキング2位の#2島袋樹巳との僅か2ポイント差のチャンピオン争いを制した。 今シーズン、どんな想いを持って挑んだのか。チャンピオン獲得後に「プロとして走りたいと思うようになった」「人生計画が変わった」と語る笹谷の、これまでとこれからに迫る。 モトクロスを始めたきっかけ JMX Promotion:チャンピオン獲得おめでとうございます。今シーズンを振り返る前に、まず笹谷選手がどんなライダーなのか深堀りしたいと思います。そもそもモトクロスを始めたきっかけは何ですか? 笹谷野亜(以下:笹谷):モトクロスを始めたきっかけは、僕の父ですね。バイクが好きで、昔モトクロスをやっていたらしく、僕をモトクロスバイクに乗せてくれたのが始まりです。 ‎ JMX Promotion:何歳から乗り始めたんですか? ‎ 笹谷:5歳ぐらいからです。いきなり「バイク乗ってみる?」という感じで始まりました。初めて乗ったのは河川敷で、記憶は曖昧ですが、最初の頃はずっとその辺でバイクに乗っていました。‎ JMX Promotion:その後、レースにも出場するようになったのですか? ‎ 笹谷:はい。そろそろコースデビューしようということで、近くのモトクロスコースに行くようになって、乗り始めて半年後ぐらいに初めてレースに出ました。自信満々で挑んだんですけど、当日が雨で。その時のことを自分は覚えていないんですけど、スタート直後に転んで、もう乗れない!ってバイクから降りて逃げていったらしいです(笑)。この話は今でも地元の知り合いとかに言われます。 JMX Promotion:地元は東北地方でしたよね。 笹谷:はい、青森県の八戸です。最初のレースは逃げて終わりましたが、そこで嫌になることはなく、その後も乗り続けていました。県内のシリーズ戦だったり、全道や東北選手権に出て、現在は全日本に挑戦しているという流れです。 JMX Promotion:インタビューをするにあたって笹谷選手のレースを振り返ったところ、実は2023年にD.I.D全日本モトクロス選手権第5戦と併催された全道モトクロス選手権第4戦千歳大会で、笹谷選手の走りを取材していました。当時はNAクラスで総合優勝をしていましたね。 笹谷:そうですね。その年はNAクラス2年目の時ですね。その後昇格して、今年でIB OPENクラス2年目です。 (併催)全道モトクロス選手権第4戦 千歳大会レポート 怪我明けで迎えた2年目 JMX Promotion:笹谷選手はIB…

中島漱也が語る、2連覇達成の先にある成長と挑戦

​​2025年はポイントスケールが変更され、最終戦までチャンピオンシップ争いが白熱した。その激闘を制し、チャンピオンに輝いたライダーたちはどんな想いで今シーズンを戦ってきたのだろうか。チャンピオンインタビュー第2弾では、IA2クラスで2連覇を達成した #1中島漱也(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM TAKA/ヤマハ YZ250F)が、1年を通して感じた成長と想いを語る 2025年のIA2クラスを振り返ると、2024年王者の中島漱也がディフェンディングチャンピオンとして出場、強豪・ブライアン・シューとともにトップ争いを繰り広げたシーズンだった。また、#4田中淳也(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松/ヤマハ YZ250F)と#14吉田琉雲(Bells Racing/ホンダ CRF250R)が台頭し、それぞれが自身初優勝を獲得するなど、シーズンを通して実力を伸ばし、結果に繋げるライダーが多く見られた。 そんな中、クラス内最多の優勝回数で2連覇を達成したのが中島だ。ディフェンディングチャンピオンとして戦い抜いたこの1年間は、順調なように見えて、プレッシャーとの戦いであった。一方、開幕前にはニュージーランドで、インターバル期間にはアメリカでトレーニングを積み、ついにはモトクロスの国別対抗戦「モトクロス・オブ・ネイションズ(MXoN)」の日本代表に初めて選抜されるなど、海外経験も一気に増えた。 着実に成長を続ける中島は、この一年どのような想いを持ってレースに挑んだのか。2連覇の先に見据えるものは何か。 あえて選んだIA2クラス、チャンピオン防衛のプレッシャー JMX Promotion:改めて、2連覇おめでとうございます。まずお聞きしたいのですが、IA2クラスでチャンピオンを獲得したライダーは翌年IA1クラスにステップアップする流れが多い中、今年もIA2クラスで走ろうと決めたきっかけは何ですか? 中島漱也(以下:中島):世界を見ると自分よりも速いライダーがたくさんいて、250ccでも自分はまだ世界で通用するレベルじゃないというのはわかっていました。これは自分の感覚なのですが、250ccに乗って速い人は450ccに乗っても速いというイメージがあって。逆に言うと、450ccから急に世界で活躍できるライダーになる道があまり想像できていませんでした。このまま450ccにマシンを乗り換えてしまったら、自分のライダーとしてのレベルが決まっちゃいそうな気がしたので、250ccでもっと成長したいと思い、IA2クラスへの参戦を決めました。 JMX Promotion:250でまだまだ成長できるという強い想いがあったんですね。2025年シーズンを振り返ってみて、率直にどんな一年でしたか? ‎ 中島:総合的に見たらすごく良いシーズンでしたし、自分の目標に近い結果が残せたのかなと思っています。”1番”のゼッケンをつけて走るシーズン、絶対にチャンピオンを獲らなきゃいけないというプレッシャーの中でまず2連覇できたのは、嬉しいですしホッとしました。 JMX Promotion:プレッシャーを乗り越えてちゃんと結果を残す強さはさすがです。具体的にどんな目標を掲げていたのですか? 中島:「一戦一戦成長する」ということを自分の目標としていました。振り返ってみるとそれも実感することができた1年でした。 JMX Promotion:ディフェンディングチャンピオンとしてのプレッシャーもかなり大きかったですよね。 中島:そうですね。これまで経験してきたものとはまた違うプレッシャーを感じました。今までは自分より速いライダーがいて、そこにチャレンジしていくという構図だったのが、今年は自分が立場を守らないといけなかったので、今までで一番チャンピオンを意識してしまいました。 JMX Promotion:守りの意識が強くなっていたのでしょうか。 中島:今年からポイントスケールが変更になったことで、今までよりもレースで大きいミスができなくなっていて、1ヒート落としただけでもすぐに差が縮まってしまう。そういう面でも、特に最初はすごく守りに入りがちでしたし、マイナスなことをイメージしてしまう時間は去年よりも多かったです。 ‎ JMX Promotion:なるほど。そんな中でも第2戦から連勝を重ねて、レースでの走りを見ると勢いに乗っているように見えました。‎…

4年間の成長が実を結ぶ。大倉由揮が語るIA1タイトル獲得までの道のり

2025年はポイントスケールが変更され、最終戦までチャンピオンシップ争いが白熱した。その激闘を制し、チャンピオンに輝いたライダーたちはどんな想いで今シーズンを戦ってきたのか。チャンピオンインタビュー第1弾では、IA1クラスで初めてチャンピオンに輝いた#4大倉由揮(Honda Dream Racing Bells/ホンダ CRF450R)に、タイトル獲得までの道のりを振り返ってもらった 2025年、IA1クラスでは、ディフェンディングチャンピオンの#1ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY RACING TEAM/ヤマハ YZ450FM)が圧倒的な勝利数を誇り、誰しも彼がこのままチャンピオンになると考えていた。しかし、ウィルソンは最終戦ヒート1の負傷により無念のリタイア。ランキング2位につけていた大倉由揮が逆転を果たし、初のチャンピオンを獲得する怒涛の展開となった。 大倉は今年でIA1クラス4年目。2022年にチームを移籍し、ホンダの450ccマシンに乗り換えてIA1デビューしている。初年度こそ苦戦したものの、2023年はランキング2位を獲得。2024年に自身初優勝を飾り、2025年には第4戦と第6戦の合計2勝を収めた。また、2024年からは海外トレーニングやヨーロッパで開催されるレースへの参戦、2022年から3回連続となるモトクロス・オブ・ネイションズへの出場など、多くの海外経験を積んできた。 最終戦のヒート1で見えたチャンピオンの可能性、ウィルソンを倒すという強い意志。大倉はチャンピオン決定の瞬間までどんな想いを持って戦い抜いたのだろうか。 苦悩と経験を糧に成長を続けた4年間 JMX Promotion:2025年シーズンお疲れ様でした、そしてチャンピオン獲得おめでとうございます! 大倉選手は2022年にホンダに乗り換えてIA1クラスにステップアップ。4年目の今回初めてのチャンピオンとなりましたが、これまでを振り返ってみていかがでしょうか。 ‎ 大倉:そうですね、毎年毎年、自分の成長を感じてきた4年間でした。 ‎ JMX Promotion:最終戦でのチャンピオンインタビューでは、IAクラスに昇格したての頃は苦戦していた、というお話もされていましたが、1年目は自身にとってどんなシーズンでしたか? 大倉:当時は大城選手(大城魁之輔:2025年IA1ランキング3位)がチームメイトでした。彼がIA1デビューイヤーから絶好調で表彰台獲得や初優勝をしている一方、自分は何回か表彰台は登れましたが、それ以外は結果のばらつきが大きくて、入賞するのも難しいぐらいのレースも多々ありました。チームを移籍して、ホンダの450ccマシンに乗り換えて、1年目でしっかり結果を残したいという気持ちがかなり強いのに結果を残せなくて……、すごくプレッシャーを感じていました。 ‎ JMX Promotion:苦しいですね……。 ‎ただ、そんな中でもシリーズランキング6位で1年目は終えています。 大倉:はい。それでも、メンタルも技術も、色んなことがうまく噛み合ってなかったと思います。 ‎ JMX Promotion:IA1クラス2年目になると、コンスタントに表彰台や上位に入るようになって、ランキングも2位で終えています。1年目と比べるとかなり安定感が出たように見えますが、何かきっかけがあったのでしょうか? ‎ 大倉:1年目はチーム環境もマシンも変わったので、新しい環境に慣れていなかった部分も大きかったです。2年目に入ってマシンにもようやく慣れて、乗れるようになっていったというのはあると思います。 JMX Promotion:1年目特有のプレッシャーだったり、環境への慣れだったり、メンタル面に響いていたものが大きかったんですね。 大倉:そうですね。2年目はマシンと環境への慣れと、1年目の反省がだいぶ生かされたと思います。2年目はもう言い訳はできない、しっかり結果を残していかないとダメなシーズンという思いは常にありました。せっかくプロとして走れるチャンスを手にして、やっとスタートラインに並べたのに、ここで掴んだチャンス手放したくないという気持ちが一番強かったです。 ‎ JMX Promotion:1年目よりも強い意志を持って走っていたのですね。 大倉:正直1年目は、ホンダのライダーとして僕を選んでもらったのに結果も残せず、こんな俺が走ってていいのかみたいな、すごくマイナス思考に陥ってしまってました。 JMX…

世界王者、ロマン・フェーブルが最終戦に参戦決定

11月1〜2日、宮城県にあるスポーツランドSUGOにて開催されるD.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ 2025 第63回 MFJ-GP モトクロス大会に、2025モトクロス世界選手権(MXGP)のシリーズチャンピオンに輝いたロマン・フェーブル選手が参戦することが決定しました。「Team Kawasaki R&D」からIA1に出場。使用マシンはファクトリー仕様の「KX450-SR」です。 フェーブル選手は、FIMモトクロス世界選手権のMXGPクラスにおいて、2025年シーズンのシリーズチャンピオンを獲得したばかり。過去の戦績を見ると、2020年から2024年までの間にMXGPランキングで2位を2回(2021・2023年)、4位(2020年)、5位(2024年)を獲得しており、常にトップレベルで活躍しています。また、全日本モトクロス選手権には2015年の最終戦にスポット参戦した経験があり、当時もIA1クラスに出場。今回の参戦はそれ以来、10年振りとなります。世界チャンピオンの走りを見ることができる貴重な機会、ぜひ会場でその走りを目の当たりにしてください。 D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ 2025 第63回 MFJ-GP モトクロス大会 日程:11月1〜2日 会場:スポーツランドSUGO(宮城県) D.I.D JMX 2025 R7 第63回 MFJ-GP モトクロス大会

日本代表チームに聞く、MXoNにかける思い

10月3〜5日、アメリカのインディアナ州にあるアイアンマン・レースウェイにて、モトクロスの国別対抗戦「モトクロス・オブ・ネイションズ(MXoN)」が開催。日本代表チームは、昨年に引き続き、2年連続で参戦します。 代表ライダーの選抜理由は? チームとしての今年の目標は? ライダーがこの大会にかける思いとは? この記事では、日本代表チームをより深く知るべく、日本代表のチーム監督である熱田高輝さんや各ライダー、そしてチームマネジメントを担当しているTEAM JAPAN MX PROJECTの代表理事、元木龍幸さんにインタビューをしました。 日本代表ライダーの選抜方法とは? そもそも日本代表として日の丸を背負うライダーはどのように選抜されているのかというと、日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)と、日本代表のチームマネジメントを担うTEAM JAPAN MX PROJECTによる「日本代表選考委員会」が代表メンバーの選出を行っています。 https://teamjapanmx.com/about 代表候補はシーズン前半戦の成績を元に、実力のあるライダーが選出されます。今年の日本代表ライダーは以下の通り。AMAスーパーモトクロスシリーズで活躍する下田丈選手をはじめ、D.I.D全日本モトクロス選手権IA1クラスから大倉由揮選手、IA2クラスから中島漱也選手が選ばれました。 ・MXGPクラス(450cc): 大倉 由揮(おおくら ゆうき、26歳) ・MX2クラス(250cc) :中島 漱也(なかじま そうや、23歳) ・OPENクラス(排気量自由): 下田 丈(しもだ じょう、23歳) チーム監督、熱田高輝さんが見る今年のMXoN日本代表 代表メンバーの下田選手はAMAスーパーモトクロスシリーズでチャンピオン争いを繰り広げており、世界でも認められている実力の持ち主。日本代表として出場するのは2022年以来2回目です。また、大倉選手は第4戦終了時点でIA1クラスポイントランキング3位につけており、MXoNへの出場は今回で3度目です。一方、中島選手は初参戦ではありますが、ここ数年で海外トレーニングを重ね実力を伸ばしているライダー。期待が高まるメンバー構成となっています。 熱田高輝さん(2024年MXoN参戦時) チーム監督の熱田高輝さんは、1996年MFJスーパークロス選手権のチャンピオンであり、AMAプロモトクロス選手権にも出場経験があります。現役を引退して以降、2017年にMFJレーシングアドバイザーに、そして2018年にMXoN日本代表監督に就任。コロナ禍による開催中止や、日本代表の出場見送りなどもあり、就任してから2018・2019・2022・2024年に帯同しました。熱田さんにとって5回目となる今回、日本代表チームをどう見ているのでしょうか。 「代表候補は実力、つまりシーズン前半あたりの成績をもとに選考委員会で選んでいます。ただ、選ばれたライダーが参戦できるかどうかはまた別で、ライダーの契約状況やメーカーなどの都合が全て揃わないと出場はできません。そんな中、全てクリアして出場権を得た下田選手、大倉選手、中島選手が今年の日本代表を担っています。 下田選手は今年AMAスーパーモトクロスシリーズで優勝を重ねていて、調子の良さが目に見えてわかります。彼が走り慣れているアメリカが開催国ということで、MXoNの舞台で優勝することは夢ではないと思います。また、普段レースをしている250ccマシンではなく、450ccに乗って戦うので、どんな走りを見せてくれるのか僕自身も注目しています。実力や経験値もメンバーの中でずば抜けているので、チームを引っ張る存在になると思います。ただ、2022年に彼が出場した時は、チームとして彼1人の実力に任せすぎていた部分がありました。そのプレッシャーを本人も感じていたと思いますし、実際転倒が相次いだりとレースで彼の実力を発揮できませんでした。その反省を踏まえて今年はうまくコンタクトをとって、チームで連携をとっていきたいです。 大倉選手と中島選手はオフシーズンや夏のインターバル期間でそれぞれ海外トレーニングを積んでいます。もっと実力を伸ばしたい、もっと高みを目指すという心意気を感じますし、MXoNにかける想いを強く持つライダーが揃っていると感じます。現地では特にMXoN独特の雰囲気に飲まれてしまって、身体が硬くなってしまうライダーも多いので、2人には海外トレーニングの経験を現地で生かしてほしいと思います」(熱田さん) 2024年MXoN また、チームとしての目標と戦略についてはこう語ります。 「チームとしての目標は決勝進出、そして過去最高位の6位を超えることです。 グリッドの順番などの戦略は現地でコースやレース状況を見ながら詰めていきます。レース前でいうと、暫定エントリーリストが確定する時にライダーの出場クラスを一部変更しました。具体的には、MXGPクラスに出場予定だった下田選手とOPENクラスの大倉選手をスイッチしました。MXGPとMX2クラスは排気量が決まっていて、各排気量のマシンで高い実力を誇るライダーをチョイスするチームが多いです。例えばMXGPクラスにはオーストラリアのジェット・ローレンス選手やアメリカのチェイス・セクストン選手がいますし、MX2クラスにはアメリカのヘイデン・ディーガン選手が出場します。一方OPENクラスは排気量自由で250ccと450ccの混走になり、予選で下田選手が上位に入る確率がより高くなると思いました」(熱田さん) なお、日本のライダーがMXoNに出場する意味について、熱田さんは「普段全日本モトクロス選手権をメインでレースをしているライダーにとって、MXoNに出ることは自分自身を成長させるきっかけになります。世界中のトップライダーと一緒にレースをすることで、気づかないうちに周りに引っ張られてレベルが上がっていくんです。実際にMXoNを終えてから著しく成長したライダーも見てきました」と、日本のさらなるレベルアップを期待していると話しました。 中島と大倉、MXoNに向けて 中島漱也「MXoNのためにこのインターバルはアメリカへ」 「MXoNは小さい頃から見ていた舞台で、日本代表として走ることは自分の夢でもあったのですごく嬉しいです。代表に選ばれたと聞いた瞬間は、チャンピオンを獲った時よりも喜びを感じました(笑)。 第4戦が終わってからのインターバル期間は、6週間ほどアメリカに行き、トレーニングをしていました。練習場所としてアメリカを選んだのは、MXoNを意識してのことで、あえてです。会場のアイアンマン・レースウェイにも行きたいということは現地で面倒を見てくれていた方にも伝えていて、一度実際にコースを走る機会をもらいました。実際走ると映像で見ていたのとは全然印象が違って、わだちはどんどん掘れていくし、コース整備の仕方が日本と違うし……、事前に見ておくことができて本当に良かったです。 個人的には、順位などの具体的な目標はあまり決めていません。1レースごとに全力を出すことができるかが結果につながってくると思うので、目の前に集中していきたいです」 大倉由揮「今回こそはなんとしてでも決勝に」…

“東福寺保雄記念” 第6戦の大会名に込めた想い

2025年6月8日、全日本モトクロス選手権国際A級クラスにて9度チャンピオンに輝いたレジェンドライダー、東福寺保雄さんが逝去されました。 東福寺さんは1972年にレース活動を始め、全日本モトクロス選手権国際A級クラスでは1980〜82年/1984年/1986〜88年/1990年(2クラス)の計9回、前人未到の「V9」を達成。1992年に現役を引退された後は、埼玉県を拠点としたモトクロスチーム「T.E.SPORT」の監督として後進の育成に力を尽くすなど、モトクロス界に多大なる貢献をされました。 そして今回、10月18〜19日に行われるD.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2025 第6戦の大会名が当初の「D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2025 第6戦 オフロードヴィレッジ大会」から変更され、「D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2025 第6戦 21Groupカップ 東福寺保雄記念」と名付けられました。 大会名の変更にはどんな思いが込められているのでしょうか。主催者である有限会社うず潮レーシング代表取締役で東福寺さんと同世代のライバルであり、第6戦の会場となるオフロードヴィレッジを運営する福本敏夫さんと取締役の福本高大さんにお話をうかがいました。 「誕生日が開催日、運命を感じました」。主催・福本高大が込める想い 福本高大さん 福本高大さん(以下:高大さん)は埼玉モトクロス部会の会長であり、第6戦の主催者として大会の運営を行っています。今回の大会名変更も高大さんが発案したとのこと。どんな想いを持って大会名を付けたのでしょうか。 「東福寺さんはモトクロス界における偉大なライダーです。東福寺さんを追悼する場として、公にお別れ会も開かれていましたが、東福寺さんが活躍していた全日本モトクロス選手権という舞台でもそういう場を作りたいと考えました。 僕自身の東福寺さんとの出会いは生まれてすぐの時まで遡ります。父(福本敏夫さん)が1981年のチャンピオンで東福寺さんと競い合っていて、僕が1982年生まれなので、記憶はないですが、赤ちゃんの時から会場で会っていたそうです。僕がレース運営に関わるようになってからは、関東モトクロス選手権をうち(うず潮レーシング)とモトショップ鷹、T.E.SPORTで運営をしていることもあって、東福寺さんにはよく大会の相談をしていました。そこでの繋がりが一番大きいです」(高大さん) 全日本モトクロス選手権という場を通して何かしたいと動いた高大さん。進めていく上で、大会の開催日にある運命を感じたと言います。 「実は、第6戦が開催される10月18日は東福寺さんの誕生日なんです。365日のうち1日が被るなんて、運命的だなと思います。当日は会場で展示を行おうかと考えています。もちろん選手権がメインですが、彼が存在していたこと、その軌跡をぜひ見て帰ってほしいです。全日本モトクロス選手権は2日間あるので、そこに集まった方とともにじっくり話すこともできますし、お別れ会に参加できなかったという方や、東福寺さんのことを知らない人にも、彼の存在を知ってもらえる機会になると思っています」(高大さん) なお、東福寺さんが亡くなる前、5月17〜18日に行われた第3戦では、Honda Dream戸田美女木の観客スタンドに、東福寺さんのマシンやウエアの展示が行われました。第6戦でもこのような展示が見られる予定です。 「ここまでモトクロス界に貢献した彼のことを知ってほしい」。同年代のライバル、福本敏夫の思い 福本敏夫さん 福本敏夫さん(以下:敏夫さん)は1981年の全日本モトクロス選手権国際A級125ccクラスのチャンピオン。東福寺さんとは同じクラスでトップ争いを繰り広げたライバルです。現在は有限会社うず潮レーシング代表取締役として、全日本モトクロス選手権の舞台でもあるオフロードヴィレッジを運営しています。 「東福寺は引退後にT.E.SPORTというレーシングチームを立ち上げてライダー育成の場を作っていました。僕もうず潮レーシングを立ち上げた後、走る場所が必要だと思いオフロードヴィレッジを作りました」(敏夫さん) また、東福寺さんと全日本モトクロス選手権でチャンピオン争いをした当時を振り返り、こう語ります。 「東福寺とはB級からA級に一緒に昇格した仲で、ずっとライバルでした。思い返すと、彼は怪我が多いライダーでしたが、怪我をして走れない時はビデオカメラで他のライダーの走りを撮影して研究している、研究熱心な人でした。また、研究といえば、メカニックをしていた小野くんのサポートがあったことも大きいと思います。 マシンテストで走る日はもちろん、休みの日にまで2人で集まって、サスペンションをセッティングしていた姿が印象的でした。セッティングを何度も繰り返し試して、良いバイクを作ろうと熱心に取り組んでいて……。もちろん僕らもテストの日は同じように試しますが、休みの日にまで集まって行うのは、メカニックの都合とかもあるからそうできることじゃなかったんですよ。2人のバイクづくりに対する研究熱心なところは、当時見ていても秀でていたと思いますし、それが東福寺の結果や強さにつながっていたと思います。振り返ればたくさん思い出はありますし、語りきれませんね」(敏夫さん) 優勝をかけて東福寺さんとともに競い合ってきた敏夫さんにも第6戦への思いをうかがいました。 「モトクロス業界にここまで貢献した人を、なるべくみんなに知ってもらいたいという思いがあります。彼のことを知らない人も、この大会をきっかけに知ってほしいです。日本のモトクロスの歴史を作ってきた人がいるから今があるということ、今までの歴史を受け継いでこれからのモトクロスを盛り上げていきたい、そんな思いが繋がるような大会になるといいなと思います」(敏夫さん) 大会当日の詳細はこれから随時発表していきます。JMX Promotionの公式サイトやSNSで、第6戦の情報をチェックしておきましょう。 大会概要 D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2025 第6戦 21Groupカップ 東福寺保雄記念 開催日:10月18〜19日 会場:オフロードヴィレッジ(埼玉県)

モトクロス・オブ・ネイションズ(MXoN)スポンサーのご紹介

協賛企業 イフイング株式会社 https://www.ifing.com/ システムトリートメント「トキオ・インカラミ」を主要ブランドとして展開しています。 株式会社ダートフリーク(https://www.dirtfreak.co.jp/) SOCAL MXTF 株式会社TUN物流(http://tun.co.jp/) 株式会社勝栄健工(https://www.shoeikenko.com/) 株式会社トサ 株式会社エスコートキャピタル メディアサポート株式会社(https://www.media-st.net/) 本田技研工業株式会社(https://www.honda.co.jp/) 株式会社ホンダ・レーシング(https://honda.racing/ja/) ヤマハ発動機株式会社(https://global.yamaha-motor.com/jp/) カワサキモータース株式会社(https://www.global-kawasaki-motors.com/) 株式会社RSタイチ(https://www.rs-taichi.co.jp/) 株式会社N-TECH(http://www.n-tech.tokyo/) YSP浜松(https://hamamatsu.ysp-shop.com/) 株式会社住友ゴム工業(https://www.srigroup.co.jp/) 株式会社WESTWOOD MX(https://store.westwoodmx.jp/) 株式会社ファイネスト 株式会社武蔵重量 株式会社モトスポーツプロモーション(https://mspro.jp/) 株式会社CARRY(https://carrydesign755.com/) ナチュラル 株式会社シリウス トータルサインフェイス(https://face1.net/) 大会概要 Monster Energy FIM Motocross of Nations 期 間:2025年 10…

2025MXoN日本代表応援Tシャツの販売が開始

今年は10月3〜5日にアメリカで開催されるモトクロスの国別対抗戦「モトクロス・オブ・ネイションズ(MXoN)」第78回大会に向けて、2025MXoN日本代表応援Tシャツの販売が始まりました。D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ2025の各大会開催時に、会場にて購入することができます。 Tシャツは1枚3000円。材料費を除いた売り上げの全てを2025MXoN日本代表チームの活動費に充てるということで、Tシャツの購入が日本代表チームへの支援となります。第2戦では株式会社CARRYの出展ブースにて販売されるとのこと。 なお、日本代表ライダーは毎年3人選抜されますが、今年のメンバーはまだ未発表です。ポスターには「代表は俺だ」のキャッチコピーとともにIA1・IA2クラスのトップライダーたちが揃っています。今年は誰が代表に選ばれるのか、今後の動向にも注目です。 ■第2戦大会情報 D.I.D JMX 2025 R2 SUGO大会 ■TeamJapan MX Projecxtホームページ http://teamjapanmx.com/

D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2025 開幕戦 HSR九州大会 会場周辺情報

D.I.D全日本モトクロス選手権は、北は北海道、南は熊本県まで全国各地で開催されます。「応援のついでに何か食べたい」「帰りに温泉でゆっくりしたい」「家族も楽しめる観光スポットは?」など、観戦に来たならその土地ならではのものを楽しみたいですよね。今回は、HSR九州周辺のおすすめスポットをまとめました。ぜひ観光の参考にしてください。 おすすめスポット10選 ■グルメスポット 馬勝蔵 火の国 文龍 総本店 味の大津屋 ■温泉スポット 下大谷温泉 大谷の湯 山鹿温泉 さくら湯 菊陽町総合交流ターミナル さんふれあ ■観光・立ち寄り 道の駅 大津 阿蘇山 八千代座 ライコランド熊本インター店 観戦後にはご馳走を、グルメスポット 馬肉料理 馬勝蔵(HSR九州から2.5km) 熊本といえば馬肉! と、馬肉料理を楽しみに来る方も多いでしょう。HSR九州から車で10分ほどの場所にある馬肉料理専門店「馬肉料理 馬勝蔵(ばにくりょうり うまかつぞう)」は、2018年ミシュランガイド熊本・大分特別版にも掲載されたお店で、質の良い一級品の馬肉のみを厳選、普段なかなか味わえない部位まで取り揃えています。また、店舗は築130年と歴史が古く、風情ある空間が楽しめます。なお、完全予約制のコースのみとなっているため、事前に予約が必要です。 施設名馬肉料理 馬勝蔵(ばにくりょうり うまかつぞう)住所熊本県菊池郡大津町室83電話番号096-294-0303駐車場7台あり営業時間17:00~22:00(L.O.21:30)定休日日曜日、祝日 ※その他休業ありURLhttps://www.umakatsuzo.com/ ルート案内https://maps.app.goo.gl/KK9RN9Hdx5F1VVeH6 火の国 文龍 総本店(HSR九州から16.2km) 超濃厚な豚骨ラーメンで有名な「火の国 文龍 総本店」。HSR九州からは車で30分ほど、国体道路沿いに位置していて、店舗の入口にある大きな龍のオブジェが目印です。麺は中太の自家製ちぢれ麺。こってりスープが応援に全力を尽くした後の身体に沁みわたります。行列ができるほどの人気店のため、時間には余裕を持って行くことをおすすめします。 施設名火の国 文龍(ぶんりゅう) 総本店住所熊本県熊本市東区戸島4丁目2-47電話番号096-388-7055駐車場あり営業時間11:00~15:00 17:30~21:30(LO.21:00) ランチ営業、日曜営業定休日火曜日URLhttps://kumamoto-guide.jp/ramen_navi/detail/7 ルート案内https://maps.app.goo.gl/CZ4TPwutEfWG2U918  味の大津屋(HSR九州から3.4km)…

D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2025 開幕戦 HSR九州大会(4/13開催)プレビュー

4月13日、D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2025が開幕する。2024年シーズンが10月に閉幕してから、約6ヶ月のシーズンオフ期間を経て迎える開幕戦。今年はどんなレースが繰り広げられるのか、この記事では各クラスの見どころを紹介する。なお、今大会は観戦無料。モトクロスを好きな方はもちろん、知らない方も気軽に観戦できるチャンスであるため、この記事を参考にぜひ観戦を楽しんでほしい。 D.I.D JMX 2025 R1 HSR九州大会 全日本モトクロス選手権は、通常土曜日が予選日、日曜日が決勝日と2日間にわたって行われるが、開幕戦は予選と決勝を1日で行う1DAY開催となる。当日は4つの公認クラスのレースが開催され、IA1・IA2クラスは30分+1周の2ヒート制、レディースクラスは15分+1周の1ヒート制、IB OPENクラスは20分+1周の2ヒート制で行われる。 また、予選は公式練習兼タイムアタック形式で実施され、指定時間内に計測されたタイムの早い順に決勝進出の可否、及びスターティンググリッドの順位が決まる。ライダーたちは時間内であれば自分の好きなタイミングでコースインすることができ、ライバルのタイムを見ながらアタックをするその駆け引きも見どころとなっている。 会場は熊本空港から車で約30分ほどの場所に位置しているHSR九州。広大な土地を生かしたレイアウトが特徴で、ハイスピードでバトルが展開されるその迫力を間近で感じることができるのが魅力の一つだ。また、コース担当者に聞いたところ、レイアウト自体は昨年とほとんど変わっていないが、セクションが数ケ所変更されているという。6番ポストからフジヤマと呼ばれるビッグジャンプまでのウェーブセクションが上り坂になっており、昨年よりもハイスピードに仕上がっている。また、14番ポストにあるフープスセクションはコブの数が3つ増え、11番ポストから続いていた6連ジャンプは、テーブルトップが3つ続くかたちに変更された。担当者いわく特に11番ポストからのセクションは難易度が高く、まだ調整中とのことだが、テーブルトップを1つずつ飛ぶライダーもいれば、テーブルトップの上だけをつないで走るライダーもいるということで、テクニックの差が出やすくなっている。各ライダーのセクション攻略方法にもぜひ注目して見ていただきたい。 IA1 接戦が予想されるIA1クラス、最初に勝利を手にするのは誰か #1ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY RACING TEAM/ヤマハ YZ450FM) 全日本モトクロス選手権の中で最高峰となるIA1クラス。各メーカーのチーム体制を見ると、ヤマハのファクトリーチーム「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」からはオーストラリア出身の#1ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY RACING TEAM/ヤマハ YZ450FM)が参戦する。2023・2024年と2年連続でシリーズチャンピオンを獲得した王者で、今年は3連覇を狙う。また、ウィルソンはレース参戦に加えてマシン開発や若手育成にも力を入れており、このシーズンオフ期間にはYAMAHA BLU CRU RACINGに所属するIA2ライダー#1中島漱也(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM TAKA/ヤマハ YZ250F)と#4⽥中淳也(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松/ヤマハ YZ250F)とともにニュージーランドでトレーニングを重ねたという。開幕戦に向けて話を聞くと、「若いライダーたちのエネルギーに刺激を受けて、良い形で練習ができました。メンタル面も安定していて、フィジカルも好調です。レースが始まるのが待ち遠しいです」とコメント。チャンピオン争いの筆頭となるであろう彼の走りは見逃せない。…

ランキングからわかる、最終戦の見どころ

D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2024も残すは最終戦のみ。今シーズンの集大成となるMFJ-GPでは、IA1以外の全クラスでシリーズランキングが決定する。ここでは第7戦終了時点でのシリーズランキングを振り返りつつ、最終戦をさらに楽しむための見どころをお伝えする。 シリーズランキングは積み重ねてきた結果がポイントで数値化され、各ライダーの実力が可視化される。さらに今シーズンのランキングが来年のゼッケン番号に反映されることもあり、最終戦は1つでも上の順位でシーズンを終えたいというライダーたちの思いやドラマが詰まっていると言えるだろう。今季も各クラス、最終戦に向けて接戦が繰り広げられてきた。 IA1 チャンピオンはすでに決定。最終戦でどこまでポイントを獲得できるか IA1クラスは#1ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM/ヤマハ YZ450FM)が第7戦でチャンピオンを決定した。これまでのレースを振り返ると、ウィルソンは17ヒート中11勝を飾っており、優勝数は他のライダーと比べて圧倒的であった。最終戦でさらに優勝数を重ねることができるのか。今回はFIMモトクロス世界選手権MX2クラスに出場している#73フェルッチョ・ザンキ(Team HRC/ホンダ CRF450RWE)がスポット参戦することもあり、優勝争いは目が離せない。 一方、2位には280ポイントで#41横⼭遥希(HONDA DREAM RACING LG/ホンダ CRF450R)、3位には231ポイントで#33ビクトル・アロンソ(AutoBrothers GASGAS JAPAN/GASGAS MC450F)、4位には224ポイントで#2⼤倉由揮(Honda Dream Racing Bells/ホンダ CRF450R)、5位には170ポイントで#7能塚智寛(Team Kawasaki R&D/カワサキ KX450-SR)がつけている。特にビクトルと大倉の差は7ポイントと僅差で、ランキング争いは接戦だ。 IA2 僅差のチャンピオン争い、3位以降も接戦 IA2クラスは第7戦で#3中島漱也(bLU cRU レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ250F)が#2横澤拓夢(TKM motor sports いわて/ホンダ CRF250R)を逆転してランキングトップに浮上した。横澤との差は13ポイントと、最終戦の結果次第ではどちらがチャンピオンになってもおかしくない状況。決勝でどちらが勝利を掴むのか、チャンピオン争いに緊張感が走る。 また、ポイントランキング3位以降は、#6柳瀬⼤河(TKM motor sport…