2022年6月5日 栃木県:モビリティリゾートもてぎ 観客数:2,800人
全日本選手権第3戦は関東大会もてぎ。コロナ禍となって3年目、世界選手権のキャンセルが続いて3年目のもてぎ大会となった。今年からツインリンクもてぎがモビリティリゾートもてぎと名称変更となり、モビリティリゾートもてぎでのトライアルは、これが初めてとなった。
予報は今回も雨の心配があったが、土曜日は快晴、日曜日も朝のうちは小雨が残っていたが、スタートする頃には雨は止んで、途中暑いくらいの好天になりながら、ほぼ1日曇り空のコンディションとなった。
セクションはどこのクラスもむずかしめということで、激戦が期待された。
国際A級スーパー
スーパークラス優勝の小川友幸(ホンダ)ランキングでは2位の黒山に14点差でトップ
開幕戦で敗北しながら第2戦で土壇場の逆転勝利を飾った小川友幸(ホンダ)は、今回は堂々たる走りを披露した。10セクション2ラップはどれもむずかしく、オール5点となってしまった選手も何人かいる中、小川は20セクションを走って5点が一つのみと、スコアも素晴らしかった。
これを追うのは黒山健一(ヤマハ)だったが、1ラップ目からダブルスコアに近い差をつけられ、2ラップ目には5点を二つ喫して、2ラップ目が終わった時点で16点差と、勝負の決着はついていた。この日の小川には、死角がまったく感じられなかった。
果敢にセクションを攻めていく黒山健一(ヤマハ)だが、小川の点数に届かなかった
3位には氏川政哉(ホンダ)。1ラップ目の4位から、2ラップ目に追い上げ、黒山と5点差でSSに挑んだ。黒山を逆転しての2位浮上はならなかったが、今シーズン結果が伴わなくて不本意続きだった氏川には、ようやく表彰台に乗ることができて一安心だった。
3位の氏川政哉(ホンダ)今シーズン初の表彰台へ
その氏川にわずか1点差でSSに挑んだ野崎史高(ヤマハ)は、SS第1で大岩攻略を失敗し、これで4位を決定づけた。柴田暁(TRRS)は難セクションを走破する好調ぶりも見せつつ、全体としてはスコアをまとめられずに5位。10個もの5点で苦しんだ小川毅士(ベータ)が6位となった。
IASとなって2年目の若手、廣畑伸哉が自身最高位の7位を獲得して、ランキングも7位に浮上した。独自のスタンスを貫くオートレーサー野本佳章が9位となって廣畑に続くランキング8位。今年のIASは、SSへの進出争い(10位までがSSに進む)、そして15位までの選手権ポイント争いなど、トップ争い以外でも見どころが多い。
チャンピオン争いは、トップの小川友幸が2位黒山に14ポイント差をつけた。以前より上位に入った場合のポイントが獲得が大きくなっているから、まだまだ今後の波乱もありそうだ。
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国際A級
ベテラン田中善弘の勝利
開幕戦、第2戦と永久保恭平(ベータ)の後塵を拝した田中善弘(ホンダ)が、3戦目の正直で今シーズンの初勝利を飾った。
田中は1ラップ目にふたつのセクションで減点して4点、2ラップ目は5点一つのみで、総減点9点、クリーン17の見事な勝利を飾った。
チャンピオン争いで田中と競りあう永久保恭平(ベータ)は5点5つで4位。ランキングでも3点差で、田中がトップに躍り出た。
2位は本多元治(ホンダ)、3位は山崎頌太(ベータ)、6位に砂田真彦(ホンダ)と、いずれもIAS経験のある実力者たちが並んだが、この中で、5位にIA昇格2年目の黒山陣(スコルパ)が5位に入って気を吐いた。
国際A級表彰式、優勝田中善弘(中央)2位本多元治(左)3位山崎頌太(右)
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レディース
大接戦だったが、連勝記録は続く。レディース西村亜弥
チャンピオン西村亜弥(ベータ)の妹であり、日本レディース唯一人IAだった実績のある片桐真理子(ベータ)が参戦、姉妹対決が注目を集めた。
二人はペース配分をまちがえたということで、セクションのいくつかを申告5点でパスして試合を進めることになったが、2点差で現役チャンピオンが勝利。片桐はわずか1点差で小玉絵里加(ホンダ)をかわすという大接戦となった。
4位は、前回3位表彰台を獲得した山森あゆ菜(ベータ)、前回2位の山中玲美(ホンダ)は5位。山森と山中の点差もわずか2点だった。今回の参加は、8名だった。
レディース表彰式、1位西村亜弥、2位桐生真理子、3位小玉絵里加、4位山森あゆ菜、5位山中玲美、6位ソアレス米澤
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国際B級
IBクラス優勝、宮崎航
IASからライセンス失効でIBに出場、開幕戦で勝利した宮崎航(ベータ)が、再び登場。1ラップ目、宮崎は第2戦で勝利した辻本雄河(TRRS)に4点差の8点でトップ。しかし思わぬ失点もあって、トライアルのむずかしさをあらためて痛感していた。
2ラップ目は渋滞もあって試合展開は波乱含み。宮崎も5点4つを喫しながら、それでも2位に4点差で2勝目を挙げた。
2位となったのは、GC大会で勝利した小椋陽(モンテッサ)。もの不足でマシンの修理や調達ができずに開幕2戦を欠場したということだが、3戦目でデビュー、宮崎に迫る2位獲得はよい結果となった。
IA昇格の権利をかけたランキング争いは、昇格申請が可能な宮崎を含めてなかなか熾烈。シーズンが進むにつれて、昇格レースはさらに興味深いものになっていくにちがいない。
IBクラス、優勝宮崎航、2位小椋陽、3位辻本雄河、4位本田隆史、5位吉本由輝、6位新井昭多
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オープントロフィー125
全日本選手権に併催されて組まれたオープントロフィー125には、栃木県の14歳、神長叡摩が参加した。全日本の舞台、IBセクションへのトライと、このクラスへの参戦経験は将来に向けて貴重なものとなるはずだ。
オープントロフィー125に出場した神長叡摩
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2022年4月24日 熊本県矢谷渓谷キャンプ場 観客数:1,200人
2022年の全日本選手権シリーズ、その第2戦。昨年の宮崎県えびの高原から、今年は会場を熊本県矢谷渓谷キャンプ場に移して開催された。この会場での全日本大会は、2016年以来となる。
雨予報で、当日未明まではそこそこの雨が降り続いたが、朝のスタート時刻ころには雨は止んだ。その後、午前中に小雨に降られたものの、日が沈む頃には薄日がさすほどになり、雨具もいらなくなっていった。
砂と石まじりの土質で、水に濡れてもそれほど泥々にならず、グリップも一見悪くないのだが、岩はつるつるに滑り、グリップがあると思っていた路面も突発的に滑ったりと、なかなかにむずかしいトライアルとなった。
国際A級スーパー
SSで逆転勝利。小川友幸
開幕戦で黒山健一(ヤマハ)の好走を止められなかったチャンピオンの小川友幸(ホンダ)だったが、九州ではチャンピオンの走りが戻ってきた。1ラップ目の10セクションをクリーン4、5点二つでまとめてきた。小川が残した二つの5点は第3と第10で、この二つは全員が5点(第3は1ラップ目のみ全員5点)となったところだった。
今回、小川を脅かすべきは野崎史高(ヤマハ)だった。野崎は大会直前に腰を痛め、さらにウォーミングアップ中に指を痛めていて、コンディション的には最悪だったのだが、トライ中にはそんなハンディを感じさせない走りを見せていた。その野崎も、小川には9点差をつけられている。小川の1ラップ目は15点だから、9点差はかなりの大差だ。
1ラップ目の3位は、今シーズンからマシンを乗り換えた柴田暁(TRRS)だった。野崎とは1点差の25点。この後も、小川毅士(ベータ)26点、吉良祐哉(シェルコ)27点、黒山29点と接戦が続く。前回優勝の黒山が1ラップ目を終えて6位というのも、意外な展開だった。
2ラップ目、今度は小川友幸が調子を崩した。ゲート接触の5点が多く、2ラップ目には5点が5個にもなった。2ラップ目の減点は28点と、自身の1ラップ目と比べても、ダブルスコアに近い。
2ラップ目に調子を上げたのは二人。小川毅士と氏川政哉(ホンダ)だった。小川毅士は自身の1ラップ目より10点減点を減らし、1ラップ目の小川友幸のベストスコアに匹敵する16点で追い上げてきた。これで、2ラップが終わった時点では、トップは1点差で小川毅士のものとなっていた。
2ラップ終了時点でトップに立った小川毅士
氏川は1ラップ目から8点減点を減らして、7位から4位にポジションを上げて2ラップを終えた。
1ラップ目3位だった柴田は、2ラップ目に5点減点を増やし、7位までポジションを落として2ラップを終えた。点数の近いライバルがひしめいているから、小さな減点が順位を動かしていく。
残るSS。今回のSSは難度が高く、特にSS第2はだれも上れないのではないかと言われる大ヒルクライム。逆転劇は、5点以内の点差でポジションを争うライダーにのみ実現できそうだ。優勝争いは1点差だから、もちろん逆転劇が生まれる可能性は大だ。
優勝争いから6点差で、単独3位が野崎。野崎と4点差で氏川だが、ここに逆転の可能性はあるだろうか、むしろ氏川に1点差で迫る黒山、さらに3点差の柴田、吉良による四つどもえの4位争いとなりそうだ。
8位廣畑伸哉(ガスガス)は、7位までの間に18点が開いて、これ以上の結果は望めない。しかし廣畑を含め、久岡孝二(ヤマハ)と野本佳章(ベータ)が同点で並んでいて、ここにも逆転劇は生まれそうだ。
SS第1、最初にトライした野本が3点で抜け、久岡が5点。ここで野本が久岡を逆転した。廣畑も3点で抜けたが、廣畑の順位は変わらず。そしてここから、4人による4位争いとなる。
3位表彰台を確保した野崎史高
まず柴田が2点をマークしてライバルにプレッシャーをかける。吉良は5点、次の黒山は、柴田を上回る1点で、逆転を狙う柴田の頭を押さえた。ここで氏川が5点。この時点では、黒山が4位に進出し、氏川5位、柴田6位、吉良7位と並んだ。
続く、難攻不落と思われていたSS第2。焦点はどこまでもどこまでも登っていく特大ヒルクライムだが、それ以前に入口の空中丸太越えも難所だった。トップを切ってトライした野本はこの丸太で激しく滑って5点。それでもSSとあってヒルクライムにも挑戦……、と思いきやヒルクライム入口で華麗なバックフリップを決めてSSを見守るギャラリーを沸かせていた。野本のバックフリップを見るのも、そういえば久しぶりだ。
その後も丸太で5点、丸太を抜けてもヒルクライムの加速がむずかしく、頂点までは届かない。しかし全開を維持しながら、最大限にスピードを乗せた柴田が1点で抜けると、後続にとっては登りきらなければいけない使命が生まれた。しかし黒山、氏川と続けて失敗。野崎が3点で抜け、順位争いも混とんとしてきた。
優勝争いの二人は、まず小川友幸が3点で抜け、小川毅士は加速でマシンコントロールがわずかに乱れて失敗、勝負は3点差でチャンピオンの勝利となった。
リザルトは、SSで順位ががらりと変わった。柴田が7位から4位にポジションをアップさせ、氏川が4位から6位にドロップ、黒山は3位も狙える勢いを見せながら5位となった。
ランキングテーブルでは、開幕戦2位、第2戦2位の小川友幸がトップだが、2位の黒山に早くも9点のポイントリードを築くことになった。野崎が黒山に4点差のランキング3位、さらに2点差で小川毅士と続いている。
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国際A級
国際A級優勝、永久保恭平
開幕戦で2位の永久保恭平(ベータ)がリベンジを果たした。前回3位の田中善弘(ホンダ)と同点クリーン数差の勝負を制しての優勝だった。
3位は宮崎県の徳丸新伍(ホンダ)。昨年九州大会以来、1年ぶりの全日本選手権参戦で、きっちり表彰台を獲得した。ベテランばかりの表彰台にあって、4位に福留大登(ガスガス・17歳)が入った。福留は、永久保、田中、本多に続き、ランキングでも4位となっている。
10代の若手では中山光太(ベータ・2019年IBチャンピオン16歳)が8位、黒山陣(スコルパ・2020年IBチャンピオン12歳)が10位、浦山瑞希(TRRS・2021年IBチャンピオン14歳)が13位と、それぞれより上位を目指して奮闘中だ。
国際A級表彰式。左から優勝永久保恭平、2位田中善弘、3位徳丸新伍
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レディース
2ラップ目でアクシデントはあったが、圧勝した西村亜弥
チャンピオン西村亜弥(ベータ)が苦戦した。結果は2位にほぼダブルスコアと圧勝だったものの、2ラップ目の第4セクションで手を負傷するアクシデント。以後、残りのセクションは痛みと戦いながらのトライとなった。
2位は前回5位からリベンジを果たした山中玲美(ホンダ)。3位はデビュー2戦目で表彰台獲得の高校生、山森あゆ菜(ベータ)が入った。
今回は6名の参加だった。
レディース表彰式。左から優勝西村亜弥、2位山中玲美、3位山森あゆ菜
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国際B級
全日本選手権初出場で初優勝、国際B級辻本雄河
昨年GC大会で昇格した辻本雄河(TRRS)が、初出場初優勝を決めた。開幕戦は病欠で、第2戦の今回がデビュー戦となっていた。
2位はこれも昨年GC大会で昇格した吉本由輝(スコルパ)。3位には、開幕戦2位の藤堂慎也(モンテッサ)が入った。ランキングトップは藤堂で、2位は9ポイント差で辻本となっている。
やはり昨年GC大会で昇格した10歳の黒山太陽(たお)は、今回13位で初ポイントを獲得した。
国際A級表彰式。左から優勝辻本雄河、2位吉本由輝、3位藤堂慎也
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