2026年4月12日
愛知県キョウセイドライバーランド
観客動員数:2,000人
トライアルシーズンの幕開けは、昨年とほとんど変わらず、桜が終わった愛知県岡崎市での開催。昨年とちがって今年はいいお天気で、絶好の観戦日和となった。ただしライダーにはちょっと暑かったかもしれない。
今回は国際B級(IB)のみを1分2台スタートとして、国際A級(IA)までを一気にスタートさせたあと、約1時間おいて国際A級スーパー(IAS)がスタート。さらにオープントロフィーNA125(OP125)、IB、レディース(LTR)は第1、第2をやらずに第3からトライし、逆にIAとIASは第3と第6以外の10セクション2ラップを戦いの舞台とした。台数が多いので渋滞は起こったが、近年の全日本でよくあるような、時間に追われてライダーが右往左往した挙句に、申告5点で先を急ぐ光景は、今回は解消方向にあった。
国際A級スーパー
前年ランキング10位までの選手が残留することになって初めての戦い。IAチャンピオンの平田貴裕、ランキング2位の高橋寛冴を加えて12人参戦の予定だったが、シーズンオフの負傷で黒山健一が欠場。黒山の復帰は、今のところは予定が立たないという。ゼッケン1番の不在の全日本はなんとも残念だが、何より本人が残念にちがいない。早い回復を祈りたい。
ということで11名がスタートしたIAS。クリーンセクションとなった第1セクションから競技はスタート。第2、第4と難度は増していくが、今回は抜けられるセクションが比較的多そうだ。
昨シーズン中盤の負傷から、今回が復帰戦となった小川友幸(ホンダ)は、第2セクションから5点が続き、いきなりの完全復調はむずかしい様子だ。第4セクションまでの3セクションで5点なしは、武田呼人(ホンダ)、小川毅士(ベータ)、久岡孝二(ホンダ)の3人のみとなった。2026年が2025年までとはちがうシーズンになる予感が、現実のものになってきた。

しかし、ここから奮起してきたのが、氏川政哉(ヤマハ)、柴田暁(TRRS)の二人だった。二人は共に第2セクションで5点となったが、そこからの二人は5点も3点も2点もなし、というすばらしいライディングを見せた。1ラップ目、トップは氏川で7点、柴田が2位につけて9点。3位は後半に二つの5点で減点を増やした武田呼人と続く。
2ラップ目、多くのライダーが1ラップ目のライディングを修正して、さらにいいスコアを目指してきた。苦戦を続ける小川友幸は、それでも1ラップ目の減点を半分に減らし、上位陣との減点差を縮めてきた。1ラップ目に1位と2位だった氏川、柴田はともに減点8で2ラップ目を走り終えた。好調だった1ラップ目の走りを維持できた、ということになる。

1ラップ目に減点がかさんで、二人に後れを取ったライダーのうち、一気に点差を詰めてきたのが武田呼人。武田の2ラップ目はたった4点、これで武田は柴田を逆転し、暫定2位でSSを迎えることになった。しかも、トップの氏川との点差もたった1点。3位柴田とも1点差ということで、なんとも手には汗を握る優勝争い終盤戦、ということになった。

2ラップ目にトップスコアをマークしたのは小川毅士。小川は武田の4点を上回るたった3点で2ラップ目を走り終えてきたが、1ラップ目後半での3つの5点を取り返すには至らず。久岡も1ラップ目より10点近く減点を減らして5位争いのトップに出た。久岡の5位争いのライバルは、2点差で6位野﨑史高、4点差で7位小川友幸となる。


そしてSS。10人が進出するSSは、ルーキーの高橋だけが進めず、ということになった。高橋は1ラップ目の第1セクションのみ3点で抜けた。これが高橋のIASスタートとなる。
SS第1は中盤の2.8mと示されたヒューム管縦登りが鬼門。ここを小川友幸が1点で抜け、5位争いのライバルには大きなプレッシャーとなった。クリーンは小川毅士、柴田、氏川の3人。

続くSS第2は、4つの大岩が積み上げられた大ステアが鬼門。ここはSS第1よりさらに難度が高く、小川友幸、小川毅士、さらに武田も5点となった。これで武田のIAS初表彰台は2位ではなく3位ということになった。柴田は2点で2位を決める。
最後にトライした氏川は、アウトすれば優勝という場面だったが、見事、完璧なクリーンを見せて、キョウセイでの2勝目、自身2度目の開幕戦勝利、そしてヤマハでの初めての開幕戦勝利を飾った。氏川の勝利は、通算8勝となった。
柴田は約1年ぶりの表彰台、武田は約2年ぶりの表彰台獲得だ。

国際A級
層が厚いことで定評のあるこのクラス、今シーズンは昨シーズンIASを走っていた強者が何人もこのクラスに参戦していて、いっそうし烈な戦いとなることが予想された。
トップグループにとっては1回の足つきも致命的となりかねない戦況の中、1ラップ目にわずか1点でトップに出たのは宮澤陽斗(ベータ)。昨年ルーキーとしてIASを走り、SSを2回走りながらランキング10位に残れず今シーズンはIAを走ることになった若手が、ここで踏ん張った。1ラップ目は同じく去年はIASを走った磯谷玲(ベータ)も同じく1点。IASライダーの実力が遺憾なく発揮されている。

宮澤は2ラップ目に最終セクションを3点として減点4とするが、トータル5点。2位平田雅裕(スコルパ)8に2点差で勝利した。宮澤は2024年にランキング2位となったときも未勝利だったから、これが初勝利となる。4位は磯谷兄弟の弟、磯谷郁(ベータ)が入った。
IAS経験者以外の若手の戦いとしては、永久保圭(ベータ)が5位、黒山太陽(シェルコ)が6位。今回のリザルトを見ると、上位4人全員が前IAS、10人中7名がIAS経験者だった。今年昇格したばかりのルーキーでは、寺澤迪志(ベータ)が11位と健闘した。

レディース
今回は4名が参戦した。レディーストライアルは今、負傷療養中のライダーが多い。
昨年チャンピオンの中川瑠菜(ベータ)は、第1セクションでテープを切って万事休す。トップを取り返したのは第8セクションで、今回は大苦戦だった。
中川を苦しめたのは寺澤心結(ベータ)。結果は4点差で女王中川に敗することになったが、クリーン数は中川に2つ上回っていて、今シーズンの躍進が期待される結果となった。



国際B級
辻本雄河(TRRS)が2022年以来の2勝目をあげた。2位は4点差でベテランの上福浦明男(ベータ)。上福浦と同点クリーン数差で、ゼッケン1番の林大作が3位となった。
今回は全日本選手権に併催で、オープントロフィーNA125も組まれていて、森田智樹が出場、減点60は、IBのリザルトに混ぜると61位。貴重な経験を、今後の活躍に活かしてほしい。


