国際A級スーパークラス9名による全2025日本シリーズ最終戦

2025年11月2日
大阪府大阪市中央公会堂・中之島通り
動員数:7,000人

2025年全日本選手権は、今年もシティ・トライアル・ジャパン大会が最終戦となった。

IASクラスのランキング10位までの選手のみが参加資格がある特別な最終戦だ。ただし、ランキングトップ10に入っている小川友幸は負傷療養中で今回も欠場。去年も野﨑史高が負傷で欠場したが、今年も同じく9人がスタートラインに並ぶ。

昨年同様、今年も有料観客席が設けられ、無料で見られる席と、セクションを見渡しやすい有料席との棲み分けができていた。

試合の流れは去年からまた小改造がされて、最初に4セクションを全員で走り、これを予選として上位6名を選手、その6名が若干の設定変更をした4セクションを走って決勝進出の3名を決める。決勝は4つのセクションを逆からトライする。

予選のトップバッターはランキング9位の武井誠也。武井は第3セクションを3点で抜けて減点18。次の田中善弘は4セクションとも走破できずとなった。

予選第1ライダーの武井誠也
大ベテラン田中善弘

武田呼人は第1をクリーン、第3を1点で抜け、11点と好調。次を走った久岡孝二は第1と第3をクリーンして武田を1点上回って減点10。このあたりが予選通過のボーダーラインとなりそうだ。

インドアのセクションを得意とする久岡孝二

地元大阪の柴田暁は、美しい走りを見せながら連続5点スタート。第3を1点で抜けながら、飛び降りた際に前輪スポークを折損し、この大会独自のメカニカルタイムを使って修復。しかし第4を再び5点として、減点16。予選通過はならなかった。

柴田暁は予選でミスが続き、準決勝進出ならず

第7戦で自身2勝目をあげた小川毅士が第1をクリーン、第3を1点で抜けて減点11。野﨑史高が第1と第3をクリーンして減点10。氏川政哉は第1を失敗しながら第2で1点、第3をクリーンして、減点11。最後を走った黒山健一は第1と第3をクリーンして減点10。減点10が3人、減点11が3人というスコアで準決勝進出の6人が決まった。

同点の場合、クリーン数が多いものが上位は通常ルールと変わらないが、スコアが同一だった場合はタイムではなく5点となった到達位置、通過ポイントで勝負がつく。予選トップは黒山で、2位久岡とは通過ポイントも同じでセクションタイムの差となり、3位の野﨑は、この5点の場合の通過ポイントの差で順位が決まっている。同様に11点の3人は3人とも、通過ポイントの差で順位が決まっている。

予選での減点は、準決勝に入ったところでクリアされるので、予選結果は準決勝のトライ順を決めるためのもの、ということになる。

準決勝では、第3セクションのラインが変更になった。最初にトライした武田は、予選でクリーンしていた第1で5点。続けて第2も5点で、第3を1点で出たのみとなって減点16。続く小川は、第1を武田同様に5点として万事休したと思われたが、第2を2点、第3、第4を連続クリーンして減点7をマークした。第4の難ポイントは、小川が初めてクリーンしたセクションとなった。

準決勝へ、武田呼人
電動マシンを走らせる野﨑史高

小川に続く氏川は、武田、小川同様に第1を失敗。しかし第2、第3、第4と3連続クリーンをして減点5と、ここまでのベストスコアをマークした。

続くは野﨑。第1はクリーンしたものの、そのあとは5点、2点、5点となって減点12。3人を残して暫定3位だ。

予選2位と好調だった久岡は、しかし準決勝ではその本領を発揮できなかった。第3をクリーンして減点15となった。

最後にトライした黒山は、第1、第2、第3とクリーンしていく。氏川、小川がクリーンしている第4をクリーンすれば4セクションをオールクリーンだったが、ここで失敗。減点は氏川と同点の5点。両者は5点の場合の通過ポイントの差で、氏川が上位となった。

決勝に進むのは減点5の氏川と黒山、そして減点7の小川の3人と決まった。

決勝は、4つのセクションを逆から入る。ここまで、誰も走っていないラインを走ることになる。トライ順は、小川、黒山、氏川の順だ。3人が順番に、1セクションずつ進んでいく。

前戦で優勝した小川毅士、決勝進出

最初の第5(第1の逆走)は、第1より、若干行きやすかったか。小川、氏川とクリーン。黒山が1点ついた。最終スコアは準決勝と決勝の減点をトータルするので、氏川5点、黒山6点、小川7点と僅差で次の第6(第2の逆走)へ。

第6は難関だった。小川は途中でミスをして時間がなくなってしまったが、結局途中のポイントで3人とも5点。通過ポイントも仲よく1ポイントずつとなっている。

第7は丸太を攻略するお題のセクションだった。小川が丸太の処理に苦しみながら3点で抜けると、黒山は2点。最後にトライした氏川は二人が苦戦したポイントを一気に跳びきってクリーン。これで減点は氏川10点、黒山13点、小川15点。ちょっと点差が開いてきた。

そして最終第8セクション。途中の高いパレットをどう攻略するかが鍵となった。小川がまず正面突破を狙って5点。これを見た黒山は、手前のパレットから飛びつく作戦に出た。ちょっと距離があってリスクも高いが、正面突破よりも成功率が高いと考えたという。

黒山健一と優勝争いをした氏川政哉

ここを見事1点で抜けてた黒山。氏川のトライを前に、氏川10点、黒山14点、小川20点。小川の3位に決定した。氏川が5点にならなければ、氏川の勝利が決まる。氏川は、黒山と同じく、パレットからパレットまでジャンプする作戦をとった。しかしわずかに飛距離が足りなかったか、氏川はパレットから落ちてしまった。

黒山健一の優勝、そしてシリーズチャンピオン獲得

決勝についてはクリーンがなかった黒山が、クリーン2の氏川に1点差。見事、2025年シーズン最終戦を勝利した。黒山のこのシーズンの勝利は、これで4勝目となる。

左より、2位氏川政哉、優勝黒山健一、3位小川毅士、4位野﨑史高、5位久岡孝二、6位武田呼人

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