2021年10月31日(日)開催
宮城県スポーツランドSUGO
観客数:1,100人
天気:くもり
第2戦関東大会から、5ヶ月の空白期間の後、東北大会が宮城県スポーツランドSUGOで開催された。この東北大会は第7戦とはなっているものの今シーズン3戦目。実質全5戦となった2021年シーズンの、ちょうど中盤の戦いとなる。全日本選手権4クラスと、オープントロフィー125の1名を含めて114名が秋空の東北大会で熱い戦いを演じた。
国際A級と国際A級スーパーの2クラスは第1セクションから10セクション、その他のクラスは第2セクションから8セクション、それぞれ2ラップで争われる。
国際A級スーパークラス
難関は第2、第4、第6、第8、そして第10。これ以外はきっちりクリーンして、この難関をいかに抜け出るかという勝負になった。
しかし今回は、それ以外にも鬼門があった。トップグループは1ラップ目の中盤にして、持ち時間をほとんど使い切ってしまった。ペース配分の失敗だ。トップグループのほとんどは終盤のいくつかのセクションをトライせず、申告して5点をもらって持ち時間を節約することになった。それでも多くのライダーがタイムオーバー減点を喫し、小川友幸(ホンダ)は4点、氏川政哉(ホンダ)は6点ものタイム減点をとってしまった。
2ラップ目、5点なしで終盤まで走り抜いたのは小川だけだった。しかし小川は、1ラップ目に走らなかった第10を攻略できずに5点。それでも、2位にちょうど10点の点差をつけて、2ラップを終えた時点で、ほぼ勝利を手中にした。
SS第1は、トップグループにとってはクリーンセクションだった。ここでは逆転劇はなく、もちろん小川もクリーンで、これで優勝は小川のもととなる。次は、黒山健一(ヤマハ)と柴田暁(ヴェルティゴ)による2位争い、そして今回初めてトップ争いに食い込んできた久岡孝二(ヤマハ)までが、表彰台争いの主役となった。
SS第2は、去年同様、慎重に岩の上を運んだのち、大岩を上がってクィックに向きを変えてアウトというタイトな設定だ。吉良祐哉(シェルコ)はここを3点で抜け、10位から8位までポジションアップ、その後5点が続いたところに、野崎史高(ヤマハ)が美しいクリーン。このクリーンで、野崎はなんとか5位に滑り込んだ。
初表彰台争いの久岡も5点となって、今回は4位に。ここをクリーンして黒山にプレッシャーを与えたい柴田も5点で、ここで勝負は決着した。
柴田が表彰台獲得で、ランキング4位の氏川に1ポイント差まで迫った。今回4位と一気にトップ争いを演じた久岡は、小川毅士(ベータ)に2ポイント差のランキング7位。そしてランキングトップの小川友幸は、2位黒山に23ポイント差、3位野崎に31ポイント差をつけている。最終戦中部大会の土曜日に、小川がタイトルを決める可能性が出てきた。
国際A級クラス
久々に出場の元IASの加賀国光(TRRS)が、トップスタートのハンディを克服して勝利を飾った。加賀は、このあと中部大会にも参戦を予定していて、楽しみな終盤戦となりそうだ。
加賀に10点差をつけられながらも2位表彰台を獲得したのは、今シーズン2戦目の小野貴史(ホンダ)。3位に、九州の若手、濱邊怜(スコルパ)がはいった。濱邊はこれが初表彰台だ。
ランキングトップの村田慎示(ホンダ)は4位。ランキング争いのライバル、磯谷郁(ベータ)が5位となったことで、村田は2ポイント、リードを広げて最終戦に臨む。
レディースクラス
7名が参加。ここまでの3戦にすべて出場しているのは4名となった。清水忍(TRRS)と齋藤由美(ベータ)は開幕戦九州大会を欠場したが、その清水が、3位表彰台にあがる快挙。4位とは5点差だったが、2位小玉絵里加(ホンダ)とも5点差だった。
その小玉の減点は25点だったが、優勝した西村亜弥(ベータ)の減点はなんと2点。1ラップ目に2回の1点減点があったほかは、14セクションでクリーン。2ラップ目にはオールクリーンを達成した。
国際B級クラス
3戦目にして、3戦ともにポイントを獲得している安定圏のライダーが4人しかいない国際B級。そんな中、ただ一人3戦ともに表彰台に乗り、今回初優勝を飾ったのが、山形の浦山瑞希(TRRS)だった。浦山は、第1戦、第2戦ともに2位だったが、3戦目にして勝利。しかも16セクションすべてをクリーンするという見事なオールクリーンで勝利を飾った。3戦を終えて、ランキング2位には35ポイントの大差をつけている。初タイトルにも大手がかかってきた。
2位となったのは、守屋篤(シェルコ)。まだ若いライダーだが、参戦経験は長い。この表彰台獲得が、自身の成長にもはずみとなるかもしれない。守屋の減点は、13点だった。
守屋に2点差で3位表彰台を獲得したのは守屋同様に関東の大治雅也(ベータ)。5位までが、2ラップともに一桁減点という、今回はセクションがやさしめの神経戦だったようだ。
オープントロフィー125クラス
オープントロフィー125には辻本雄河が参加。減点37は、同じセクションを走った国際B級の減点に照らし合わせると、19位相等となる。ポイント獲得圏まで、後一歩だった。