2022年10月9日
和歌山県湯浅町湯浅トライアルパーク
観客数:800人

全8戦で開催される2022年全日本選手権も終盤戦。IASはこれが第7戦、他のクラスは6戦目の戦いとなる。

湯浅町の山あいにある湯浅トライアルパークでの全日本大会は、昨2021年にはコロナ禍で中止となっているので、今回は2年ぶりの開催となる。

今回も、天気予報は雨まじり。午後から雨という予報は正確で、正しく昼過ぎから雨が降り始め、国際A級や国際A級スーパーの後半は雨の中の戦いとなった。

国際A級スーパー

国際A級スーパーに昇格して5年目、ホンダのファクトリーマシンに乗って2年目の19歳、氏川政哉が全日本初優勝。去年から、いつ勝ってもおかしくない戦いっぷりを続けてきたが、ようやくの勝利となった。

氏川政哉、今回は文句なしの勝利

氏川は、1ラップ目2ラップ目ともにトップ、SSでも両セクションを1点で切り抜け、文句なしの勝利だったが、個々のセクションでは思い通りに走れない5点もあって、苦しみながら勝利を目指すことになった。

ランキング争いのトップを独走する小川友幸(ホンダ)は氏川を追うスコアで逆転優勝を狙っていた。SSを前にして氏川と5点差。こういうケースで、ここまで逆転勝利を飾ったことのある小川だったが、今回は失敗した。SS第1で1点、SS第2で5点となった。特にSS第2の5点は、黒山健一(ヤマハ)にも逆転され、小川の最終順位は3位となった。

第7戦、3位の小川友幸
3位になった小川友幸

それでも小川は、ランキング争いで黒山に15ポイントの大差をつけている。最終戦で5位に入れば、黒山の順位如何にかかわらず、小川のタイトルが決定する計算だ。

第7戦、2位の黒山健一
黒山健一は今大会2位、ランキングも2位にいる

今回の4位は、世界選手権にフル参戦して帰国した小川毅士(ベータ)、5位には第6戦で勝利してはずみをつけたかった野﨑史高(ヤマハ)、6位に柴田暁(TRRS)が入った。柴田はSSまでは7位だったが、SS第2をクリーンしたことで廣畑伸哉(ガスガス)を逆転した。廣畑は5位に5点差の6位でSSに臨んだが、ふたつのSSを失敗したことで7位に甘んじることになった。

今回は18名が出場、村田慎示(ホンダ)が、今シーズン初めてのSS進出を果たしている。

優勝した氏川政哉(中央)2位黒山健一(左)3位小川友幸(右)
国際A級

田中善弘(ホンダ)と永久保恭平(ベータ)によるチャンピオン争いは両者一歩も引かず。しかしこの近畿大会で田中が初めて連勝、ポイント差を15点に広げて、タイトル争いの覇権を握った。田中は1ラップ目も2ラップ目もトップを守って勝利。永久保は1ラップ目は田中を追う2位につけたが、2ラップ目に追い上げならずで4位に甘んじた。

連勝する田中善弘

2位は今シーズン3度目の出場になる本多元治(ホンダ)。今回は勝利ならずだったが、今回の2位でホンダはランキング3位に躍り出ている。

3位は、中学生ライダーの黒山陣が入った。国際A級2年目の黒山は、これが初めての表彰台獲得。ランキングは6位。IAS昇格の条件のランキング5位まで、あと3ポイントに迫った。

国際A級表彰式。優勝田中善弘(中央)2位本多元治(左)3位黒山陣(右)
レディース

北海道大会以降、このクラスは毎回新しい勝利者が誕生している。今回のニュー・ウイナーは、高校生の中川瑠菜(ベータ)だった。今回は、1位から4位までが1点差という大接戦となった。

高校生ライダー、中川瑠菜が全日本レディースクラス初優勝。

ランキングトップの小玉絵里加(ホンダ)はペースを乱して優勝争いに加われず6位。小玉とチャンピオン争いをしている山中玲美(ホンダ)は、1ラップ目はぶっちぎりの好スコアをマークしたが2ラップ目に失敗が相次いだ。それでも3位入賞したことで、両者のポイント差はわずか1点。最終戦SUGOが文字通りの最終決戦となる。

レディース表彰式。優勝中川瑠菜(中央)2位ソアレス米澤ジェシカ(左)3位山中玲美(右)
国際B級

宮崎航(ベータ)が今シーズン5勝目を獲得。ランキングでも2位に倍近いポイントを獲得したことで、2022年チャンピオンも決まった。宮崎にとっては、全日本の初タイトルとなった。

今季5勝目。最終戦を前に2022タイトルを確定した宮崎航。

しかし地元和歌山の大ベテラン和田弘行(ガスガス)が1ラップ目にトップをとり、宮崎を脅かす存在となった。和田は2ラップ目に3つの5点で減点を増やし、宮崎の連勝を阻むことができなかった。

3位以下には若手の藤堂慎也(モンテッサ)、小椋陽(モンテッサ)、清水寧郁(スコルパ)、吉本由輝(スコルパ)が並んだ。ランキング争いは2位から5位までが6ポイント差と接戦だ。

国際B級表彰式。優勝宮崎航(中央)2位和田弘行(左)3位藤堂慎也(右)
オープントロフィーOV50

全日本選手権に併催で組まれている50歳以上のIA・元IAによるOV50は、国際B級と同じセクションを走る。

優勝は兵庫の喜岡修(モンテッサ)。1ラップ目は同点だったが、2ラップ目に喜岡が逃げ切って勝利。広島の三浦直喜(TRRS)が2位となった。

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