2023年6月25日
和歌山県有田郡湯浅町湯浅トライアルパーク
観客数:1,200人

6月2回目の全日本選手権。世界選手権もてぎを含めると、6月には3大会のトライアルビッグイベントが開催されたことになる。今回は、醤油の町、和歌山県湯浅町での開催となる。

国際A級スーパーと国際A級、国際B級(とオープントロフィー)が10セクション(それぞれ1セクションずつ専用セクションあり)2ラップ、レディースが8セクション2ラップ。加えて国際A級スーパー上位10名にはSSでの決戦が待っている。

天気はよく、ただし林の中など湿気もあって、ライダーにも観戦者にも、ちょっと厳しいコンディションになったかもしれない。

国際A級スーパー

第3戦で勝利こそ逃したもののランキングの単独トップに立った若い氏川政哉(ホンダ)。ここでもポイントリードを広げる活躍をしたいところ。

氏川政哉が今季2勝目

しかし1ラップ目、トップ争いは大接戦だった。粘るトライを見せて5点を二つに抑えたのは、電動マシンのパフォーマンスがどんどん進化する黒山健一(ヤマハ)だったが、クリーンが多いのは小川友幸(ホンダ)。氏川はその両者にはさまれて2位で1ラップを折り返した。この3人は1点差ずつ、さらにトップから3点差で野﨑史高(ヤマハ)、柴田暁(TRRS)が並んでいる。上位5人、誰が勝ってもおかしくない戦況だ。

電動で2位獲得の快挙。黒山健一

2ラップ目、クリーン5をマークして調子を上げてきた黒山、対して2ラップ目序盤4連続クリーンから調子を崩し、最後は3連続5点、4つの5点で1ラップ目より7点減点を増やしてしまった小川友幸。柴田、野﨑も減点を増やし、追い上げがままならない。そんな中、5点二つのみ、1ラップ目より減点を4点減らしてきたのが氏川だった。

小川友幸は3位に

クリーン数こそ少ないものの、減点を確実に抑えた氏川は、2ラップを36点でゴール。2位につけたのは黒山で41点。さらに3位小川友幸は45点、柴田46点、野﨑51点と、SS次第では順位が大きく動き可能性もあった。

SSは二つとも難セクションだった。それでもSS第1は、野﨑、小川友幸、黒山がクリーン。氏川は減点2。電動マシンに乗る黒山が初優勝まであと3点と迫った。そしてSS第2。今回いいところがない小川毅士がもう一歩でアウトするところまでいったものの、それ以降にトライしたライダーはことごとく5点。こうなるとそれぞれの逆転劇はならず、小川友幸、黒山の5点で、氏川の勝利も決まった。

しかし氏川の和歌山・湯浅大会はこれで終わってはいなかった。さらに集中しなおし、誰も抜けられなかったSS第2にトライ。惜しくもクリーンはならなかったが、わずか1点でここを抜けて、自身の2勝目に華を添えて第4戦は決着した。

今回の結果、氏川のポイントリードは16ポイントに広がり、2位小川友幸と3位野﨑の間も11ポイント差に広がった。

野﨑が今シーズン初勝利。4戦目にして、3人目の勝利者が出て、氏川のランキングリードは変わらないまま、シリーズ争いがより興味深いものになったもてぎ大会となった。

IAS表彰式。左から2位黒山健一、優勝氏川政哉、3位小川友幸、4位柴田暁、5位野﨑史高、6位小川毅士
国際A級

第3戦に続いて本多元治(ホンダ)が参戦。初タイトルに向けてポイントを積み上げる黒山陣(スコルパ)の前に立ちはだかった。1ラップ目、本多の5点に対し黒山は3点。トップは黒山だが、わずか2点差で攻防が続く。

2ラップ目、両者は1点の足つきも許さぬ勢いでセクションを回り、結局両者は減点1点ずつ。結果、点差は1ラップ目のまま、2点差で黒山が勝利した。黒山は今シーズン2勝目だが、なにより前回敗北した本多に勝利したことが喜びだという。

黒山陣がベテランをおさえて勝利

3位に村田慎示(ホンダ)、4位に、フランスの電動マシンEMに乗る成田匠が入っている。

成田匠が電動マシン(EM)を走らせて4位
国際A級表彰式。左から2位本多元治、優勝黒山陣、3位村田慎示、4位成田匠、5位砂田真彦、6位宮澤陽斗
レディース

7人がエントリーだったが、米澤ジェシカが負傷で戦線離脱、6名での戦いとなった。

1ラップ目は、このクラスも大接戦。トップ中川瑠菜(ベータ)が6点、2連勝した山森あゆ菜(モンテッサ)が9点、小玉絵里加(ガスガス)が11点、楠玲美(ホンダ)が12点という争いだ。

中川瑠菜がダブルスコアで勝利

2ラップ目、中川はさらに調子を上げて8セクションを4点でまとめた。トータル減点は10点。これで1年前のこの会場での近畿大会に続く自身2勝目となった。2位にダブルスコアの圧勝だった。

2位は小玉。体力的に厳しい2ラップ目に減点を減らせたのが2位獲得のポイントとなった。3連勝ならずの山森は3位。小玉とはわずか1点差だった。

チャンピオン楠は4位となっている。

レディース表彰式。左から2位小玉絵里加、優勝中川瑠菜、3位山森あゆ菜、4位楠玲美、5位寺田智恵子、6位河村真弓
国際B級

3戦目にして土がついた村田隼(ヴェルティゴ)が第3戦の勝者、小原諄也(TRRS)にリベンジを果たして3勝目。小原は1ラップ目第3セクションでの5点が痛かったが、トータルでは村田にたったの1点差だった。

ランキングでは村田が小原に30ポイント差のトップ、小原もランキング3位の古市光に30ポイント近い差で2位につける。ランキング4位以下は8位までが3ポイント差という大接戦となっている。

国際B級は村田隼が3勝目
IB表彰式。左から2位小原諄也、優勝村田隼人、3位大櫃千明、4位小倉功太郎、5位滝浪猛、6位和田弘行

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