D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2024も残すは最終戦のみ。今シーズンの集大成となるMFJ-GPでは、IA1以外の全クラスでシリーズランキングが決定する。ここでは第7戦終了時点でのシリーズランキングを振り返りつつ、最終戦をさらに楽しむための見どころをお伝えする。
シリーズランキングは積み重ねてきた結果がポイントで数値化され、各ライダーの実力が可視化される。さらに今シーズンのランキングが来年のゼッケン番号に反映されることもあり、最終戦は1つでも上の順位でシーズンを終えたいというライダーたちの思いやドラマが詰まっていると言えるだろう。今季も各クラス、最終戦に向けて接戦が繰り広げられてきた。
IA1
チャンピオンはすでに決定。最終戦でどこまでポイントを獲得できるか
IA1クラスは#1ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM/ヤマハ YZ450FM)が第7戦でチャンピオンを決定した。これまでのレースを振り返ると、ウィルソンは17ヒート中11勝を飾っており、優勝数は他のライダーと比べて圧倒的であった。最終戦でさらに優勝数を重ねることができるのか。今回はFIMモトクロス世界選手権MX2クラスに出場している#73フェルッチョ・ザンキ(Team HRC/ホンダ CRF450RWE)がスポット参戦することもあり、優勝争いは目が離せない。
一方、2位には280ポイントで#41横⼭遥希(HONDA DREAM RACING LG/ホンダ CRF450R)、3位には231ポイントで#33ビクトル・アロンソ(AutoBrothers GASGAS JAPAN/GASGAS MC450F)、4位には224ポイントで#2⼤倉由揮(Honda Dream Racing Bells/ホンダ CRF450R)、5位には170ポイントで#7能塚智寛(Team Kawasaki R&D/カワサキ KX450-SR)がつけている。特にビクトルと大倉の差は7ポイントと僅差で、ランキング争いは接戦だ。
IA2
僅差のチャンピオン争い、3位以降も接戦
IA2クラスは第7戦で#3中島漱也(bLU cRU レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ250F)が#2横澤拓夢(TKM motor sports いわて/ホンダ CRF250R)を逆転してランキングトップに浮上した。横澤との差は13ポイントと、最終戦の結果次第ではどちらがチャンピオンになってもおかしくない状況。決勝でどちらが勝利を掴むのか、チャンピオン争いに緊張感が走る。
また、ポイントランキング3位以降は、#6柳瀬⼤河(TKM motor sport いわて/ホンダ CRF250R)が179ポイント、#10⽥中淳也(bLU cRU YSP浜松BOSS RACING/ヤマハ YZ250F)が173ポイント、#9⻄條悠⼈(Kawasaki PURE TECH Racing/カワサキ KX250)が162ポイントで続いている。僅差で迎える最終戦のランキング争いは要注目だ。
LMX
同点接戦のチャンピオン争い
レディースクラスはシーズンを通して#1川井麻央(T.E.SPORT/ホンダ CRF150RⅡ)と#2本田七海(TEAM KOH-Z LUTZ with 中西建設(株)/ヤマハ YZ85LW)の存在感が大きく、第7戦終了時点での2人のランキングはなんと同点で1位と超接戦を繰り広げている。また、その2人を追いかけるのが#4川上真花(bLU cRU YSP大阪箕面/ヤマハ YZ85LW)で、トップ2人とは6ポイント差となっている。3人にチャンピオン獲得の可能性がある中で迎える最終戦、決勝は一瞬も油断できない展開となるだろう。
また、ランキング4位以下を見ると、#5瀬尾柚姫(TEAM HAMMER/ホンダ CRF150RⅡ)と#10楠本菜月(ホンダ CRF150R)が73ポイントと、ここも同点で並んでいる。さらに、6位には55ポイントで#3箕浦未夢(TEAM ITOMO/ホンダ CRF150RⅡ)、7位には45ポイントで#11穗苅愛香(TOMOレーシング&美蔵/ヤマハ YZ85LW)、8位には43ポイントで#12山﨑琴乃(T.E.SPORT/ホンダ CRF150RⅡ)、9位には41ポイントで#7赤松樹愛(FACTORY BEAR RACING TEAM/ヤマハ YZ85LW)が僅差で並んでおり、彼女たちが繰り広げるバトルも最後まで見逃せない。
IB OPEN
IA昇格をかけたバトルが拮抗する
IB OPENクラスは全日本モトクロス選手権公認クラスの中で唯一「昇格」があるクラスだ。昇格の条件はシリーズランキング10位以内に入ること。ライダーたちはその枠をかけてシーズンを通して競い合ってきた。
実力が拮抗するIB OPENクラス、今シーズンを振り返ると#5松岡力翔(SP忠男広島/ヤマハ YZ250F)がクラス内で一番多く優勝を獲得し、現在209ポイントでランキングトップ。チャンピオンに王手をかけている。一方、ランキング2位につけるのは#1飯塚翼(三恵技研工業 アシタプランニングMS/ホンダ CRF250R)。第7戦で初優勝・総合優勝を飾り、松岡との差を詰め現在165ポイント。最終戦を前に、2人のポイント差は44ポイントとなっている。松岡がリードしている状況だが、松岡がポイントを落とすことがあった場合、飯塚が1位または2位を連続して獲得すると逆転のチャンスがある。何が起こるかわからないのがレース。チャンピオン争いは最後まで見逃せない。
3位〜8位までは以下の通り。
3位(141ポイント):#53箕浦来輝(TEAM ITOMO/ホンダ CRF250R)
4位(112ポイント):#18高橋生真(TEAM HAMMER/ホンダ CRF250R)
5位(104ポイント):#13 榊流星(WAKI Racing with BAMFY/ホンダ CRF250R)
6位(98ポイント):#61守大夢(Kawasaki PURE TECH Racing/カワサキ KX250)
7位(88ポイント):#7大西力靖(TEAM HAMMER/ホンダ CRF250R)
8位(75ポイント):#15深澤翼(レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ250F)
6位までのライダーたちもそれぞれ1回は優勝を獲得しているし、大西と深澤も上位争いを繰り広げ表彰台に登ってきた。今大会での結果によってランキングが変動するため、各ライダー一つでも上を狙って攻めていく、熱いバトルが見られるだろう。なお、最終戦と同じくスポーツランドSUGOで行われた第4戦では守が完全優勝を果たしており、今大会もその強さを発揮しランキングを上げるのか、注目が集まる。
また、IAクラスへの昇格ライン付近のランキングを見てみると、なんと9位から13位までの差は6ポイントしかない状況となっている。9位は57ポイントで#2當真弦樹(YSP浜松 BOSS RACING /ヤマハ YZ250F)、10位は56ポイントで#10齋藤啓太(Team Pitin/ヤマハ YZ250F)、11位は54ポイントで#51樋口絆里(bLUcRUレーシングチーム鷹/ヤマハ YZ250F)、12位は51ポイントで#3島袋樹巳(グラスライダーズ/カワサキ KX250F)、さらに13位は同じく51ポイントで#42馬場新一郎(YSP京葉withTwisterRacing/ヤマハ YZ250F)がついており、彼らにとってはIA昇格をかけて絶対に順位を落とせない状況だ。今年は誰がIAに昇格できるのか、ぜひ最後まで彼らの戦いを見届けてほしい。
第8戦(10/19-20)
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