開幕戦から2週間後の4月26〜27日、D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2025第2戦SUGO大会が、宮城県にあるスポーツランドSUGOにて行われる。開幕戦は予選と決勝を1日で行うスケジュールだったが、第2戦は土曜日に予選と一部決勝、日曜日に決勝という通常のタイムスケジュールで開催される。IA1・IA2・レディース・IB OPENという4つの公認クラスに加えて、承認クラスのジュニアクロス(JX)・チャイルドクロス・Over40 Enjoy Motocross、さらにYamaha YZ125 BLU CRU Cupが併催される。キッズライダーからベテランまで参加する今大会、各レースでのバトルに注目が集まる。

スポーツランドSUGOは自然の起伏を活かしたアップダウンの多いコースレイアウトが特徴。最大傾斜約30度の大坂はSUGOの名物で、ライダーがアクセル全開で一斉に駆け上がる、迫力のある走りを間近で見ることができる。また、空中戦が見られる20m超のヤマケンビッグジャンプや、リズム感と正確なライン取りが求められるヨーロピアンセクションなど見どころが多く、各所でアグレッシブかつテクニカルなライディングを堪能できる。

また、パドックではイタリアのバイクメーカーDUCATIが開発した新型モトクロスマシン「DESMO450 MX」が展示されるとのこと。話題の実車を目の当たりにするチャンスは逃せない。

IA1

開幕戦で連勝を果たしたジェイ・ウィルソン、勢いに乗る内田と横山

IA1クラスは30分+1周の2ヒート制で行われる。開幕戦を振り返ると、イタリアからスポット参戦した#42ジュゼッペ・トロペペ(AutoBrothers/GASGAS MC450F)が#1ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY RACING TEAM/ヤマハ YZ450FM)とトップ争いを繰り広げた。結果はマシントラブルでリタイヤ、ヒート2もDNSとなり結果こそ残らなかったものの、その存在感が示された。

一方、開幕戦はウィルソンが2ヒートともに優勝を獲得した。全日本モトクロス選手権に参戦し始めて4年目、今年も開幕戦からその強さを見せた。第2戦が行われるスポーツランドSUGOについては「ヤマハのホームコースであり、広大でテクニカル。僕の好きなコースだよ」とコメント。なお、トロぺぺは第2戦がイタリア選手権と日程が重なっているため欠場とのこと。

一方、開幕戦で勢いのある走りを見せたのが、両ヒートともに表彰台を獲得した#10内田篤基(Yogibo PIRELLI MOUNTAINRIDERS/カワサキ KX450)と#2横⼭遥希(Honda Dream Racing LG/ホンダ CRF450R)だ。内田は2024年の最高位が5位と表彰台を逃していたが、開幕戦ではスタートで前に出るとそのまま安定した速さでヒート1は2位、ヒート2は3位とその好調ぶりを見せた。また、横山もスタートで前に出る反応の良さを見せヒート1は3位、ヒート2は2位を獲得。第2戦もトップ争いに絡んでくることに期待がかかる。

さらに、今シーズンからIA1クラスにステップアップした#37西條悠人(Kawasaki PURETECH Racing/カワサキ KX450)が開幕戦で総合6位と好成績を残した。第2戦が行われるスポーツランドSUGOは西條の地元であり乗り慣れているコースということで、その実力をさらに発揮してくるだろう。

IA2

タイトル防衛の中島が差をつけるか

IA2クラスも30分+1周の2ヒート制で決勝レースが行われる。開幕戦ではドイツ出身の#53ブライアン・シュー(AutoBrothers/GASGAS MC250F)が2連勝し総合優勝を獲得。彼の速さが一際目立った中、シューと接戦を繰り広げたのが#1中島漱也(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM TAKA/ヤマハ YZ250F)だ。特にヒート2は終盤でトップを巡る攻防戦を展開。中島は結果2位で終わったものの、3位とのタイム差は30秒以上開いており、日本人ライダーの中では頭一つ抜きん出た実力を示した。なお、シューもトロぺぺと同じく第2戦は欠場するとのことで、誰がレースを引っ張っていくのか注目だ。

また、開幕戦で総合3位を獲得した#2横澤拓夢(TKM motor sports いわて/ホンダ CRF250R)は岩手県出身で、スポーツランドSUGOは横澤にとって全日本モトクロス選手権が開催されるコースの中で一番乗り慣れている場所となる。横澤は2024年に中島とチャンピオン争いを繰り広げたライダー。スポーツランドSUGOで行われた2024年第3戦では中島を抑えて優勝を飾っており、今回も地元での活躍に目が離せない。

さらに、第2戦には#54MUHAMMAD ARSENIO ALGIFARI(アルセニオ アルジファリ)(Astra Honda Racing Team/ホンダ CRF250R)が参戦する。インドネシア出身の18歳。2024年にはインドネシアで開催されたFIM モトクロス世界選手権(MXGP)のMX2クラスに出場し、最高20位という結果を残している。彼が日本でどんな走りを見せるのか注目していきたい。

IB OPEN

今年も混戦、毎ヒート顔ぶれが変わる上位争い

IAクラスへの昇格をかけたIB OPENクラスでは、開幕戦ヒート1で#57髙木碧(BLUCRUレーシングチーム鷹/ヤマハ YZ125)が優勝を獲得し、その速さを見せつけた。髙木はジュニアクロスから特別昇格を果たしたライダーで、IB OPENクラスで唯一2スト125ccマシンに乗って出場している。ヒート2ではミスによりポジションを落としたものの3位まで追い上げたその実力には目を見張るものがある。

また、ヒート2では、#58名島玖龍(レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ250F)が着実な追い上げでトップチェッカーを受けた。名島も関東モトクロス選手権ノービスクラスから特別昇格し、髙木とはジュニアクロス以前からのライバルである。現在は同じチームに所属するということで、IB1年目の2人の活躍は目が離せない。

一方、マディコンディションとなった開幕戦の予選でずば抜けた速さを見せたのが#15酢崎友哉 (成田MXパーク アシタプランニング/カワサキ KX450)だ。決勝でもヒート1を2位、ヒート2を4位と安定して上位入賞を果たした。さらに、ヒート2では#2島袋樹巳(Yogibo PIRELLI MOUNTAINRIDERS/カワサキ KX250F)が2位を獲得するなど、実力が拮抗する中、第2戦では誰が前に出るのかトップ争いに注目が集まる。

なお、今シーズンは酢崎以外にも450ccマシンを駆るライダーが多く見られる。IB OPENクラスは2ストローク125cc、4ストローク250cc、4ストローク450ccというように、異なる排気量のマシンが混走するため、ライダーは自分が乗るマシンの特徴を活かしたライディングや戦い方でトップを狙う。レースを観戦する際、この点にも注目するとよりレースが面白くなるだろう。

LMX

女王川井の強さ、表彰台争いは接戦

レディースクラスは、#1川井⿇央(T.E.SPORT/ホンダ CRF150RⅡ)が開幕戦で優勝果たした。川井は序盤でトップを走る#6箕浦未夢(TEAM ITOMO/ホンダ CRF150RⅡ)の後方につくと、虎視眈々とチャンスをうかがい、一瞬の隙をついてトップに浮上。冷静かつ鋭い判断力によるパッシングシーンは女王としての強さを改めて示した瞬間だった。今シーズンについては「全勝してチャンピオンを獲ります」と目標を掲げており、第2戦でもレースを牽引していくだろう。

また、レース終盤には箕浦、#4楠本菜月(TEAM HAMMER/ホンダ CRF150R)、#8穗苅愛香(TOMOレーシング&美蔵withCONNECT/ヤマハ YZ85LW)による表彰台を巡るバトルが繰り広げられた。この様子から、2位以降はかなり混戦状態であり、第2戦も表彰台をかけた接戦が予想される。

第2戦(4/26〜27)
◾️D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ2025 第2戦 SUGO大会情報

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