D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2025第3戦 21Groupカップが、2025年5月17〜18日に埼玉県川越市にあるオフロードヴィレッジにて開催された。土曜日にジュニアクロス、キッズ65、チャイルドクロス、エンジョイクラス、ホンダCRF125ワンメイクミーティング、日曜日に公認クラス4つの決勝が行われた。

土曜日は雨が降り続け、路面は水分量の多いマディコンディション。同日に決勝が開催されたジュニアクロス、キッズ65、チャイルドクロス、エンジョイクラス、ホンダCRF125ワンメイクミーティングはその路面に翻弄されることとなった。一方、日曜日は曇り時々晴れ。コースはぬかるんだ状態から徐々にドライへと変化したが、路面は滑りやすく深いわだちが掘られ、走行ラインが絞られた状況にライダーたちはやはり苦戦を強いられた。

日時:2025年5月17〜18日
会場:オフロードビレッジ(埼玉県)
天候:土曜 雨/日曜 曇り時々晴れ
総動員数:8564名

IA1

接戦の3ヒート、横山が今季初優勝を獲得

IA1クラスは、今季初となる15分+1周の3ヒート制で行われた。朝のタイムアタック予選では#1ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY RACING TEAM/ヤマハ YZ450FM)が後続から2秒差をつけてポールポジションを獲得。2番手に#8大城魁之輔(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松/ヤマハ YZ450F)、3番手に#4大倉由揮(Honda Dream Racing Bells/ホンダ CRF450R)が続き、決勝レースでの展開に注目が集まった。

ヒート1、地元埼玉出身で今大会にスポット参戦した#14星野優位(レーシングチーム鷹 / STAR racing 166/ヤマハ YZ450F)がイン側から好スタートを決め、ウィルソンを抑えて前に出る。そのすぐ後ろにウィルソン、3番手には同じく好スタートを切った#9小方誠(TEAM HAMMER/ホンダ CRF450R)が追いかける展開。ウィルソンが1周目のジャンプセクションではやくも星野をパスしてトップに浮上すると、徐々にリードを広げていく。一方、3番手争いは小方と#2横山遥希(Honda Dream Racing LG/ホンダ CRF450R)によって繰り広げられる。横山は小方との距離を縮めるが、フィニッシュジャンプで転倒し、大きく順位を落としてしまう。この間に#10内田篤基(Yogibo PIRELLI MOUNTAINRIDERS/カワサキ KX450)がポジションを上げると、さらに終盤小方を捉えてじわじわと差を詰め3番手を奪った。トップのウィルソンは危なげない走りで優勝を獲得。2位には地元で粘り強い走りを見せた星野、3位には終盤に勝負強さを発揮した内田が入った。

ヒート2スタートで前に出たのは#5能塚智寛(Team Kawasaki R&D/カワサキ KX450-SR)。その後方には横山と大倉が続く。序盤で横山が能塚をパスしてトップに浮上。大倉も順位を上げて追う展開となる。対するウィルソンはスタート後のミスにより15番手あたりからの追い上げを強いられる。レース中盤、トップを走る横山に大倉が迫りプレッシャーをかける。2台のホンダマシンによる激しいトップ争いが数周にわたり繰り広げられ、周回遅れのマシンも絡む緊迫した状況となる。横山は巧みに周回遅れを処理しながら、大倉の猛追を僅差でしのぎ続ける。結果、横山が大倉の追撃を振り切りトップチェッカーを受けた。2位には大倉、3位にはポジションを守りきった能塚が入賞。能塚は今季初表彰台を獲得した。

ヒート3は、好スタートを決めた横山が前に出ると、#15渡辺祐介(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM/ヤマハ YZ450F)、能塚、#38浅井亮太(BLUCRUフライングドルフィンサイセイ/ヤマハ YZ450F)らが序盤で上位につける展開。一方、ウィルソンはスタート直後に転倒した星野をかわそうとした際にタイムロスし、1周目を6位で通過、さらに順位を上げて序盤で2番手の位置までつける。ウィルソンの勢いは止まらず、トップを走る横山との差を1周あたり2秒以上縮めるペースで追い上げる。レース中盤、ウィルソンが横山の背後にまで近づくと、終盤にかけて激しいトップ争いが展開される。横山は巧みなライン取りでウィルソンのアタックを何度もブロック。お互いに一歩も引かない攻防戦は数周に及び、まさに手に汗握る展開となった。残り時間が1分を切った時、ウィルソンが7コーナー後のジャンプセクションで横山をパス。横山は抜き返そうと試みるも転倒、その差は開いてしまう。結果ウィルソンはそのまま後続を引き離し、この日2勝目を飾った。2位横山、3位には安定した走りを見せた大倉が入った。総合順位はウィルソン、横山、大倉という結果になった。

#1ジェイ・ウィルソン
「第2戦が終わった後に友人の訃報を受けて、第3戦までの間、気持ちを保つのがかなり難しかった。全部のレースを終えた後、優勝インタビューでは堰が切れたように気持ちが溢れてしまった。レースを振り返ると、予選もヒート1も調子は良かったのだけど、ヒート2では同じコーナーで2度もミスをしてしまって、差が開いてしまった。1周目で多くのライダーをかわしていけたから表彰台、優勝もいけるかもしれないと考えていたのだけど、2周目にまた同じことをして、自分で自分を苦しめてるよ……って思ったね。ただ、走り自体はとても良かったんだ。コースはタイトで何人も抜かないといけなかったからかなり忙しいレースになったけど、他のライダーよりも速いラップタイムで走ることができた。表彰台に登ることはできなかったけど、自分にとってはポジティブな結果として捉えているよ。ヒート3は良いスタートができたのだけど、星野選手が転倒して、それを避けるために時間を使ってしまった。追い上げた後、横山選手を抜かそうとしたけど、かなりワイドにコースを使っていて、なかなか抜くことができなかった。第2戦と同じくパスできるタイミングをうかがって、7コーナー後のジャンプなら直前のライン取りもその後の着地も僕の方がスピードに乗せていけると思って仕掛けたんだ。かなりタフだったけど、全レースを終えてとてもポジティブに捉えているよ。次戦の広島も楽しみです」

#2横山遥希
「結果的には11位・1位・2位でなんとも言えないまとまり方となりました。ヒート1は、4位を走っていた時にフィニッシュジャンプで転倒してしまって、そこで順位を落として6位まで追い上げたら、バックマーカーが目の前で転倒したところを避けきれなくて、それでまた自分も転けてしまいました。レースなので今回のようなことは起き得るのですが、身体的にも精神的にもダメージの大きいレースでした。ただ3ヒートあるということで気持ちを切り替えることができて、ヒート2に挑めました。ジェイさんもミスが多くてラッキーな結果だと思いますが、それでも勝てたことは嬉しいです。ヒート3ではジェイさんが迫ってきて、彼の方がペースも速いということはわかっていましたが、パッシングポイントが少ない分ブロックできるかなと思っていたのですが、ブロックしきれず抜かれてしまいました。そこからまた攻めたのですが、上手くいかず転倒してしまって、とても悔しいです。練習のようにレースで走れていないなと、反省しています。殻を破るまではもう少しですね」

#4大倉由揮
「ヒート1は転倒が多いレースでした。ただそこで気持ちを切り替えてヒート2に挑んで、もう少しというところではあったのですが、届きませんでした。ヒート3は前半出遅れちゃって、3番手まで追い上げた時には前と10秒ほど離れてしまっていました。後ろのライダーとは差があったのですが、その後にエンストしてしまって、能塚選手にインをつかれてしまいました。今回能塚選手と競り合う場面が多かったのですが、抜かれても抜き返すことができて、そこは今までの自分だったら負けていたかもしれないので、自分の成長を感じました。前を走る2人に届くには自分がもう1ステップ上がらないといけないと思うので、燃えますね」

#5能塚智寛
「最近表彰台に上がる機会が少なくなっていたので、今回から上がり続けられるように頑張ります」

#14星野優位
「1ヶ月前に肩を怪我して、本当であれば出る予定ではありませんでした。レース前の火曜日に乗って、水曜日に出ようと決めて、練習やトレーニングもあまりできていない中での参戦だったので不安もあったのですが、ヒート1のスタートがめちゃくちゃ上手く決まってホールショット獲れて、トップを走ることができたのでこれはいくしかないと、気合いで走り切りました。特に残り5分の時は走るのもやっとな状態だったのですが、地元のたくさんの応援のおかげで乗り切ることができました」

#10内田篤基
「このコンディションで15分ヒートのレース、スタートが重要ということはわかっていたのですが、3ヒートともスタートが出れなくて、半分より下の順位からの追い上げでした。ただ1周目で上手く挽回できて、内容的には良い追い上げができたと思います。内容が良かった分、スタートさえ決まっていたらもっと上にいけたなと思いますし、ヒート2は日本人ライダーの中でトップタイムを出せていて、ジェイさんも前に出ていなかったので、チャンスだったなと悔しさが残ります。ベストラインが決まっていたので追い上げも難しかったのですが、そこは冷静に見て前のライダーを抜いていくことができました。これは今までにはないことで、これまで自分はスタートが決まれば良いレースができるという感じだったのですが、今回初めてスタートで出れなくても3位まで順位を上げることができて、今回の結果は自分としてはポジティブに捉えています」

IA2

田中がIA初優勝、地元・中島も2勝を挙げる活躍

IA2クラスも15分+1周の3ヒート制で行われた。ヒート1、タイムアタック予選A組をトップ通過した#1中島漱也(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM TAKA/ヤマハ YZ250F)が好スタートを決めてレースをリードする。2番手には埼玉県出身の地元ライダー#6鴨田翔(Kawasaki PLAZA 東大阪/カワサキ KX250)が続き、序盤はオフロードヴィレッジをホームコースとする2人がトップ2を占める。一方、#17小笠原大貴 (Holley Racing with YSP横浜南/ヤマハ YZ250F)が3番手を走る#9佐々木麗(KaWaSaKi  PURETECH Racing/カワサキ KX250)をかわして表彰台圏内へ浮上。抜かれた佐々木は転倒により順位を落としてしまう。4番手以降が混戦状態の中、#4田中淳也(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松/ヤマハ YZ250F)が後方から追い上げ小笠原に迫ると、隙をついてパスし、3番手のポジションを獲得。その後も田中はペースアップして追い上げるが、トップ3の順位は変わらず、1位中島、2位鴨田、3位田中という結果でレースを終えた。

ヒート2、田中がスタートを決めて前に出ると、#2横澤拓夢(TKM motor sports いわて/ホンダ CRF250R)、#47道脇右京(バイカーズステーション金沢レーシングwithMOTUL/ヤマハ YZ250F)、そして怪我からの復帰戦となる#5柳瀬大河(TKM motor sports いわて/ホンダ CRF250R)らが続く。田中は序盤からハイペースで飛ばして2番手以降を引き離し、レース中盤に独走態勢を築く。一方、ヒート1を制した中島はスタートで出遅れ、集団中盤あたりから追い上げる展開となった。中島は道脇や鴨田らをかわし、4番手までポジションを上げると、レース終盤には柳瀬をもかわし2番手に浮上。さらに、最終周で柳瀬が転倒し、横澤がポジションを上げる。結果、田中がIAクラス参戦4年目にして悲願の初優勝を獲得。2位に中島、3位に横澤が入賞した。

ヒート3は序盤から目まぐるしくトップが入れ替わる大混戦となった。1コーナーの立ち上がりで横澤がトップに立つと、鴨田も追いかけオープニングラップから激しいバトルを展開する。レース序盤から中盤にかけては、横澤、田中、#12福村鎌(TeamSBE/スズキ RM-Z-250)、そして後方から驚異的な追い上げを見せる中島の4台がトップ集団を形成。各コーナーで順位が入れ替わるほどの激しい攻防が繰り広げられた。残り5分を切ったところで、田中が横澤を捉えトップに浮上。その直後、中島も横澤をパスし、再び田中と中島によるトップ争いが繰り広げられる。お互いの手の内を知り尽くした2人は、数周にわたり横並びのバトルを展開。そして中島が田中のインを突きトップに躍り出ると、田中も諦めずにアタックを試みる。その際、田中は転倒してしまい、中島も一瞬コースアウトする場面があったがすぐに復帰。最後までトップを守りきった。2位に田中、3位には粘り強い走りを見せた横澤という順位でゴールを果たした。総合順位は1位中島、2位田中、3位鴨田となった。

#1中島漱也
「今シーズンずっとスタートの調子が良かったのですが、今回スタートが一度も決まらなくて、追い上げの展開が多めのレースでした。ヒート1は走りが硬くて、手堅く走ってしまったなという感覚です。ヒート2は追い上げのレースで久々に追う立場になって、自分のスイッチも入って気持ちよく走れました。2位で終わって勝つことはできなかったのですが、逆に勝ち続けなければいけないという気持ちがなくなって、ヒート3はリラックスできました。パッシングポイントもレースごとに見つけることができて、そこまでは後ろについて、ポイントで抜くというかたちで良いリズムが作れていたと思います。今回のレースは面白かったね、と言ってもらえるのですが、次戦はバトルにならないくらい速くなりたいです。バトルのない、つまらないレースができるくらいぶっちぎりたいですね」

#4田中淳也
「優勝できてとても嬉しいです。最初の4周くらいは優勝についてもトップにいることも意識せずに走れました。海外のライダーが前にいることをイメージしてプッシュして、それが良かったと思います。ただ、その後に転倒しかけて、そこから一気に身体が硬くなって、優勝も頭に浮かんでしまって、ミスが続いてタイムも落ちてしまいました。ただ2番手のライダーと差が縮まらなかったので、最後まで淡々と走れたかなと思います。中島選手に勝つにはスタートで前に出ておかないと、と思っていたので、ヒート2はそれができてたので良かったです。次は両ヒート優勝を狙って頑張ります」

#6鴨田翔
「地元ということで、1ヒート目は特に勝てるチャンスがあったし、同じ地元の中島くんに負けるというのは悔しいですし、満足していないです。ヤマハの2人や横澤選手など前にくると思うので次は勝てるように頑張ります」

#2横澤拓夢
「自分の100%が出せていない感覚があります。中島選手や田中選手に対してではなく、自分がもっと上手く走れるようになればまた展開も変わってくるのかなと思うので、今一度自分に集中していきたいです。次戦に向けては、シーズンオフに会場となるコースではないのですが、広島に行って走り込みました。広島には知り合いやスポンサーさんなどが多くいるので、勝ちたいです」

LMX(レディースクラス)

川井が他を寄せ付けない盤石の走りで3連勝を達成

15分+1周の1ヒートで行われたレディースクラス決勝。予選をトップ通過した#1川井麻央(T.E.SPORT/ホンダ CRF150RⅡ)がスタートで良い反応を見せホールショットを獲得。後方には#6箕浦未夢(TEAM ITOMO/ホンダ CRF150RⅡ)と#8穗苅愛香(TOMOレーシング&美蔵withCONNECT/ヤマハ YZ85LW)が続き、トップを追いかける。川井はラップタイムを刻み、徐々にリードを広げていく。一方、穂苅は2番手を走る箕浦に迫ると、11コーナーでインをついて抜きにかかる。しかしその際、コーナー出口で接触し両者ともに転倒。これにより2位に#13木村綾希(TeamPowerBand/カワサキ KX85)、3位には#12大久保梨子(KTM TOKAI RACING with ゆめチャンネル&331/KTM 85SX)が浮上する。その後は大久保がスピードに乗って木村に迫り、後方からプレッシャーをかけるが、木村も負けじとポジションを守る。攻防戦が繰り広げられる中、レース終盤で木村が転倒。すぐにリカバリーできず順位を落としてしまう。結果、他のライダーを寄せ付けない圧倒的なスピードとテクニックを見せつけた川井麻央が、一度もトップを譲ることなくチェッカーフラッグを受け、開幕から3連勝を飾った。2位には粘り強い走りを見せた大久保、3位には終盤にポジションを上げた#10松木紗子(Yogibo PIRELLI MOUNTAINRIDERS/カワサキ KX85)が入賞し、大久保と松木は自身初表彰台を獲得した。

#1川井麻央
「大会の1週間前くらいにドライコンディションもマディも練習して、どんなコンディションでも良いようにしてきました。応援にきてくれる人も多くて、負けるわけにはいかないというプレッシャーもありましたが、スタートから綺麗に前に出られて自分でも驚きました。久しぶりにホールショットを獲得できて、その後もすぐ後ろと差が開いたので、いろんなラインを走ったり、バックマーカーを抜くタイミングをうかがったり、冷静に走ることができました。次戦の広島は、事前に練習に行ったのですが、めっちゃ調子が良かったので今から自信あります」

#12大久保梨子
「上位の選手の転倒があっての2位ということで、実力でここに立てたわけではないのですが、初めて表彰台に登ることができて嬉しいです。次からも恥ずかしくない走りができるように頑張ります」

#10松木紗子
「ずっと4番手を走っていたのですが、前は見えていたので気持ち的には余裕がありました。ここで差を詰めることができるなと考えたり、冷静に走れたのでよかったです。ただ後ろからのプッシュもあったので油断はできませんでした。ラスト2周あたりで前のライダーが転倒しての3位なので、棚ぼた感はありますが、素直に嬉しいです。これまで腕上がりすることが課題で、今年からフォームやグリップの握り方など乗り方を変えて対策してきました。その成果もあって最後までなんとか耐えられたと思います。練習してきたことを発揮できてよかったです。次戦の広島のコースでは、一昨年スタートが上手く決まって良いイメージもありますし、不安はないので、もっと上を目指して頑張ります」

IB OPEN

笹谷が前を譲らない強さを示し、自身初優勝を獲得

IB OPENクラスは20分+1周で行われた。ヒート1、スタートで前に出たのは第2戦で優勝を飾った#10鎌倉大樹(レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ450F)。続いて#27有地竜士(caris/ヤマハ YZ250F)、#14笹谷野亜(TKM motor sports いわて/ホンダ CRF250R)、#57髙木碧(BLUCRUレーシングチーム鷹/ヤマハ YZ125)が追いかける展開。4台のトップ争いが混戦となる中、髙木が抜け出しトップの鎌倉に迫る。450ccの鎌倉と125ccの髙木、排気量の異なるバイクに乗る2人の接戦が繰り広げられる。序盤で髙木が鎌倉の隙をついて前に出ると、さらにスピードを上げて後続を引き離す。その後鎌倉は後退し、髙木、笹谷、#58名島玖龍(レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ250F)、#2島袋樹巳(Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS/カワサキ KX250F)らが上位グループを形成。3番手を走る名島だったが、転倒により島袋が3位に浮上。その後も島袋は追い上げを続けるも、トップ3それぞれの間隔が開いてゴール。髙木が今季3勝目をあげた。

ヒート2も鎌倉が好スタートを決め前に出るが、すぐに笹谷がトップに浮上。笹谷、髙木、鎌倉という順で1周目を通過する。髙木は笹谷との距離を縮めトップの座を狙うが、転倒により逆にその差は開いてしまう。髙木はすぐにリカバリーして追い上げ、諦めない走りで再び笹谷に追いつくと、コーナーやジャンプで横並びになるバトルを展開。しかし、攻め続けた髙木はジャンプの着地でミスをし再び転倒。コースアウトしたことにより復帰に時間がかかり、順位を大きく落としてしまった。結局、笹谷は前を一度も譲ることなくゴール。2位には5番手から追い上げた名島、3位には鎌倉が入賞。総合順位は1位笹谷、2位鎌倉、3位島袋となり、笹谷は今大会で自身初となるヒート優勝と総合優勝を飾った。

#14笹谷野亜
「IB2年目にしてやっと優勝できてすごく嬉しいです。練習走行からいろんなラインを試して、パッシングポイントを確認していたこともあって、ヒート1もヒート2も良い結果で終えることができました。僕はジャンプが得意で、今回のオフビも前回のSUGOもリズム良く走れました。次戦の広島のコースは走ったことがなくて、ぶっつけ本番になりそうなのですが、ジャンプが多いコースと聞いているので、次も自分のリズムを掴んで良い順位で終えられるように頑張ります」

#2島袋樹巳
「ヒート1はいつもよりかスタートが決まって、10番手くらいに出れました。追い上げる中で2位との差も詰まってきて、ラスト4周位で腕があがってペースが落ちてしまって、3位キープで終わってしまいました。土曜日のタイムアタック予選はマディで、日曜日はレールが深く掘られて、かなり難しかったですね。次戦の広島は、前に練習へ行ったときの調子がよかったので自信があります」

#10鎌倉大樹
「両ヒートともスタートがよかったのですが、ヒート1に関しては身体が全然動かなくてペースを上げることができず、転ばないようになんとか走り切った結果5位でした。ヒート2はスイッチが入って身体も動くようになってよかったのですが、内容的にはもっと走れたなと思います。両ヒートとも同じチーム員の髙木くんと名島くんと競い合えたし、ヒート2では名島くんと表彰台に登れたので嬉しかったです」

#58名島玖龍
「ヒート1はいつも以上にスタート出られて、序盤なら良い位置にいたのですが2回くらい同じところで転倒してしまって、順位を上げることができませんでした。ヒート2ではそこを反省して挑んで、結果的に2位で終えたのですが、前を走っていた髙木くんが転倒していなかったら3位という実力なので、次の広島では1位獲れるように努力していきます」

#57髙木碧
「序盤はチームメイトの鎌倉先輩と一緒にトップ競うことができて楽しかったです。サポートいただいているヤマハ様やお父さんのおかげで調子の良いバイクで走ることができて、排気量の差を感じることなく戦えました。次はホールショット決めて勝ち切りたいです」

JX(ジュニアクロス)

外間が安定した走りで優勝を掴む

ジュニアクロスでは、好スタートを決めた#8外間匠 (T.E.SPORT Jr./ホンダ CRF150RⅡ)がレースをリード。2番手以降は混戦となったが、その中を抜け出したのが#83江藤彪之介 (★MOTION RACING★/ヤマハ YZ85LW)だ。江藤はトップを4秒ほど上回るベストラップタイムを記録し、勢いに乗って外間に迫るが、ミスによりその差が開いてしまった。外間は安定感のある走りで最後まで走り切り見事優勝を獲得。2位江藤、3位#36太田結馬(ガレージクローバーレーシングサービス/ヤマハ YZ85LW)という順位でチェッカーを受けた。なお、レース終了後に、江藤の走行に危険行為が認められ3順位降格となった。これにより正式結果では順位に変更があり、1位外間、2位太田、3位に#24飯島陽向(ヤマハ YZ85LW)となった。

K65(キッズ65)

唯一の1分54秒台、阿部が群を抜く速さで優勝

キッズ65クラスは雨がかなり強まったタイミングでレースが行われた。スタートで前に出たのは#94阿部哲昇(Yogibo Pirelli MOUNTAIN RIDERS/カワサキ KX65)。ベストラップタイムが1分54秒台とクラス内で唯一2分を切り、2番手と6秒ほど差をつける速さで後続ライダーを引き離す。阿部は最後までミスすることなく走りきってトップを譲ることなくチェッカー。見事優勝を獲得した。一方、2番手以降は#222髙梨煌喜(WaveFactoryRT with KTM川崎中央/KTM 65SX)、#15川口牡丹(110Racing/KTM 65SX)、#10田口桃多(T.E.SPORT/ヤマハ YZ65)らがつけていたが、髙梨と川口は途中で順位を落とし戦線離脱。安定した走りで周回を重ねた田口が2位、3位には7番手あたりから追い上げた#488佐藤心弥(YSP浜松 withTEAM BABANA SHOX/ヤマハ YZ65)が入賞を果たした。

CX(チャイルドクロス)

松本が荒れたマディコンディションを制す

チャイルドクロスは排気量50cc以下の国産4ストロークエンジンバイクで競うAクラスと、外国メーカーの2ストロークエンジン車両に加えていくつかの許可された電動モトクロッサーで走るBクラスとの混走レースとなった。決勝が行われた土曜日は雨が降り続き、路面はマディコンディションに。ライダーたちは、滑りやすく、わだちが深く掘られた路面に苦戦を強いられた。

そんな中、レースをリードしたのはBクラスの#15伊良皆真結香(GASGAS E-5)だ。第2戦で優勝を飾った実力を持つ伊良皆はスムーズな走りでトップを走行する。しかしレース中盤でマシンがストップ。その後も復帰することができずリタイアとなった。

一方、Aクラスは序盤から#23松本有生(T.E.SPORT Jr./ホンダ CRF50F)がトップに立つと、#25齋藤光志(株式会社TKS&かもん小池レーシング/スズキ DR-Z50)と#61菊池朗以(Team NFS with BIVOUAC OSAKA/スズキ DR-Z50)が追いかける展開に。レース中盤に松本がタイムロスをしたことにより齋藤がトップを奪い、菊池も2番手に浮上するが、すぐに松本が追い上げ再び先頭に返り咲いた。その後は菊池が齋藤をパスするとレース終盤にかけて徐々に3台の差が開いてゴール。結果、松本が優勝を獲得。2位菊池、3位齋藤という順位でレースを終えた。

Honda CRF125Fワンメイクミーティング

島田が他を寄せ付けない速さで優勝

今大会で特別にホンダ CRF125Fのみで競い合う「Honda CRF125Fワンメイクミーティング」が併催された。スタートすると、#311島田優(PITシマユウ/ホンダ CRF125F)が序盤からトップに立ち、2番手には#125伊藤史朗(OLD Team ITOMO/ホンダ CRF125F)、#4仲井慎二(京都ボブキャット&WESTwithガレージクローバー/ホンダ CRF125F)が続いた。島田はマディコンディションをスムーズに乗りこなし、徐々に後方との距離を拡大すると単独走行へと持ち込む。一方、序盤で4番手につけていた#95清水健心(I.S.Sキッズスクール+WAKO’S+(株)ワトム/ホンダ CRF125F)が仲井をかわして3番手に浮上。島田を追いかけるも、トップ3台の間隔は縮まらず、そのままの順位でフィニッシュとなった。

なお、今回サプライズゲストとして元ホンダのワークスライダーであり全日本モトクロス選手権チャンピオンの増田一将氏が参戦。追い上げのレースとなったが、レジェンドライダーの走りに観客のみならず、全日本参戦ライダーからも歓声が上がった。

エンジョイクラス

優勝をかけた激戦を制した杉本、見事な逆転劇を見せた山中

エンジョイクラスは37台のライダーが出場し、タイムアタック予選の結果で振り分けられたA組とB組の2つに分けて行われた。各予選上位12名によって競われたA組では、#22安孫子直樹(ホンダ CRF250R)と#88杉本大駕(レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ125)が1周目からトップ争いを展開。杉本がトップに立つと、後方から#41木村優希(TeamPowerBand/カワサキ KX250)と#122清宮伊織(レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ125)らが安孫子をかわして杉本を追いかける。トップ3台の距離は縮まり、一時清宮がトップに浮上。さらなる接戦が繰り広げられると思われたその時、なんと3台が絡んで転倒してしまう。すぐに立て直し杉本、木村、清宮という順で走り出したが、3人の差は広がりそのままの順位でチェッカーを受けた。

一方、B組では#162山中正巳(Paint Magic Yama/カワサキ KX250)がホールショットを獲得。しかしその直後にコースアウトしたことでトップが入れ替わり、#473清水有二(Team Green Foods/ホンダ CRF450RX)がレースをリードする。レース終盤には#951田中徳次(バンザイダート/ハスクバーナ FC250)が4番手あたりから追い上げ、清水に迫るとトップに浮上。このまま田中が逃げ切るかと思われたが、最後にほぼ最後尾から順位を上げ続けた山中が清水に迫り、トップ争いを展開する。結果、山中が怒涛の追い上げで優勝を獲得。2位清水、3位には#16竹中信輝(チーム二輪塾/ホンダ CRF150RⅡ)が入賞を果たした。

次戦は6月14日(土)〜15日(日)、広島県世羅郡にある世羅グリーンパーク弘楽園にて開催される。同コースでの開催は2023年以来、2年ぶりとなる。全7戦中4戦目ということで、シーズンの折り返しにもなる大会でどんなバトルが見られるのか、引き続き注目していてほしい。

コメントを残す