埼玉県川越市のオフロードヴィレッジで10月29日(土)、30日(日)の両日にわたってD.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2022 第6戦 関東大会 埼玉トヨペットカップが開催された。オフロードヴィレッジは第2戦でも使用されたが、コースは左回りになるなど、レイアウトが大幅に変更された。2日間にわたって晴天に恵まれ、多くのモトクロスファンが白熱のバトルを楽しんだ。
D.I.D JMX 2022 R6 関東大会 埼玉トヨペットCUP 観戦情報IA1
Heat1:#22大城魁之輔が今季2勝目を挙げる
ホールショットを奪ったのは#14道脇右京(TEAM KOHSAKA with CARVEC / ホンダ CRF450R)。2番手に#5小方誠(TEAM HAMMER / ホンダ CRF450R)、3番手に#23大倉由揮(Honda Dream Racing Bells / ホンダ CRF450R)が続く。小方はオープニングラップでトップに立ち、大倉が2番手、3番手は道脇という順で2周目に突入。#22大城魁之輔(Honda Dream Racing Bells / ホンダ CRF450R)は2周目に3番手に上がり、4周目には大倉をかわして2番手に浮上。小方との差を徐々に詰めると7周目の最終コーナーでトップを奪った。レース中盤、ペースの上がらない小方は#3能塚智寛(Team Kawasaki R&D / カワサキ KX450‐SR)、そして#2富田俊樹(YAMAHA FACTORY RACING TEAM / ヤマハ YZ450 FM)にもパスされ、表彰台圏外に後退。この間トップを走る大城はハイペースを維持して今季2勝目を飾った。
「理想的な展開のレースができました。2勝目が欲しくてずっと頑張ってきたのですごくうれしいです。最終戦でも3勝目を狙います」(大城選手)
Heat2:#4渡辺祐介が今季初勝利。#2富田俊樹が2位に入り、2022年チャンピオンに輝いた
小方がホールショットを決めるが、その直後に転倒し、後続車が次々と巻き込まれる。ランキング2番手の能塚も小方の転倒に巻き込まれ、マシンが破損してリタイヤとなってしまった。このアクシデントの間隙をぬってトップに躍り出たのは#4渡辺祐介(YAMAHA FACTORY RACING TEAM / ヤマハ YZ450FM)。2番手に大城が続く。渡辺を追う大城だったが5周目のターン5で転倒して7番手にまでポジションをダウン。これにより富田が2番手に上がり、YAMAHA FACTORY RACING TEAMがワンツーでレースをリードする。渡辺はその後もハイペースでプッシュし続け、独走で今季初優勝を決めた。
2位でチェッカーを受けた富田は、この時点での獲得ポイントで2022年度のチャンピオンが確定した。「今季は苦しいシーズンでした。Heat1では転倒してしまったために最後尾からの追い上げとなりましたが、自分の走り自体も良かったので、Heat2までのインターバルで気持ちをしっかり切り替えられたので勝つことができました。ようやく1勝目ですが、ここまで正直長かったですね。次は地元の菅生でのレースですので、2Heatとも獲りたいですね」(渡辺選手)
「普通に走れば(チャンピオンを)獲れると思っていましたが、やはり勝って獲りたかったので、その点ではプレッシャーがありました。11番ゲートからのレースは正直厳しかったです。3年越しでようやく結果が出せたので、まずはひと安心ですね。今回のレースはチャンピオンがかかっていたので正直走りも硬かったと思いますが、次のレースではそんなプレッシャーもありませんので、思いっきり走って勝ちたいと思います」(富田選手)
IA2
Heat1:#16ジェイ・ウィルソンが新しくなったコースでさらにスピードを増した
第2戦ではコース攻略に苦労していた#16ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY RACING TEAM / ヤマハ YZ250F)だったが、今回は新しくなったコースでその速さを遺憾無く発揮し、予選から圧倒的なスピードで他を圧倒。Heat1ではスタート直後にトップに躍り出ると、序盤に後続を一気に引き離し、圧巻の12連勝を決めた。
2番手以降は#36横澤拓夢(TKM motorsports いわて / ヤマハ YZ250F)、#5中島漱也(bLU cRU レーシングチーム鷹 / ヤマハ YZ250F)、#21浅井亮太(bLU cRU フライングドルフィンサイセイ / ヤマハ YZ250F)、#4鳥谷部晃太(bLU cRU TEAM エムFACTORY by NCXX / ヤマハYZ250F)らが激しくバトルを繰り広げ、中島が2位争いを制した。3位は浅井で、ポイントランキング2番手をキープ。
Heat2:#16ジェイ・ウィルソンが2位以下に20秒以上の差をつけて独走優勝
Heat1同様、いちばんイン側のグリッドからスタートしたウィルソンがホールショットを奪う。2番手に#9鈴村英喜(TEAM HAMMER ホンダ学園 / ホンダ CRF250R)が続く。3番手につけていた浅井はターン6で転倒してポジションを落としてしまった。ウィルソンはHeat1同様、序盤に早々と独走状態を築き上げて13勝目を飾った。ウィルソンの後方では鈴村と、Heat1では10位に沈んでしまった#10柳瀬大河(Bells Racing / ホンダ CRF250R)が2番手争いを展開するが、鈴村が2番手のポジションを守り切った。序盤に転倒した浅井は9位でチェッカーを受けたが、柳瀬が3位に入ったことで、両者のポイント差はわずか1にまで縮まった。
Heat3:#16ジェイ・ウィルソンが圧巻の14連勝を決める
#26阿久根芳人(マウンテンライダーズ / カワサキ KX250)がウィルソンを抑えてホールショットを奪う。しかしターン3の立ち上がりでウィルソンが早々とトップに立ち、ここまでの2Heat同様、序盤で一気に独走状態を築き上げる。レース中盤、横澤、柳瀬、#18福村鎌(Team SBE / スズキ RM-Z250)が2番手グループを形成する。トップを走るウィルソンは独走状態を築きながらも決してアクセルを緩めることなく、終始トップタイムを記録して後続をどんどん引き離していくと、2位に18秒以上もの差をつけて勝利した。
2位はHeat1で惜しくも表彰台を逃した横澤で、柳瀬が3位で続いた。浅井はスタートで出遅れて5位となり、柳瀬がポイントランキング2番手に浮上した。
「第2戦に比べると、コースはかなり改善していますね。以前はとても狭くて小さい印象のコースでしたが(コーススタッフが)とてもいい仕事をしてくれました 。今回自分が勝てたことはハッピーですが、富田のチャンピオンが決まり、(渡辺)祐介が勝てたこともハッピーです。今期の祐介はとてもハードなシーズンとなっていて、いい走りはしていますが、それが結果に結びついていませんでした。彼が本来いるはずの場所に戻ってもらうことも我々の挑戦でしたが、今日はそれを達成できました」(ウィルソン選手)
IB-OPEN
Heat1:#13西岡蒼志がチャンピオンに王手をかける
ポイント争いをリードする#13西岡蒼志(讃岐白馬会 with NEUTRAL / ヤマハ YZ250F)がホールショットを決めると、序盤から逃げにかかる。2番手には#4佐藤力(TKM motorsports いわて with ALL ONE / ホンダ CRF250R)が続くが、3番手につけた#20鈴木颯(TEAM 鈴木兄弟商会 / スズキ RM-Z250)が佐藤をかわし、トップを走る西岡をも追い詰める。だが西岡は鈴木の猛追にも走りのリズムを崩さず、レース終盤にはペースが落ちた鈴木との差を広げて独走優勝を飾った。鈴木は佐藤や#2平塚豪(城北ライダース with634MX / カワサキ KX250)、#23千葉蓮希(T.E.SPORT / ホンダ CRF250R)、#1有山大輝(レーシングチーム鷹 / ヤマハ YZ250F)らとのバトルのさなかに転倒。2位は千葉、3位は有山という結果となった。「ホールショットから逃げきることができて、気持ちのいいレースでした。途中鈴木選手が追って来たときはヤバいと思いましたが、何とか耐えて逃げ切ることができました」(西岡選手)
Heat2:#1有山大輝が地元の意地を見せる。2位の#13西岡蒼志が2022年度チャンピオンに輝いた
年間チャンピオンに王手をかけた西岡の走りに注目が集まったHeat2。ホールショットは佐藤が奪うが、2番手につけた有山がオープニングラップでトップに躍り出てレースをリードする。西岡は3番手の位置から上位をうかがうが、2周目に転倒してポジションを大きく落としてしまう。有山の後方では平塚が佐藤をかわして2番手に浮上するが、レース中盤、その平塚も転倒してしまった。トップを走る有山はファステストラップを記録するなど、終始ハイペースでラップを刻み続け、地元で今季3勝目を飾った。「走り慣れた地元のコースなのでリラックスして走れました。チャンピオンは獲られてしまいましたが、最終戦も勝利して、来シーズンにつなげられればと思っています」(有山選手)
序盤の転倒で11番手にまでポジションを落とした西岡は、その後猛然と追い上げて周回ごとにポジションアップ。ラストラップでは2番手を走る佐藤をもかわして2位でチェッカーを受けた。この結果により西岡の年間チャンピオンが確定した。「何とか2位になることができました。IBのチャンピオンになれたことは一生の思い出になると思います。ここまではるばる応援に来ていただいた四国の皆さんのおかげでチャンピオンになれました」(西岡選手)
LMX
#1川井麻央が今季初勝利。タイトル争いは混迷の度を増した
ポイントランキングトップの#3久保まな(TEAM HAMMER / ホンダ CRF150R)がホールショットを奪う。2番手に#7穂刈愛香(TOMOレーシング&美蔵 / ヤマハ YZ85LW)、3番手には#1川井麻央(T.E.SPORT / ホンダ CRF150)が続く。予選トップの川井はオープニングラップで穂刈をかわして2番手に浮上すると、そのままターン11で久保をもパスしてトップに立った。2周目には後方から追い上げてきた#2本田七海(bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド / ヤマハ YZ85LW)が久保をかわして2番手に上がる。レース中盤、バックマーカーに行く手を阻まれた川井に本田が急接近。そして迎えたラストラップ、本田は最終コーナーのインに飛び込んで川井に先行。だがクロスラインで立ち上がった川井がトップを奪い返して今期初優勝を飾った。僅差で敗れた本田だったが、#4小野彩葉(T.E.SPORT / ホンダ CRF150RⅡ)が4位となったことでポイントランキングは2番手に浮上。ランキング1位の久保はこのレース3位となり、ランキング2位の本田とのポイント差は12となった。
「第4戦で今季初めて表彰台に上り、それ以降少しずつ調子が上向いてきている中で今回のレースを迎えました。後ろに本田選手がいることは分かっていて、最後に来るだろうとは思っていましたが、自分の組み立て通りに冷静に走れば勝てる自信がありました。レースを見に来た人たちに『スゴい』と思ってもらえるようなレースが出来たと思います」(川井選手)
JX
#10吉田琉雲が別格の走りで圧勝
#55高木碧(レーシングチーム鷹 / ヤマハ YZ85)が予選トップの#10吉田琉雲(MX-build / ガスガス MC85)を抑え、トップで1コーナーに飛び込んでいく。だが吉田はオープニングラップで早くもトップに浮上し、序盤からハイペースで後続を圧倒。フープスの先の2連大ジャンプを一気に飛び越えるなど、ジュニアクラスとは思えないほどの走りで完全な独走状態を築き上げ、圧巻の5連勝を飾った。#31勝又聖太(KTM 85SX)がレース終盤、高木との2番手争いを制した。「今回はコースが新しくなったので不安でしたが、勝つことができてよかったです」(吉田)
K65
レーシングチーム鷹の2名がワンツーフィニッシュを決めた
#66永澤匠真(レーシングチーム鷹 / ヤマハ YZ65)がホールショットを奪い、タイ人ライダーの#30プラヨングラット・アランチャイ(レーシングチーム鷹 / ヤマハ YZ65)が2番手で続く。アランチャイは永澤をかわして一時はトップに立つも、すぐさま永澤がトップを奪い返した。3番手は#25伊良皆龍翔(ガスガス MC65)が続く。永澤はトップに立ってからは後続との差を徐々に開き、2位のアランチャイに5秒以上の差をつけて勝利した。伊良皆はアランチャイに迫るものの、ラストラップで転倒。この結果、3位には#926目黒愛翔(Auto Brothers / ハスクバーナ TC65)が入った。「お父さん、お母さん、チームのみんなのおかげで勝つことができました」(永澤)
CX
ハイスピードコースで23人のキッズが奮闘
23台がエントリーした今回のチャイルドクロスは、新設されたフラットセクションを使用する全長600mのハイスピードレイアウトでのレースとなった。スタートを決めたのは2ストロークのマシンを駆る#86前原歩叶(S.A.Y racing / KTM 50SX)。2番手には前原と同じく2ストロークマシンの#24門間大和(MX-build / ガスガス MC50)が続き、レース序盤から接近戦を繰り広げる。2周目にトップに立った前原は、追いすがる門間が転倒したことで独走で優勝をかざった。2位は門間、3位は4ストロークの#94阿部哲昇(マウンテンライダーズClub / スズキ DR-Z50)という結果となった。
Next JMX
最終戦 D.I.D JMX 2022 R7 MFJ-GP モトクロス大会 は
2022/11/12-13 スポーツランドSUGO(宮城県)にて。
>第7戦 MFJ-GPの観戦情報はこちらから
>MFJ Webサイト内大会概要ページ
>主催:スポーツランドSUGOのイベントページ
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