D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2024第4戦SUGO大会が、6月1日(土)〜2日(日)、宮城県にあるスポーツランドSUGOで開催された。今大会は土曜日に予選、日曜日に決勝を行うスケジュールで、今季初の予選ヒートレースが行われた。また、IA1・IA2・IB OPEN・LMXに加えて承認クラスのジュニアクロスとチャイルドクロス、さらにOver40 Enjoy Motocross、Yamaha YZ125 bLUcRU Cup(ブルークルーカップ)が併催された。

当日の天気は曇りのち雨。予選日は小雨程度で収まったものの、決勝日となる2日目は午後から雨が降り続け、コースコンディションは第3戦を思い出させるようなハードマディへと変化していった。

D.I.D全日本モトクロス選手権第4戦SUGO大会

日時:2024年6月1日(土)〜2日(日)
会場:スポーツランドSUGO(宮城県)
天気:曇りのち雨
総入場者数:2500名

IA1

第3戦の悔しさを糧に、ウィルソンが完全勝利を収める

IA1クラスは15分+1周の3ヒート制で行われた。スタートが勝負の鍵となる中、ホールショットを獲ったのは#41横⼭遥希(HONDA Dream Racing LG/ホンダ CRF450R)。スターティンググリッド大外付近から一気にかぶせて前に出ると、それに#9小方誠(TEAM HAMMER/ホンダ CRF450R)、#7能塚智寛(Team Kawasaki R&D/カワサキ KX450-SR)、#1ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM/ヤマハ YZ450FM)と続く。ウィルソンは第4コーナー付近で能塚をかわし、さらにはヨーロピアンセクション手前で2番手に上がるとその勢いのまま横山を鮮やかに抜き去りトップへ浮上する。また#33ビクトル・アロンソ(AutoBrothers GASGAS JAPAN/GASGAS MC450F)も4番手へと順位をアップ。ファーストラップ終了時にはウィルソン、横山、小方、ビクトルの並びになった。2周目にはビクトルが一気に2人をかわし2位へ浮上し、ペースを上げて追い上げていく。レース中盤の3周目以降はビクトルがベストラップを更新すると、すぐさまウィルソンがそれを塗り替える激しい争いに。ビクトルのペースはさらに上がり、2分04秒645というヒート1でのベストラップを出してウィルソンとの差を2秒にまで詰めていく。しかし最後まで逃げ切ったウィルソンがトップでフィニッシュ。ビクトルは1秒差にまで追いつめたものの2位。3位には中盤での接戦を制した横山が入った。

ヒート2はスタート直後の第1コーナーで4台のクラッシュが発生。上手く抜け出したウィルソンに#8安原志(⼋尾カワサキ with ANNEX CLUB/カワサキ KX450)が続いていった。3番手以降は一瞬混戦となるがビクトルが抜け出していき、そのまま安原をかわし2番手へと順位を上げる。ウィルソンは2周目3周目とベストラップを更新し、後続を引き離して独走状態へ。レース中盤ではビクトルがクラス内で唯一2分2秒台というラップタイムを叩き出し、必死の追い上げを見せていくも、安定した走りでトップを守ったウィルソンが優勝を飾った。2位はビクトル、3位には安原との接戦を制した横山が入賞を果たした。なお、最終ラップ直前に追い上げを見せた#5⼤城魁之輔(YSP浜松 with BABANASHOX/ヤマハ YZ450F)は4位に入る健闘を見せている。

ヒート3は雨が激しくなり、コース上には多くの水たまりや深さを増した轍が増えていった。レース前のサイティングラップに出る選手もまばらになり、各選手の判断が分かれていく。スタート直後に抜け出したのはウィルソン。2番手には#6⼤塚豪太(T.E.SPORT/ホンダ CRF450R)、3番手にはビクトルが続く。ビクトルは直後にコースアウトしてしまうが即座に復帰したため順位を落とすことはなかったものの、その隙に背後に迫った#2⼤倉由揮(Honda Dream Racing Bells/ホンダ CRF450R)が一気にアタック。しかし、その大倉は転倒し戦線離脱を余儀なくされた。その後ビクトルは大塚に迫り2番手争いを展開する。抜きつ抜かれつの攻防戦を繰り広げる中ビクトルが転倒し4番手に後退。2番手以降大塚、大城という順位でレースが進んでいく。さらに雨が強くなったレース後半、ビクトルが粘り強い追い上げで大城を抜き去り3番手に浮上。結果はウィルソンがマディコンディションを制しパーフェクトウィンを達成。2位にはラストラップまで安定した走りを見せた大塚、3位にはビクトルが入賞した。

#1ジェイ・ウィルソン

「九州大会の2日目で結果を出せなかったことを受けて、マシンのセッティングを変更したりとチームと多くの調整を重ねてきた。それが優勝という結果に繋がってよかったよ。九州大会の結果を思い返すとすごく悔しくて、深い穴に落ちてそこからどう這い上がっていくかと模索してきた。今回はヒート3の時に雨が降ってきて、九州大会のようなマディになっていった。あれは僕にとってもチームにとっても特別なレースに感じたね。僕は通常マディが得意なライダーなんだけど、九州の時は連勝へのプレッシャーから勝つことに対して気持ちが焦ってしまって、ミスが増えて結果を残せなかった。ただ、そこで改めて自分を見つめ直すことができた。自分の仕事は何かと考えたときに、勝つことはもちろん、全日本というレースやライダーのレベルを上げることだと改めて自覚して気が引き締まったんだ。前回の反省を生かしてヒート3も勝てて、本当によかったよ」

#33ビクトル・アロンソ

「ヒート1も2もスタートから前に出れて、ジェイとの距離も詰めることができてプッシュしたんだけど、彼も速くて届かなかった。ヒート3はマディコンディションでさらにタフなレースだった。轍が深くて水溜まりもあって、転倒しないように気をつけて走ってはいたけど2回もクラッシュしてしまった。次戦に向けてさらに練習を重ねていきたいと思う」

#41横⼭遥希

「昨日の予選では噛み合わずクラッシュしてしまったんですけど、体の方は問題なく、ヒート1からスタートを決めることができました。ただコースのコンディションが難しくて手こずってしまって、今回3位という結果に終わってしまいました。ヒート2でもスタートで前に出れたんですけど、1コーナーの処理でミスってしまってホールショットとはかけ離れた走りをしてしまいました。次戦に向けて調整を続けていきたいと思います」

#6⼤塚豪太

「本当はもっと順調に結果を残していきたかったのですが、A級に上がってから早くも10年が経ってしまいました。それでも協力してくれる人が多くて、サポートや応援をしてくれている方々のおかげでレースを続けて来れています。ここまで続けてきた以上、絶対に勝ちたいです。次も優勝目指して頑張ります」

IA2

横澤が悲願のSUGO初優勝

IA2クラスは雨の影響を考慮して5分短縮の25分+1周の2ヒート制で行われた。ヒート1、スタートで飛び出したのは#10⽥中淳也(bLU cRU YSP浜松BOSS RACING/ヤマハ YZ250F)と#15佐々⽊麗(Kawasaki PURETECH Racing/カワサキ KX250)。その後ろに#2横澤拓夢(TKM motor sports いわて/ホンダ CRF250R)が続いていく。ヨーロピアンセクションで横澤が佐々木をかわし2番手へポジションアップ。さらにスピードを上げて田中を抜き一気にトップへ躍り出た。2周目に入ると横澤は後ろを引き離しにかかり、徐々に差を広げていく。レース中盤、4番手につけていた#3中島漱也(bLU cRU レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ250F)が追い上げ佐々木と田中をロックオン。田中がミスをした一瞬の隙をついて中島が3番手に浮上。さらに続いて佐々木をかわして2番手へと順位を上げた。レース時間残り10分を過ぎる頃には横澤が安定した走りで独走状態に。そのままトップを守り切ってフィニッシュを果たし、自身初となる地元SUGOでの優勝、そして前戦からの3連勝目を飾った。2位には着実な追い上げを見せた中島が、3位には田中が入った。

ヒート2はレース直前から雨が強まりコンディションがさらにマディへと変化していく。その中でスタートからトップに立ったのは横澤。混戦が落ち着き1周目が終わるころには、トップから横澤、佐々木、#22阿部晴基(Team Pitin With M:F/ヤマハ YZ250F)といった順でレースが進行していった。先頭を走る横澤は安定感のある走りでトップを守っていく。中盤では3番手争いが激しくなり順位が変動。阿部が徐々にペースダウンする隙をついて#6柳瀬⼤河(TKM motor sport いわて/ホンダ CRF250R)と#9⻄條悠⼈(Kawasaki PURE TECH Racing/カワサキ KX250)がポジションアップし、6周目には⻄條が柳瀬をかわして3番手に浮上した。レース後半にはさらに雨足が増して路面が荒れ、転倒するライダーが増えていく。全体のペースが落ちていく中、上位3名が接近し、最終ラップでは佐々木が横澤に猛プッシュをかけてトップを奪取。しかし横澤がすぐさま抜き返すという激しいバトルが繰り広げられた。最後は横澤が逃げ切り完全優勝。2位には佐々木、3位には⻄條という順位でゴールを果たした。

#2横澤拓夢

「ヒート1は漱也が順位を上げてくるだろうなと思っていました。走る中で自分なりに良いラインが見つけられたので、追いつかれる前に前半で差を広げておこうと思ってレースを進めてました。路面がかなり荒れていて、結構腕も上がっちゃったのですが、頑張って最後まで走り切りました。ヒート2は雨が降ってきたことで路面も荒れて、その変化に合わせて走るのが難しかったですね。最後は転倒しているライダーに詰まって一度佐々木選手に抜かれちゃったのですが、なんとか抜き返しました。SUGOで初優勝できて嬉しいです」

#3中島漱也

「悔しいですね。追い上げのレースで、前のライダーをパスするのに時間がかかってしまったことで拓夢くんに逃げられてしまいました。彼の地元大会だからこそ勝ちたかったのですが、届かず悔しいです。次こそは表彰台の一番高いところに乗ります」

#10⽥中淳也

「スタートでホールショットを獲ることができたのですが、2周目3周目と連続で抜かされてしまって、もったいないレースをしたと思います。拓夢くんも漱也くんも強いですけど、次は負けないように頑張ります」

#15佐々⽊麗

「結構マディは得意なのですが、前回の九州大会でスタックして苦戦したことで不安もありました。ただ今回は走り慣れている地元のコースで、スタートしてみたら思ったよりも乗れていて、最後まで良い調子で走れました。轍が深くて難しかったのですが、ヒート1よりもヒート2の方がラインも見えていて、自分的に良い走りができていたと思います。トップに近づいていく中で、気持ちが前のめりになってミスもしていたのですが、意外と離れなかったので、最後プッシュしていきました。一回トップに立ったのに抜き返されたので悔しいですが、IA2クラスで初表彰台を獲得できて嬉しいです。今回のレースを自信に変えて次は優勝を狙っていきます」

#9⻄條悠⼈

「今回は土曜日の練習走行から調子よくて、トップタイムで走ることができてました。でも予選でなぜかすごく緊張してしまって、体がガチガチになってペースが上がらず良くない走りをしてしまいました。決勝は気持ちを切り替えて挑んで、練習走行から調子良く走れた勢いでヒート1で5位、ヒート2で3位に入ることができました。望んでいた結果ではないですが、練習通りの走りができてよかったです。まだ目標としている走りにはほど遠いですが、少しは成長できたと感じていますし、次につながる結果になったと思います。次戦の北海道はスピードが乗って好きなコースです。また自分の走りができれば勝てると思っています」

IBOPEN

守が初優勝&パーフェクトウィンを果たす

IBOPENクラスは第3戦までヒートごとに優勝を飾るライダーの顔ぶれが異なり、今大会は誰がレースを制するのかに注目が集まった。

土曜日に行われたヒート1は、開始直後に赤旗が振られ再スタートとなった。再度集中を高めて迎えたレースでは、オープニングラップで#61守大夢(Kawasaki PURE TECH Racing/カワサキ KX250)がトップを走行。その後ろに#10齋藤啓太(Team Pitin/ヤマハ YZ250F)と#16桒垣竜斗(Team NFS with BIVOUAC OSAKA/GASGAS MC450F)が続いていく。齋藤は序盤で守との差を詰めていくが、守も落ち着いた走りで齋藤の追撃から逃げ、徐々に差を広げていく。一方、5番手付近から追い上げてきた#5松岡力翔(SP忠男広島/ヤマハ YZ250F)が3番手の桒垣に迫り、レース中盤でパス。さらに、レース後半には#7大西力靖(TEAM HAMMER/ホンダ CRF250R)が怒涛の追い上げで松岡を捉え、表彰台をかけた攻防戦を繰り広げた。結果は最後まで安定した走りを見せた守が1位でフィニッシュ。続く2位には齋藤、3位にはバトルを制した松岡という順位でゴール。守は地元大会にして自身初優勝を飾った。

日曜日に行われたヒート2では、土曜夜に降った雨の影響により路面が荒れ、ヒート1とはまた異なるコンディションへの対応が求められた。スタートで前に出たのは#17飯沼怜王(Honda Dream京都東 F.M.T’s/ホンダ CRF250R)。続いて#42馬場新一郎(YSP京葉withTwisterRacing/ヤマハ YZ250F)と#1飯塚翼(三恵技研工業 アシタプランニングMS/ホンダ CRF250R)が追いかける展開となった。序盤で飯塚がトップに浮上しレースをリードしていく中、勢いに乗った守が徐々に順位を上げ、レース終盤にはトップを奪取。さらに後方から粘り強く追い上げた松岡も3番手に浮上した。最終周まで順位の変動が起きた結果は、1位守、2位馬場、3位松岡という順位でフィニッシュ。守が見事パーフェクトウィンを果たした。

#61守大夢

「開幕戦で上位を走ってる中で転倒したのがすごく悔しくて、今回やっと勝てました。初優勝最高です! 轍や荒れた路面が得意なので、今回のコースはかなり楽しめました。ヒート2はスタート6番手と少し遅れて、追い上げる時も体が硬くなっちゃったのですが、転ばないように走ってなんとかトップに追いつくことができました。スタートが苦手なので、次もスタートで10番手以内に入ってトップを狙います」

#10齋藤啓太

「走り慣れているコースなので勝ちたいと思って走っていたのですが、守くんが速くて届かなかったです。次戦こそは優勝できるように頑張ります」

#5松岡力翔

「今回見えた課題はとにかくスタートですね。やっぱり表彰台のてっぺんに登りたいので、次は優勝目指して頑張ります」

LMX

落ち着いたレース運びで川井が余裕の勝利

レディースクラスは雨の影響により大坂をカットしたレイアウトに変更。さらにレース時間も5分短縮の10分+1周で行われた。序盤から前に出ることが重要となってくるこのレース、好スタートを切ってトップに立ったのは#3箕浦未夢(TEAM ITOMO/ホンダ CRF150RⅡ)、そして#1川井麻央(T.E.SPORT/ホンダ CRF150RⅡ)、#6濵村いぶき(T.E.SPORT/ホンダ CRF150RⅡ)が続いていく。1周目途中にヨーロピアンセクションで濱村が転倒し大きくポジションダウン。1周目終わりには箕浦、川井、#4川上真花(bLU cRU YSP大阪箕面/ヤマハ YZ85LW)、#2本田七海(LUTZ with 中西建設(株)NH/ヤマハ YZ85LW)という順でレースが進行していった。2周目には箕浦がミスをした隙をついて川井がトップに浮上。箕浦はその後も追いかけるが、コースアウトにより復帰に時間がかかり大きく順位を落としてしまう。2番手へ順位を上げた川上はトップの川井を追いかける勢いを見せるが、届かずタイムアップ。1位川井、2位川上、3位本田という結果になった。なお、今回の結果により川井はランキングトップに浮上した。

#1川井麻央

「レース時間が10分と短かったので、ミスしないように走りました。スタートから安定して出れて、他のライダーの走りを見つつ余裕がありましたね。コースは荒れてましたが、荒れてたり轍がある路面の方が得意なので、今回のコンディションは自分にとって良かったです。ただ、250ccや450ccのマシンで作られた轍は難しいので、どう走るか、ラインはどこを通るかと、コースの下見を十分にして臨みました。これが今回の結果にも繋がったと思います。次戦は9月になるのでかなりインターバルが開くのですが、シーズンオフでリフレッシュしつつ、レースに向けて乗り込んで準備していきます」

#4川上真花

「第2戦と第3戦で表彰台に登ることができず、ポイントを落としてしまったので、SUGOで表彰台に登ると決めていました。自分が大好きな轍があるコンディションだったのもあって、ここに立てたと思います。応援ありがとうございました!」

#2本田七海

「今回から2ストロークのYZ85に乗り換えて挑みました。前大会から少し時間もあったのでマシンに乗り込んで優勝を目指していたのですが、土曜日から調子が悪くて、噛み合わないまま決勝を迎えることになりました。正直3位という結果は満足もできないし、もっと上にいきたかったと思うのですが、今の自分の実力だと思います。マシンの乗り換えは苦戦はしなかったです。それぞれのマシンの特徴を感じつつ、乗ってきた時間の長いYZは戻ってきたなという感覚もありました。次戦の名阪は地元のコースですし、応援もたくさんきてくれると思うので、そこで必ず勝ちたいと思います。今回でランキングトップが入れ替わってしまったのですが、次勝てば逆転のチャンスもまだあるので、今回の調子の悪さを次戦までに改善して挑みたいと思います」

ジュニアクロス(JX)

木村が安定した走りで優勝を獲得

85ccと150ccマシンの混走で競い合うジュニアクロス決勝は土曜日に行われた。

予選では#55髙⽊碧(bLUcRUレーシングチーム鷹/ヤマハ YZ85LW)が他のライダーと7秒差をつけてトップ通過をしたが、決勝直前にマシントラブルでDNS。決勝では好スタートを決めた#41⽊村優希(TeamPowerBand/カワサキ KX85)がオープニングラップでトップに立つと、そのまま後方との差を広げて単独走行へ持ち込んでいく。一方、2番手には#78田中秀征(TE SPORT jr/ホンダ CRF150RⅡ)が続き木村を追いかける展開。さらに3番手争いは順位の入れ替わりが激しい混戦となった。数台が表彰台をかけて攻防戦を繰り広げる中、レース後半に#22清宮伊織(レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ85LW)が3番手に浮上。トップ3の差は徐々に詰まっていくも順位は変わらずフィニッシュ。結果は1位木村、2位田中、3位清宮となった。

チャイルドクロス(CX)

見事なパッシングスキルで亀山が阿部との接戦を制す

排気量50cc以下のマシンで競うチャイルドクロスは、国産車の4ストロークエンジンバイクで競うAクラスと、外国メーカー車両の2ストロークエンジン車両に加えいくつかの許可された電動モトクロッサーで走るBクラスの2つが混合で行われる。

今大会は雨の影響により本コースは走らず、スタートゲート前に設けた特設コースでレースが行われた。スタートで前に飛び出したのはBクラスの#59広野康輝(KTM TOKAI RACING/KTM SX-E5)。直後にコースミスをして最後尾からの追い上げを強いられたが、冷静なライン取りで順位を上げていき、レース中盤にクラス全体のトップへ浮上。その後も前を譲ることなく1位チェッカーを受けた。

一方Aクラスは好スタートを決めた#28亀山 蒼(Tortoise Racing/スズキ DR-Z5)がトップを走行。しかし前大会で優勝を果たした#94阿部哲昇(MOUNTAIN RIDERS/スズキ DR-Z50)が後方から徐々に差を詰め、激しいトップ争いを展開する。一時は阿部がトップに立つも、バックマーカーが増えるレース後半に亀山が再びトップへ浮上。阿部も負けじと攻め続けるが終盤で転倒し後退してしまう。結果は、バックマーカーを巧みにかわしトップを守り切った亀山が1位を獲得。2位には着実な追い上げを見せた#23齋藤稀(CLUB Mr-BIKE/スズキ DR-Z50)、3位には阿部が入りフィニッシュとなった。

Yamaha YZ125 bLUcRU Cup(ブルークルーカップ)

髙木が27秒差をつけて圧勝

今大会では、若手ライダーの育成を目的に日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)とヤマハ発動機株式会社が企画した「Yamaha YZ125 bLUcRU Cup(ブルークルーカップ)」が併催された。初の試みとなった今回は20名のライダーがエントリー。レースの行方に注目が集まった。

スタートからトップに立ったのは#55髙⽊碧(bLUcRUレーシングチーム鷹/ヤマハ YZ125)。周りと5秒以上のラップタイム差をつけて周回し、レースをリードしていく。一方、2番手を走る#33豊村航(ヤマハ YZ125)に#38杉本⼤駕(レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ125)が迫り、レース中盤でパス。さらに4番手を走っていた#77鳴海翔英(コンセプト札幌/ヤマハ YZ125)も豊村をかわし3番手に浮上した。その後トップ3の間隔が開いた状態でレースが進行。トップは変わらず髙木が快走し、2番手と27秒差をつけてゴール。圧倒的な速さを見せつけた。2位には杉本、3位に鳴海という結果となり、14歳のライダーで表彰台が独占された。

なお、同レースにはU19D.I.D賞やオリジナルTシャツ、フィルターオイルなど、豪華な参加賞・副賞が用意され、表彰台を飾った3人のライダーに贈られた。次回は第7戦、9月28〜29日に埼玉県のオフロードヴィレッジで行われる。

Over40 Enjoy Motocross

髙橋が激戦のマディレースを制す

今大会初開催となった、40歳以上のライダーが対象のOver40 Enjoy Motocross。40歳以上のオーバー40クラスと50歳以上のオーバー50クラスの2つが設けられ、混走で行われた。コースは雨によりショートカットしたレイアウトに変更。決勝では激しい雨が降り続き、当日最も荒れたマディコンディションとなった。

レースは好スタートを決めた#318沼⽥誠司(TEAM judgement andMXbuild/カワサキ KX450)と#72⼤塚忠和(TeamPowerBand&MF4/カワサキ KX450 )がスタート直後から激しい攻防戦を繰り広げていく。序盤で沼田が抜け出しレースをリード。大塚も粘り強く攻めるが転倒し順位を落としてしまう。さらに、トップを快調に走行していた沼田もレース中盤で転倒し3番手に後退。これにより#86髙橋尚史(うず潮レーシング福⼭/ホンダ CR125)がトップに浮上した。総合結果は1位に髙橋、2位には着実に追い上げた#971⽂屋誠(YOUSHOP⿊松withMTGオフロード倶楽部/ヤマハ YZ250F)、3位に沼田という順位でフィニッシュ。クラスごとの結果はオーバー50クラスで髙橋、オーバー40クラスで沼田が優勝を果たした。

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北海道大会

次戦は6月22日(土)〜23日(日)、北海道の新千歳モーターランドで開催される。全日本カテゴリーとしてはIAクラスのみが行われ、昨年と同様全道モトクロス選手権が併催される予定だ。今シーズンも折り返しということで、ランキングをかけたバトルが期待される第5戦。ぜひ現地に足を運んで熱戦を目の当たりにしてほしい。

第5戦(6/22〜6/23)


◾️D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ2024 第5戦北海道大会 大会情報

◾️D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ2024 第5戦北海道大会 チケット発売中
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