混戦のマディコンディションとなった第3戦から約1ヶ月、6月1日(土)〜2日(日)にD.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ2024 第4戦SUGO大会が、宮城県のスポーツランドSUGOにて開催される。

今季は開幕戦から第3戦まで、予選と決勝を1日で行うスケジュールで進行してきた。これに合わせて予選も練習走行を兼ねたタイムアタック形式で行われ、普段とは異なる面白さを見出した人も多いだろう。一方、今大会では通常のタイムスケジュールに戻り、土曜日に予選、日曜日に決勝を行う。予選レースが開催されるのは今季初ということで、決勝進出をかけて白熱するバトルは必見だ。

会場となるスポーツランドSUGOはアップダウンのあるコースレイアウトが特徴的で、特に2コーナーから3コーナーにかけてはSUGOの象徴的なセクションである大坂がそびえ立つ。ライダーたちはアクセル全開で駆け上っていき、観客はその迫力ある走りを間近で見ることができる。また、複数のコーナーが設けられたヨーロピアンセクションではハイスピードの攻防戦が繰り広げられる。ラインどりやコーナリングのテクニックを生かした、各ライダーの駆け引きは見ものだろう。

なお、今大会では公認クラスと承認クラスのJX(ジュニアクロス)・CX(チャイルドクロス)の開催に加え、40歳以上のライダーを対象としたOver40 Enjoy Motocross、そして若手ライダーの育成を目的に日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)とヤマハ発動機株式会社が企画した「Yamaha YZ125 bLUcRU Cup(ブルークルーカップ)」が併催される。新たな試みとなる2つのクラスにも注目してほしい。

IA1

次に優勝を手にするのは誰か

IA1クラスでは、開幕戦で全ヒート優勝を果たした#1ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM/ヤマハ YZ450FM)が第2戦も全勝しその強さを見せた。一方、大雨によって稀に見るマディコンディションとなった第3戦では、ヒート1で#2大倉由揮(Honda Dream Racing Bells/ホンダ CRF450R)が初優勝を獲得。さらにヒート2では#41横山遥希(HONDA DREAM RACING LG/ホンダ CRF450R)が初勝利を収め、ウィルソンの連勝記録を阻止することとなった。

初優勝に喜びや安堵を示した大倉と横山に対し、ウィルソンは「優勝できなかったことは残念だけど、連勝というプレッシャーから解放されて安心している気持ちもある。これからは自分の走りに集中して、自分の乗り方やレースの組み立て方を一から見直していきたい」とコメント。今大会までのインターバルでさらに実力を高めてくることは間違いないだろう。

また、第2戦では#33ビクトル・アロンソ(AutoBrothers GASGAS JAPAN/GASGAS MC450F)がスタートからトップに立ち、ウィルソンと激しいバトルを繰り広げたことも印象深い。優勝をかけた戦いはさらに白熱するだろう。

IA2

中島が横澤を3ポイント差で追いかける

IA2クラスは30分+1周の2ヒート制で行われる。トップ争いが混戦する中、第2戦では#3中島漱也(bLU cRU レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ250F)が全勝し、続く第3戦では#2横澤拓夢(TKM motor sports いわて/ホンダ CRF250R)が全ヒートで勝利を収め他を圧倒した。ポイントランキングを見ると、第3戦終了時点で横澤が128ptでトップ、中島が125ptで2位、92ptで#4鴨⽥翔(Kawasaki Plaza 東⼤阪/カワサキ KX250)が3位につけており、2人が頭ひとつ抜きん出た状況なのがわかる。さらに横澤と中島の差はわずか3ポイントと僅差で、シーズン後半戦に向けて今大会で差をつけておきたいところ。そのチャンスを手にするのはどちらか、2人のトップ争いに注目が集まる。

なお、今大会にはインドネシア出身の#58 DIVA ISMAYANA(Team Kawasaki R&D/カワサキ KX250)が参戦する。彼は2019年にFIMアジアスーパークロス選手権プレミアMX2クラスに出場し、優勝した経験を持つライダー。2023年にはインドネシアモトクロス選手権でチャンピオンを獲得した。全日本モトクロス選手権への参戦は初めてということで、その実力がいかに発揮されるのか、トップ争いにどんな影響を与えるのか、彼の活躍も見逃せない。

DIVA ISMAYANA インスタグラムアカウント

LMX

トップ2人の譲れない戦い

レディースクラスでは#1川井麻央(T.E.SPORT/ホンダ CRF150RⅡ)が第2戦と第3戦を制し、ポイントランキングで怒涛の追い上げを見せている。開幕戦こそノーポイントで終えたものの、2戦連続で優勝したことによりポイントランキングは現在2位。ランキングトップの#2本田七海(LUTZ with 中西建設(株)NH/ヤマハ YZ85LW)との差は6ポイントにまで迫っている。今大会で川井がさらに差を詰めるのか、本田が差を広げるのか、両者の譲れない戦いに注目だ。

また、本田は今季開幕戦からマシンをホンダのCRF150RⅡに乗り換えて参戦していたが、今大会よりヤマハのYZ85LWにマシンを変更して参戦する。2ストロークマシンを駆る本田と、4ストロークマシンで戦う川井、特徴の異なるマシンによるバトルも見どころになるだろう。

さらに、第2戦では#3箕浦未夢(TEAM ITOMO/ホンダ CRF150RⅡ)が、第3戦では#10楠本菜月(ホンダ CRF150R)が川井と本田に続いて表彰台を獲得した。実力が拮抗する3番手争いを誰が制すのか、こちらも目が離せない。

IB OPENクラス

拮抗するトップ争い、次なる勝者は誰か

IAクラスへの昇格をかけて競い合うIB OPENクラスは、トップの顔ぶれがレースごとに異なる混戦ぶりで、今大会も実力伯仲の戦いが予想される。中でも注目は#5松岡力翔(SP忠男広島/ヤマハ YZ250F)だろう。彼は第2戦のヒート2で初優勝を果たすと、第3戦のヒート2でも勝利を収めた。唯一2大会連続で優勝しているライダーであり、スタートで出遅れたとしても追い上げてトップに絡む強さは群を抜いていると言えるだろう。

また、第2戦ヒート1で初優勝を飾った#53箕浦来輝(TEAMITOMO/ホンダ CRF250R)や、第3戦ヒート1で1位を獲得した#13榊流星(WAKI Racing with BAMFY/ホンダ CRF250R)の活躍も著しい。各ライダーの実力が拮抗する中、今大会では誰が勝つのか。勝負の行方は最後まで見逃せない。

第4戦(6/1〜2)

◾️D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ2024 第4戦SUGO大会情報

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