10月31日〜11月1日の2日間、D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2026第9戦 第64回MFJ-GPモトクロス大会が、宮城県村田町のスポーツランドSUGOで開催された。シリーズ最終戦となる今大会では、公認クラスのIA1/IA2/IB OPEN/レディース(LMX)に加え、承認クラスのJX(ジュニアクロス)、CX(チャイルドクロス)、エンジョイクラス、そしてYamaha YZ125 BLU CRU Cupの全8クラスが開催された。
今大会は日の入り時間を考慮しIAクラスとIB OPENクラスのレース時間が5分短縮され、IA1とIA2は25分+1周の2ヒート制、IB OPENは15分+1周の2ヒート制、レディースは15分+1周の1ヒート制でおこなわれた。コースは今大会に向けてリズムセクションやコーナーに変更が加わり、よりスピードが乗るレイアウトとなった。路面はベストコンディションに近い一方、各所に3〜4本の深いわだちが刻まれた。
最終戦ということで、第8戦終了時点でチャンピオンが決定したIA2とIB OPENクラス以外のIA1とレディースクラスのチャンピオン争いの行方が見どころとなった。また、2026年FIMモトクロス世界選手権MXGPクラス王者のジェフリー・ハーリングスがIA1クラスにスポット参戦し、その圧巻の走りに会場は大いに盛り上がった。
D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ 2026第9戦 第64回MFJ-GPモトクロス大会
日時:2026年10月31日〜11月1日
会場:スポーツランドSUGO インターナショナルモトクロスコース(宮城県)
天気:晴れ/曇り
観客動員数:4200名
IA1
ハーリングスが2ヒートとも独走、ウィルソンは大倉を18pt差で振り切りチャンピオンに
IA1クラスには、2026年MXGPチャンピオンの#84 ジェフリー・ハーリングス(Honda HRC PETRONAS/ホンダ CRF450RW)が初来日しスポット参戦した。さらに、今季オーストラリア選手権を戦ってきた#215 中島漱也(Yamaha BLUCRU Racing/ヤマハ YZ450F)がこの大会でIA1デビュー。同じくオーストラリアから戻り、第8戦からスポット参戦を続ける#386 横山遥希(カワサキプラザ鳥栖&グリーンシャドウ/カワサキ KX450)の存在も大きく、熾烈なトップ争いが展開された。。タイトル争いは、ランキング首位の#2 ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY RACING TEAM/ヤマハ YZ450FM)を、#1 大倉由揮(Honda Dream Racing Bells/ホンダ CRF450R)が17pt差で追う状況で迎えた。


ヒート1、ハーリングスがホールショットを奪うと、その後ろにウィルソン、大倉、横山、中島と続く。#3 大城魁之輔(YAMAHA FACTORY RACING TEAM/ヤマハ YZ450FM)はスタートで出遅れ、序盤は8番手からの追い上げとなった。ハーリングスは他のライダーより1周あたり約3秒速いペースで後続を引き離し単独走行へと持ち込む。2番手争いは大倉がウィルソンの背後に迫る展開に。徐々に差を詰め、ウィルソンに仕掛ける大倉だったが、7周目に転倒して後退する。これで2番手争いはウィルソン、中島、横山に、#97 内田篤基(Team Kawasaki R&D/カワサキ KX450SR)をかわした大城が加わる4台の争いとなった。10周目、7番ポストで横山が転倒。中島がウィルソンをパスして2番手に浮上すると、大城もリズムセクションでウィルソンをかわし、終盤に中島も捉えた。ハーリングスは残り2周の時点で54秒のリードを持ちながら、なおも最速ラップを刻み続け、2位の大城に1分02秒632差をつけてチェッカーを受けた。2位大城、3位中島が入賞を果たし、中島はIA1デビューにして初表彰台を飾った。


ヒート2、ホールショットを奪ったのは#4 大塚豪太(T.E.SPORT/ホンダ CRF450R)。その後ハーリングスは1周目のうちにトップを奪い、中島も大塚をかわして2番手に浮上する。内田が大城と大塚を立て続けにパスして3番手に浮上し、大城も大塚をパス。開始7分の時点で、ハーリングス、中島、内田、大城、大塚、大倉、ウィルソンの順で続いた。7周目、大城が内田をかわし3番手へ。その後ペースを上げ中島に迫ると、レース終盤に中島との攻防戦を制し2番手に浮上した。ハーリングスは11周目に自己ベストを更新し、最終的に2位の大城に1分13秒839差をつけて2ヒート目も制した。3位には中島が入賞。チャンピオン争いを繰り広げる大倉は、ハーリングスに次ぐ2分00秒451というラップタイムを刻んで中島の背後に迫ったが、0秒648届かず4位でフィニッシュ。5位内田、ウィルソンは6位でゴールした。
ランキングは、ウィルソンが697pt、大倉が679ptの18pt差でシーズンを終え、ウィルソンが2023年、2024年に続く3度目のIA1チャンピオンに輝いた。

#84ジェフリー・ハーリングス
「世界のほとんどの国に行ったことがあるけど、日本だけは来たことがなかった。今年初めて日本のメーカーで走ることになって、ホンダがAMAやMXGPのライダーをSUGOに呼びたがっているのは知っていたから、シーズンの途中には『可能ならぜひSUGOで走りたい』と伝えていたんだ。実際、来てよかったよ。SUGOのコースは美しかった。20年くらい前にここでGPがあったと聞いているけど、今はないのが本当に残念だ。土がとても良くて、フロリダの土みたいに、ひとつのコーナーに5本、6本、7本、8本とラインができる。散水も完璧で、ほこりも出ないし、滑りもしなかった。これまで走ったなかでも最高のコースのひとつだよ。日本のファンは、写真やサインを頼むときも礼儀正しくて、誠実。またいつか戻ってきたいと思うよ」

#3大城魁之輔
「最終戦でやっと、これまでやってきたことがまとまりました。スタートで出遅れてもしっかり上がってこられたし、自分の走りに集中できて、走りも結果も良かったです。ただ、これは去年の最終戦でも言った気がするんですよね。なので、去年と同じようにならないよう、今回こそシーズンオフにつなげて、来シーズンはこの良い状態からチャンピオンシップを戦いたいです。今回一緒に走った漱也(#215 中島漱也)は速いです。IA2で2回チャンピオンを取って、今年はオーストラリアで戦ってきたので、速いことに驚きはなかったです。誰であれ負けたくないですが、正直漱也は全く同じとは言えないというか、漱也には負けたくないという気持ちは強くありましたね。その中でしっかり勝ち切れて良かったです」

#215中島漱也
「初めてのIA1のレースで、当日になるまで自分がどのくらい走れるのか、正直わからなかったです。オーストラリアで走っている間も、成長できているのかずっと不安があったので、両ヒートで表彰台に立って、昔の自分との違いを結果で出せたことに、めちゃくちゃほっとしました。10分の予選でかなり体力に疲れが来たので、決勝はスプリントで勝負するより、25分間タイムを刻み続ける走りに切り替えました。この切り替えが上手く結果につながったと思います。コースは結構荒れましたけど、オーストラリアで1年走ってきたので、全く気にならなかったです。今シーズン学んできたことが生かせたと思います」

#2ジェイ・ウィルソン
「ヒート1はジェフリーといいスタートを切れたけど、無茶なリスクは取りたくなかった。バイクの上でものすごく硬くなって、緊張していて、ちょっとしたミスで転びそうな気がしていたんだ。去年のトラウマ(最終戦ヒート1で転倒しリタイア)があるから、ヒート1を終えたときはほっとしたよ。ヒート2はスタートがあまり良くなかったけど、前に由揮(#1 大倉由揮)を見つけて、無理なパスや攻撃的な走りはしたくなかったから、ほとんど彼の後ろについて走った。今季の中でも良くない走りだったと思うけど、タイトルを獲るという一番の目的を達成するためだった。今シーズンはこれまでで一番難しいシーズンのひとつだった。これまではスピードやフィットネスで戦えたけど、今年は怪我もあったから、レースや選手権の運び方を意識しながら”経験”で戦ったよ。正直、かつてのように圧倒したシーズンではなかったし、ミスを最小限にして、できるだけ表彰台に残り続けることで、チャンピオンシップを組み立てた。自分が一番速いと感じられるような勝ち方じゃないし、こういうレースの仕方は好きじゃない。でも、たくさんの障害や悔しさを抱えた1年だったから、ヤマハファクトリーレーシングでの最後をチャンピオンで締めくくれたのは良い終わり方だと思う。
2021年に日本に来てから5年、ライダーとしても家族としてもすごく成長できたし、日本の文化や人々からたくさんのものを得た。何より、日本のファンが世界のなかで最高のファンだということ。とても情が深くて、いつも親しい友達みたいに接してくれる。言葉も話せないまま移り住んだのに、ファンと素晴らしい関係を築くことができたのは本当に特別なことだと思う。僕と家族を迎えてくれた日本のみんなに感謝を伝えたい」
IA2
柳瀬大河が両ヒート優勝、年間14勝でシーズンを締めくくる

IA2クラスは第8戦で#51 柳瀬大河(Honda Dream Racing/ホンダ CRF250R)がチャンピオンを決めた。ヒート1、ホールショットは#122 鴨田翔(Kawasaki PLAZA 東大阪/カワサキ KX250)。柳瀬は2番手でヨーロピアンセクションに入り、鴨田のアウトから並びかけると、7番ポストでインを奪ってトップに浮上する。1周目は柳瀬、鴨田、#56 森優介(Team ITOMO with オフロードピット那須/ホンダ CRF250R)、#53 福村鎌(TeamSBE/スズキ RM-Z250)、#48 渡辺陵(BLUCRU Team Pitin with M:F/ヤマハ YZ250F)の順でレースは進む。渡辺は2周目に福村をパスし、鴨田、森、渡辺の3台が2番手を争う。ヨーロピアンセクションで森が鴨田をかわすと、10番ポストで鴨田が抜き返し、最終ターンでは渡辺が森のインを突く。抜きつ抜かれつのバトルの末、レース中盤に渡辺がヨーロピアンセクションで鴨田と並び、2番手を奪った。その間に柳瀬はリードを広げてゴール。2位渡辺、3位鴨田という順位でフィニッシュした。


ヒート2、ホールショットを奪ったのは、今季IAに昇格したルーキーの#05 外間大詩(T.E.SPORT/ホンダ CRF250R)。その後ろに鴨田、柳瀬が続き、柳瀬は1周目のうちにトップを奪う。序盤で2番手の鴨田がミスにより4番手に後退。渡辺が2番手、森が3番手に上がる。スタートで出遅れた横澤は追い上げると、森をかわして3番手に浮上する。柳瀬がトップを快走する一方、2番手を走っていた渡辺はファイナルラップでミスを喫し、その隙に横澤が2番手を奪取。柳瀬が他を圧倒し今季14勝目を獲得。2位横澤、3位渡辺でレースを終えた。

#51柳瀬大河
「チャンピオンシップのプレッシャーがないだけで、いつも通りレースに挑みました。ハーリングス選手が来ていたので、IA1のラップタイムや自分との差もシンプルに気になっていたので攻めて走りました。今年からチームが変わり、このような体制で走らせてもらえるようになって、今まで以上にトレーニングも練習もしてきたことがチャンピオンという結果や今の走りにつながっていると思います。今回のコースはわだちがかなり掘れていましたけど、わだちは好きで、得意な方だと思っているので、ネガティブなイメージはなかったです。この2日間を通して全体的にライディングの調子が良かったですし、最後を優勝で終えることができて良かったです」

#48渡辺陵
「最終戦は勝ちたくてやってきたんですけど、予選でやらかしてしまって、グリッドも悪くて、スタートもまた失敗してしまいました。ヒート2は最終ラップまで2位を走っていましたが、後半ミスが目立ってしまって、横澤選手にプッシュされて3位。こんな終わり方か、っていう感じですね。来年は優勝してチャンピオンを取れるように頑張ります」

#240横澤拓夢
「今シーズン新しいバイクに乗り換えて、簡単にいくとは思っていなかったけど、思ったよりも苦労しました。最近表彰台に乗れていなかったので、地元に近い場所でここ(表彰台)に立ててほっとしています。最後は諦めちゃだめだと思って全力でプッシュしたら、棚ぼたですけど2位に上がれました。今年は引退するライダーが多いですけど、僕はIAに上がって12年、まだ花は咲かせられていないけど、諦めたら終わりだと思うので、まだまだ走りたいと思います」
IB OPEN
清宮伊織が初優勝、チャンピオン・外間匠を抑えて総合優勝を獲得
IB OPENクラスは、第8戦終了時点で#69 外間匠(T.E.SPORT/ホンダ CRF250R)がチャンピオンを決定した。

チャンピオンが勝利数を伸ばすのか、それともライバルがそれを抑えるのか、注目が集まる中迎えたヒート1。#4 鎌倉大樹(レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ450F)がスタートで前に出ると、同じく好スタートを決めた#2 藤本琉希亜(ウイリー松浦 with AXIS/ヤマハ YZ250F)がトップに立つ。しかし#62 今岡 陸駆斗(Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS/カワサキ KX250)がすぐにトップを奪取。鎌倉、#66 永澤匠真(YSP浜松 with BABANASHOX/ヤマハ YZ125)、#17 長崎有優(Kawasaki PLAZA 盛岡 TKM motor sports/カワサキ KX250)の順で1周目を通過する。チャンピオン・外間はスタートで出遅れたが、周回を重ねるごとに差を詰めると、レース終盤に今岡を捉えて猛プッシュ。ラスト1周は2台横並びの接戦となり、両者最後まで攻防戦を繰り広げるが、最終ラップで外間が今岡をかわし0秒641差でチェッカーを受けた。2位今岡、3位には#17 長崎有優(Kawasaki PLAZA 盛岡 TKM motor sports/カワサキ KX250)が第8戦に続いて入賞を果たした。

ヒート2は#1 酢崎 友哉(成田MXパーク アシタプランニングMS/カワサキ KX450)がホールショットを獲得しレースをリード。長崎がその背後に迫り、1周目からトップ争いが始まる。さらに後方でも表彰台争いが混戦になる中、#67 清宮伊織(レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ250F)抜け出し酢崎に迫る。2周目に僅差まで接近すると、酢崎をパスしてトップに浮上。#14 菊池慶太朗(TeamNFS-HondaDream Hokkaido Block/ホンダ CRF250F)も抜け出して2番手につけた。3番手争いは酢崎、長崎、#57 木村優希(TeamPowerBand/カワサキ KX250)、#10 工藤博ノ介(TKM motor sports/カワサキ KX250)と4台拮抗する。レース終盤、清宮がリードを保つなか、木村が菊池をかわして2位に浮上。さらに3位には表彰台争いを抜け出した#70 福田龍人(T.E.SPORT/ホンダ CRF250R)がつき、そのままの順位でゴール。清宮は自身初優勝を獲得、福田は自身初表彰台を獲得した。

#67清宮伊織
「シーズン中は怪我をしては治っての繰り返しで、第8戦前にはオフロードビレッジで転んで肋骨を折ってしまい、今も少し痛いですが、もう気合で出るしかないと思って最後まで走り切りました。ヒート1はスタートで出遅れて、追い上げて調子がいいと思っていたところで転んでしまって、そこからペースが上がりませんでした。ヒート2は気持ちを切り替えて、スタートでそこそこ前に出ることができて、いけると思って走りました。IBでトップを走るのが初めてで、すごく緊張して、途中エンストもして少し焦りましたが、後ろを離すことだけを考えていました。来年はIAのルーキーになるので、まずは先輩たちに離されないように走りたいです」

#69外間匠
「ずっと来年IAに昇格しても通用する走りができるように考えてやってきたので、勝ちはもちろん、どれだけタイムを出せるかを意識して臨みました。IAのトップライダーとは実際まだまだ差もあって、自分に足りないところが多すぎると思いました。また、今回は自分の中で納得のいく走りができませんでした。わだちがは本来得意で、今回のコースも得意なはずなのに、気持ちが前に行きすぎたのか、空回りして苦戦してしまいました。ヒート1で今岡選手を追いかけていたときは、正直無理だと思って諦めそうになったんですけど、レースを進める中で段々自信が上がってきて、自分の方がだいたい何秒速いかはわかっていたので、仕掛けて最終的に勝ち切れて良かったです。来年はIA2に上がります。IA1年目は、だいたいみんな予選通過とかを目標にすると思うんですけど、僕はルーキーでも本当に勝ちに行こうと思っています。オフシーズンはまたアメリカに行こうと思っています。来年の開幕ではオフシーズンにやってきたことを全部出し切ります」

#70福田龍人
「IB1年目なんですが、怪我をしていて、前回の第8戦からレースに復帰しました。土曜日の練習走行は14番手くらいで、予選も一度2番手に上がったのにすぐ転んで7番手に戻ってしまって厳しさを感じていました。ヒート2はスタート6番手くらいから、途中でスピードが出なくて何人かに抜かれたんですけど、わだちは得意なので、イン側に入ったりジャンプで抜いていきました。表彰台が初めてだったので、シャンパンの開け方もわからなかったですが、みんながおめでとうと言ってくれて、めちゃめちゃうれしかったですし、今回の結果が自信になりました。来年もIBで頑張ります!」

#57木村優希
「1日目の練習から2番手のタイムで良い走りができていたんですけど、ヒート1はスタートで出遅れて追い上げのレースになり、納得のいく走りができませんでした。ヒート2はスタートから前に出ようと思っていたんですけど、また出遅れてしまって、出た時点では14番手くらいに埋もれていました。でもいつもより冷静に対処できて、1周目でトップ集団に追いつけました。2番手、3番手あたりは何台も固まっていたんですけど、負けたくないといつもなら引くところでも、タイヤ1本分ラインが空いたらそこに入るように攻めて走りました。プッシュするポイントでしっかり抜き切れて、今年一番良い走りができて良かったです」

#62今岡陸駆斗
「ヒート1はホールショットを獲れたと思ったら、インから抜かされたのですが、トップに立つことができました。思うように走ろうとしすぎて、逆にだんだんペースが落ちてしまって、最後に抜かれてしまいました。外間選手が来るのはわかっていたのですが、トップ争いをしている時は焦ってがむしゃらに開けることが多くて、ラインも上手く防ぐことができなくて。同じ場所で2回抜かれてしまいました。第8戦で左肩を痛めてからずっと練習できていなくて、ヒート1は走っている間は痛くなかったですが、ゴールしたら痛みが出て、ヒート2はだいぶ痛みを感じながら走りになってしまいました。シーズンを振り返ると、悪かったレースも多いけど、北海道で2ヒートとも勝てたので良かったです」
レディース(LMX)
川井麻央が今季8勝目でチャンピオンを決める
15分+1周の1ヒート制でおこなわれたレディースクラス。シリーズは開幕戦から第7戦まで#1 川井麻央(T.E.SPORT/ホンダ CRF150RⅡ)が7連勝し、前戦の第8戦で#14 川上真花(YSP浜松 BOSS RACING/ヤマハ YZ85LW)が優勝し、その連勝記録を止めた。ランキングは川井が273pt、川上が257ptと、16pt差で最終戦を迎えた。


スタートは川上、川井ともに良い反応を見せたが、混戦を抜けてトップに立ったのは#2 箕浦未夢(Team ITOMO/ホンダ CRF150RⅡ)、そして#33 本田七海(TEAM KOH-Z/ヤマハ YZ85LW)が2番手に続いた。川井はすぐに挽回し、1周目を箕浦に次ぐ2番手で通過すると、2周目で箕浦をかわしてトップを奪う。川上も箕浦のインを突いて2番手に浮上し、本田は3番ポストで箕浦をパスして3番手に上がった。スタートから7分の時点で、トップ2台の差は2秒1。川上がベストラップで上回ることもあったが、川井はレース中盤に2分18秒台のベストラップを刻んでその差を広げる。最終的に川井がリードを保ってゴール。2位川上、3位本田でチェッカーを受け。川井は今季8勝目を獲得し、チャンピオンを決めた。

#1川井麻央
「結果だけ見れば勝ちをいっぱい取っているから簡単だろうと思われるかもしれないけど、勝つためにしんどいこともいっぱいあって、そんなに簡単ではありませんでした。チャンピオンだと、勝って当然じゃないかというプレッシャーがあって、特にメンタル面で大変な部分がたくさんありました。最終戦はある程度の成績を出せばチャンピオンが獲れることはわかっていたけど、そんなダサい走りはしたくなかったので、勝ちだけを狙っていました。昨日も今日もちゃんと勝負して、後ろから抜いて勝てたのがうれしいです。今年は雨が多くて、キャブのセッティングでメカニックにすごく助けられました。たくさん注文してしまう時もありましたが、今日は文句なしのバイクで走れて、感謝しています」

#14川上真花
「今シーズンはすごく勉強になって、第1戦から第9戦までで自分はすごく速くなったんじゃないかなと思います。今日は難しいコンディションで、練習から良いタイムが全然出ませんでした。今回はしっかり負けという言葉が自分に合っているので、シーズンオフにしっかり練習して、2027年にチャンピオンになれるよう頑張ります」

#33本田七海
「今年は本当に厳しいシーズンで、すごくたくさんの方に応援してもらったんですけど、一勝もできず、本当に申し訳ないと思います。悔しいですが、こうやって最後まで怪我なくレースができたのは、たくさんのスポンサーの方のおかげです。最後まで応援ありがとうございました」
JX(ジュニアクロス)
齋藤極がトップを譲らず圧勝

公式練習からトップに立っていた#4 齋藤極(ヤマハ YZ85LW)が、決勝でもスタートから前に出て、周回ごとにリードを広げる。一方、序盤2番手を走っていた#555 MEPEW THANAWAT(カワサキ KX85)はレース終盤で後退。10分+1周という時間のなか、7番手あたりから怒涛の追い上げを見せた#94 阿部哲昇(ハスクバーナ TC85)が2位に浮上する。しかし齋藤との差は大きく、そのままフィニッシュ。齋藤が優勝を獲得し、後方に33秒320差をつけて他を圧倒する強さを見せた。2位阿部、3位には#2 熊谷夏空(ホンダ CRF150RⅡ)という順位でレースを終えた。
エンジョイクラス
目黒結翔が他を寄せ付けずで優勝

出場ライダーの年齢の幅が広いエンジョイクラス。スタートで14歳の#21 目黒結翔(TEAMSAKURAIHONDA/ホンダ CRF250R)が前に出ると、#41 大内健八(城北ライダース/ホンダ CRF450)、#7 大塚忠和(Team POWER BAND/ヤマハ YZ450F)が続く。目黒が後続を引き離すなか、大内は2周目に転倒して4番手に後退し、大塚が2番手に上がる。3番手以降は4台ほどが表彰台を争う混戦に。しかし、レース終盤に転倒から追い上げる大内が3番手の#22 安孫子直樹(KISARAZU BASE with IDF/ホンダ CRF250R)をパスし再び表彰台の座を奪う。目黒も終盤に単独で転倒したが、すぐに復帰し、トップを譲らずゴール。2位大塚、3位大内でフィニッシュとなった。
Yamaha YZ125 BLU CRU Cup
ゲスト参戦の富田俊樹を伊良皆龍翔が追う


12分+1周の7周で争われたYamaha YZ125 BLU CRU Cupには、ゲストライダー(賞典外)として#317 富田俊樹(Blue Lab./ヤマハ YZ125)が出走した。好スタートを決めたのは富田だったが、#14川上真花(YSP浜松 BOSS RACING/ヤマハ YZ125)がそれを抑えてトップで大坂を駆け上がり、1周目は川上、#25 伊良皆龍翔(ヤマハ YZ125)、富田の順で通過する。2周目に入ってすぐ伊良皆が川上をかわしてトップに立つと、富田も川上をパスして2番手に浮上。川上はマシントラブルとみられる症状でポジションを落としリタイア。一方、富田は伊良皆を捉えてトップに立つと、富田、伊良皆、その後方に#189 齋藤輪(CLUB Mr-BIKE/ジュニアベルズ/ヤマハ YZ125)が追う展開となった。富田が5秒900差で最初にチェッカーを受け、リザルト上の優勝は伊良皆、2位齋藤、3位には#15 浅井大翔(YSP浜松BOSSRACING/ヤマハ YZ125)が入賞した。
CX(チャイルドクロス)
松本有生と伊良皆康喜が巧みなラインどりで差をつける


8分+1周で走るチャイルドクロスは、排気量50cc以下の国産4ストロークエンジンバイクで競うAクラスと、外国メーカーの2ストロークエンジン車両に加えていくつかの許可された電動モトクロッサーで走るBクラスの混走で行われる。今大会は18台が出走。そんな中スタートから先頭を走ったのはBクラスの#15 伊良皆康喜(GASGAS E5)。その後ろに#27 田中悠惺(Team Pitin/スズキ DRZ50)、#23 松本有生(T.E.SPORT/ホンダ CRF50F)が続く展開となった、#25 齋藤光志(TKS&かもん小池/スズキ DR-Z50)も追い上げる。伊良皆がミスによりポジションを落とすと、田中がトップに浮上。荒れた路面や深い轍に苦戦するライダーが多い中、冷静なラインどりでペースを上げる松本がレース中盤に田中をかわしてトップを奪った。レース後半は周回遅れのライダーが次々に現れるが、松本はラインを変えながら1台ずつ処理していく。結果Aクラスは松本、Bクラスは伊良皆が優勝を獲得した。
全9戦を終え、2026年シーズンは閉幕した。チャンピオンは、IA1がジェイ・ウィルソン、IA2が柳瀬大河、IB OPENが外間匠、レディースが川井麻央。IA1のタイトル争いは最終戦の2ヒートまでもつれ、ウィルソンがヤマハでのラストレースでリードを守り切った。IA1デビュー戦で両ヒート表彰台に上がった中島漱也をはじめ、来季に向けた手応えを示したライダーも多い。2027年シリーズの日程は、決まり次第発表される。
