D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ2022第2戦 関東大会 腕時計専門店ベルモンドCUPが5月14日(土)、15日(日)に開催された。
会場となった埼玉県のウエストポイントオフロードヴィレッジはタイトターンと直線が連続するテクニカルかつダイナミックなコースで、コース自体がコンパクトなのでレース展開がわかりやすく、モトクロスファンには人気の高いコース。首都圏からのアクセスも良く、今回も多くのファンが会場に詰め掛けた。
HSR九州での開幕戦ではIA-1、IA-2クラスでヤマハ勢が強さを見せつけたが、もちろんライバル勢も黙っちゃいない。各クラスで繰り広げられたアツいバトルを振り返る。
IA1
Heat1 : 猛追する#3能塚智寛を#8星野優位が振り切って久々の優勝
絶妙なスタートでホールショットを奪ったのは、#8星野優位(bLU cRU Racing Team TAKA/STAR Racing166・ヤマハYZ450F)マハYZ450F)。2番手には#22大城魁之輔(Honda Dream Racing Bells・ホンダCRF450R)、3番手に大城のチームメイトの大倉由揮が続く。開幕戦でダブルウィンを決めた#2富田俊樹(YAMAHA FACTORY RACING TEAM・ヤマハYZ450 FM)は1コーナーの混乱に飲まれて転倒し、最後尾にまで順位を下げてしまった。2番手の大城はオープニングラップで星野との距離を詰めるが、フィニッシュラインの手前で転倒してリタイヤとなってしまった。3番手は富田のチームメイトの#4渡辺祐介で、わずかの差で#5小方誠(TEAM HAMMER・ホンダCRF450R)が続く。レースが中盤に差し掛かると渡辺と小方に#3能塚智寛(Team Kawasaki R&D)が追いついて激しい3位争いが繰り広げられる。能塚は7周目のメインスタンド前で小方のインを突いて4番手に浮上し、前を行く渡辺にも急接近。9周目のウォースペイントジャンプで渡辺をパス。ラストラップのターン1では大倉をもかわしてトップの星野を猛追。だが星野も冷静さを失わず、能塚の再三のアタックをしのぎ切って優勝を飾った。「最後に(能塚選手に)差を詰められましたが、自分のペースも決して悪くはなかったので焦りはありませんでした」(星野選手)
Heat2 : スタートを決めた#2富田俊樹が今季4勝目を決める
スタートで飛び出したのは#6小島庸平(Bells Racing・ホンダCRF450R)と小方誠(TEAM HAMMER・ホンダCRF450R)の両ベテラン。だが直後のターン1で富田がイン側のラインを使い、ベルモンドジャンプを一番に駆け上がる。能塚も富田を逃がすまいと、すぐさま2番手に上がり、小方は3番手の位置で2周目に突入する。3周目には富田と能塚の差が縮まるものの、富田もさらにペースアップしてその差を広げにかかる。滑りやすくトリッキーなコースで、富田はほぼミスのない走りを見せ、レース中盤以降は2番手能塚との差をじりじりと広げていくと、8周目にはベストラップを記録して優勝。2位は能塚で、3位は小方。大城は4位、5位に小島が入った。「ヒート1は序盤で大きく遅れてしまいましたが、このヒート2ではスタート直後のターン1をうまく処理できてトップに立つことができました。トップに立ってからも冷静さを保って走り、理想的な展開のレースになりました」(富田選手)
Heat3 : 序盤でトップを奪った#5能塚智寛が今季初勝利
大城がホールショットを決め、ヒート1を制した星野が続く。能塚が3番手、富田が4番手でオープニングラップを終える。2周目には富田が能塚をかわすが、能塚はターン9で富田を刺し返す。3周目のターン8で能塚は星野のインに飛び込んで2番手に浮上し、富田もハイペースで逃げる能塚を追うべく星野をパスする。レースが中盤から終盤にさしかかると大城と能塚、富田の差は縮まり、7周目のターン8から9にかけ、能塚が一気に大城を抜き去った。富田も大城をかわして能塚を追走。富田は各ポイントで能塚の隙をうかがうが、能塚も冷静に対処して富田の先行を許さない。両者のバトルは最終ラップにまでもつれ込んだが、能塚は富田の執拗なアタックをしのぎ切り、今季初勝利。3位は大城、4位に小方、5位は星野の順となった。「ヒート3のスタートは、今回のレースの中で一番上手く決まりました。このコースの場合、特にスタートが大事で、序盤に前に出なければなりません。もっとスタートの精度を高めないといけませんね」(能塚選手)
IA2
Heat1 : 転倒後に見せた#16ジェイ ウィルソン劇場
開幕戦でトリプルクラウンを決めた#16ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY RACING TEAM・ヤマハYZ250 F)。今回も圧倒的な速さを見せるかと思われたが、スタートで出遅れて後方集団に飲み込まれる。さらに2周目のターン1でも転倒して14番手にまで順位を落としてしまった。トップはホールショットを決めた#11鴨田翔(BLITZ・カワサキKX250F)で、#18福村鎌(Team SBE・スズキRM-Z250)、#21浅井亮太(bLU cRUフライングドルフィンサイセイ・ヤマハYZ250F)、ルーキーナンバーの#05田中淳也(bLU cRU YSP浜松/BOSS RACING)が2番手争いを展開する。順位を大きく落としたウィルソンだったが、その後はまさにウィルソン劇場。圧倒的なスピードで前を行くライダーを次々とパスすると、レース中盤には2番手にまで浮上し、トップを走る鴨田との差をみるみる縮めていく。そして15周目のターン7でついに鴨田とらえる。鴨田も食い下がるがミスにより失速し、その間にウィルソンは一気に差を広げ、終わってみれば鴨田に4秒以上の差をつけての圧勝だった。
Heat2 : 圧倒的スピードで出遅れを挽回したウィルソン
#9鈴村英喜(TEAM HAMMER・ホンダCRF250R)、鴨田の順でターン1を立ち上がる。3番手には#7西條悠人(ピュアテックレーシング・カワサキKX250)が続く。ウィルソンはスタートで大きく出遅れ、オープニングラップは10位で通過。レース中盤、鈴村と鴨田の差は接近し、3番手の西條もいいペースで上位2名を追走。だがウィルソンは誰よりも速いペースでじわじわと順位を上げていく。9周目には1分35秒台というファーステストラップを記録し、レースが終盤に差し掛かるころには2番手にまで浮上して鈴村に急接近。そしてターン5の飛び込みで鈴村をかわしてトップに立つと、ペースの上がらない鈴村との差を一気に開き、開幕5連勝を飾った。3位は西條で、鴨田はウィルソンにかわされた直後の転倒でリタイヤとなった。「ヒート1はクラッシュもあり、フラストレーションが溜まるレースでした。コースは硬くて滑りやすいトリッキーな状態でしたが、勝つことが出来て良かったです。今日のレースは疲れました」(ウィルソン選手)
IB-OPEN
Heat1 : スポット参戦の#74近藤 祐介がマディのレースを制した
#74近藤祐介(レーシングチーム鷹・ヤマハYZ450F)がホールショットを決めると序盤から積極的にプッシュして後続との差を開く。オープニングラップを終えた順位は近藤がトップで2番手に#13西岡蒼志(讃岐白馬会with NEUTRAL・ヤマハYZ250F)、3番手に#4佐藤力(TKM motorsportsいわてwith B! COOL・ホンダCRF250R)と続く。トップと2番手はそれぞれ独走状態となったが、その後方では3番手争いが激化。迎えた6周目、一時は6番手にまで順位を落としていた#49高橋輝(WITCH CRAFT・ヤマハYZ250F)が#51井上虎汰朗(レーシングチーム鷹・ヤマハYZ250F)、佐藤をかわして3番手に浮上した。その間上位2台は順調にラップを重ね、近藤は2位の西岡に13秒以上の差をつけて堂々の優勝を飾った。「レースに復帰してからはドライでしか練習していなかったので少し不安でした。今日は勝てましたが、決して納得できる走りではなかったですね。明日のヒート2もがんばります」(近藤選手)
#74近藤祐介(レーシングチーム鷹・ヤマハYZ450F)がホールショットを決めると、序盤から積極的にプッシュして後続との差を開く。オープニングラップを終えた順位は近藤がトップで2番手に#13西岡蒼志(讃岐白馬会with NEUTRAL・ヤマハYZ250F)、3番手に#4佐藤力(TKM motorsportsいわてwith B! COOL・ホンダCRF250R)と続く。トップと2番手はそれぞれ独走状態となったが、その後方では3番手争いが激化。迎えた6周目、一時は6番手にまで順位を落としていた#49高橋輝(WITCH CRAFT・ヤマハYZ250F)が#51井上虎汰朗(レーシングチーム鷹・ヤマハYZ250F)、佐藤をかわして3番手に浮上した。その間上位2台は順調にラップを重ね、近藤は2位の西岡に13秒以上の差をつけて堂々の優勝を飾った。「レースに復帰してからはドライでしか練習していなかったので少し不安でした。今日は勝てましたが、決して納得できる走りではなかったですね。明日のヒート2もがんばります」(近藤選手)
Heat2 : #74近藤 祐介がDAY-1に続いて独走勝利を飾る
ヒート1同様、近藤祐介がまたもや抜群のスタートですぐさまトップに立つと、オープニングラップから一気に後方との差を開く。ヒート1で2位の西岡蒼志はスタートでやや出遅れ、オープニングラップは5番手で通過、次の周では前を行く#20鈴木颯(TEAM鈴木兄弟商会・スズキRM‐Z250)、#23千葉蓮希(T.E.SPORT・ホンダCRF250R)、#79鎌倉大樹(レーシングチーム鷹・ヤマハYZ450 F)をパスして2番手に浮上する。だが近藤のペースはライバルを圧倒しており、その差は時間の経過とともにどんどん開いていき、2位以下に14秒以上もの差をつけてぶっちぎりの2連勝。「コースは昨日とはうってかわってベスコンでした。前半から攻めて走ったら腕が上がってしまったんですが、なんとかペースを保って勝つことが出来ました」(近藤選手)。西岡はヒート1の2位でポイントランキングトップに浮上しており、このヒートでポイント差をさらに広げた。3位は#5齋藤銀汰(野田ジュニアRC・ヤマハYZ250F)。
LMX
#4小野彩葉が得意とするオフロードヴィレッジを制して2連勝
#27畑尾樹璃(TEAM HAMMER・ホンダCRF150)がホールショットを決め、開幕戦勝者の#4小野彩葉(T.E.SPORT・ホンダCRF150)が2番手につける。小野はターン4で畑尾をかわしてトップに浮上すると、その後は圧倒的なスピードで独走状態を築き始める。2年連続チャンピオンの#1川井麻央(T.E.SPORT・ホンダCRF150)は3周目のウォースペイントジャンプで畑尾をとらえて2番手に浮上するが、朝の公式練習で最速のタイムを記録していた小野との差はどんどん広がっていった。そして6周目、川井はターン4で転倒を喫し、順位を大きく下げてしまう。小野は最後まで集中を切らさず走り切り、終わってみれば10周のレースで後続に21秒もの差をつける圧勝。2位は#5楠本菜月(actionracing with alphathree・ハスクバーナTC85)で、3位は畑尾という結果となった。「オフロードヴィレッジは地元なので自信はありました。後半は少しバタバタしてしまいましたが、いいペースが刻めたと思います。次の菅生も好きなコースなので、自信を持ちつつ、気を抜かずに冷静に走りたいです」(小野選手)
JX
#10吉田琉雲が独走で優勝
1コーナーに真っ先に飛び込んだのは#910工藤博ノ介(TKM motorsportsいわて・ホンダCRF150R)。だが、すぐさま#42川上真花(bLU cRU YSP大阪箕面・ヤマハYZ85LW)がトップに立つ。首位の川上は序盤でややリードを築くものの、2番手に浮上した#10吉田琉雲(MX-build・ガスガスMC85)が猛然とプッシュ。4周目には1分26秒台のファーステストをたたき出して川上をパス。吉田はトップを奪った後もペースを緩めず、独走でチェッカーを受けた。川上は2位で、3位は#55高木碧(レーシングチーム鷹・ヤマハYZ85)という結果となった。吉田は表彰台で「途中で転んでしまい、その後もミスが多かったけど何とか勝てました。この調子で次戦も勝ちたいです」とコメントした。
K65
#66永澤匠真が大混乱のレースを制する
ホールショットを奪ったのは#25伊良皆龍翔(ガスガス・MC65)。2番手に#66永澤匠真(ヤマハ・YZ65)、3番手に#83江藤彪之介(★MOTION RACING★・ヤマハYZ65)が続く。伊良皆は後続を引き離しにかかるものの、3番ポストにできたぬかるみでスタック。後方の永澤は伊良皆に接触して停止し、3番手以降のライダーも前方をふさがれてしまう。この混乱を最初に抜け出したのは永澤で、#110岡野煌己(ヤマハYZ65)が2番手に浮上。#926目黒愛翔(ハスクバーナTC65)も3番手にジャンプアップする。トップを走る永澤はハイペースで後続を引き離し、後続に37秒もの差をつけて優勝。2位は追いすがる目黒をしのぎ切った岡野で、伊良皆はラストラップでファステストラップを刻んで追い上げるものの、表彰台にはあと一歩及ばなかった。
CX
#66福沢悠人が追いすがる#881齋藤颯天を引き離す
チャイルドクロスには15人がエントリー。#488佐藤心弥(KTM50SX)がスタートで飛び出し、オープニングラップを1番手で戻ってくる。だが2周目に佐藤は転倒し、かわって#881齋藤颯天(野田ジュニアRC・ヤマハTT-R50E)がトップに躍り出る。3周目には#66福沢悠人(スズキDR-Z50)が2番手に上がり、トップ齋藤との差を徐々に詰め、6周目に齋藤をとらえてトップに躍り出る。レース終盤、齋藤も必至で追い上げるものの、福沢との差を詰め切ることはできなかった。序盤の転倒で5番手まで順位を落とした佐藤は3位(CX-B 1位)でチェッカーを受けている。
JMX R2 大会詳細情報