タイムアタック予選に15分+1周(IA1)。試されるのは純然たるスプリント力

D.I.D JMX 2023 R2 腕時計のベルモンドCUP 観戦情報



全日本モトクロス選手権は開幕の九州から、埼玉県オフロードヴィレッジへ舞台を移し「腕時計のベルモンドCUP」として開催される。例年、普段の同コースとは異なって路面は掘り起こされるため轍は深く刻まれ難易度は高く、また巨大なジャンプや珍しいフラットコーナーが設定されるなど様々な趣向が凝らされることで知られており、全日本スペシャルのオフロードヴィレッジがレース展開にどう影響するかも見どころだ。また、この第2戦は予選ヒートをおこなう通常のレース進行ではなく、AMAなどと同様の公式練習におけるタイムアタックで予選がおこなわれる。レースに有利なラインと、タイムアタックに有利なラインは違うと言われており、この「腕時計のベルモントCUP」を制するには、そのどちらにおいても全力を尽くすことが求められる。一切の妥協を許さず、全力でアタックするライダー達の姿をぜひチェックしてほしい。

IA1

期待をかけられる能塚智寛

今大会も開幕戦に続き15分+1周の3ヒート制で、スプリント力が試されるラウンド。開幕ではIA1クラスにスイッチしたばかりの#27 ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM / YZ450F)が3ヒートを圧勝。特にそのスタートにおける安定感は群を抜いており、ライバルにとっては好条件のグリッドを獲得することが、ウィルソンを打破する必須条件になりそうだ。

まず、期待がかかるのは、熊本でもウィルソンの前を走った#2 能塚智寛(Team Kawasaki R&D / KX450-SR)である。ヒート2ではウィルソンよりも1秒も速いファステストラップを記録しており、開幕から走らせているプロトタイプのKX450SRも順調な仕上がり。また、同じくカワサキの#8 内田篤基(Yogibo マウンテンライダーズ / カワサキ KX450)は自身最高位の2位を獲得しており、上り調子の様子。 #4 大城魁之輔(Honda Dream Racing Bells / CRF450R)もスタートで食らいついていけば、ウィルソンに土を付けられる可能性がある。なお、昨年のチャンピオン#1 富田俊樹(YAMAHA FACTORY RACING / YZ450FM)は、開幕で「準備不足」とのコメントを発しているだけに、この関東ではしっかりマシンとフィジカルを整えて万全の体制で巻き返しを図るはず。

IA2

拮抗する実力、戦力図がはっきりする第2戦

圧倒的な速さで開幕をパーフェクトウィンで飾ったウィルソンがいるIA1とは対照的に、IA2のトップ陣は実力が拮抗している。その証拠に開幕戦では、全3ヒートともに違うライダーが表彰台の頂点に立ち、さらにはその全員が自身初優勝であった。この「腕時計のベルモンドCUP」では、30分+1周の2ヒート制でおこなわれるIA2クラス。スピードだけでなく、タフさも問われることになる。

開幕のヒート1で勝利を飾ったのは#8 西條悠人(ピュアテックレーシング / カワサキ KX250)。トップを走ったことが無く、若干走りが硬くなってしまったと吐露しており、第2戦での飛躍が期待される。ヒート2は#4 中島漱也(bLU cRUレーシングチーム鷹 / ヤマハ YZ250F)が前走者をパスして勝利をもぎ取る走りを見せている。不気味なのはヒート3の勝者である#58 ビクトル・アロンソ(Auto Brothers / ヤマハ YZ250F)。開幕のタイムは抜きん出ており、はまればオフロードヴィレッジでも強いはず。

レディース

強い川井が、帰ってきた

2020、2021年と圧倒的な強さでチャンピオンをものにしてきた#2 川井麻央(T.E.SPORT / ホンダ CRF150R)。今季は奪われたタイトルをいかに奪還できるかに注目が集まっているが、開幕戦で見せたスピードと勝負強さは抜群だった。ホールショットを決めた#9 箕浦未夢(TEAM ITOMO / ホンダ CRF150R)を躱したあとは、ぐいぐいと後続をリードして余裕のある勝利。さらにはこのオフロードヴィレッジこそ川井の地元、ライバル達は苦しい1戦となることだろう。

目下、その川井を打ち倒すライダーとして名前が挙がるのは#4 本田七海(bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド / ヤマハ YZ85LW)。開幕ではスタートに失敗して追い上げのレースになってしまったため、まだまだ今季の全力のほどは未知数だ。また、若手の箕浦や#7 川上真花(bLU cRU YSP大阪箕面 / ヤマハ YZ85LW)の存在感にも目を見張るものがある。


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