世界が注目した1戦は、予報外の朝イチ雷雨でマディから始まった。

予選日の朝に受けた雷雨の影響でコースはマディコンディション。決勝日はベストコンディションに回復したが、コースには深い轍やギャップが残り、ライダーたちの対応力が試された。また、今大会はHRCが開発する電動モトクロッサー「CR ELECTRIC PROTO」がIA1クラスに参戦。さらに、ドイツ出身の#81ブライアン・スー(Team YAMAMOTO/ホンダ CRF250R)がIA2クラスにスポット参戦するなど話題も多く、各レースの行方に注目が集まった。

D.I.D JMX 2023 R8 埼玉トヨペットCUP 観戦情報

IA1

トレイ・カナードvs.ジェイ・ウィルソン。白熱するバトルに波乱の展開

IA1クラスは、前大会で#27ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM/ヤマハ YZ450FM)のチャンピオン獲得が決定。今大会では未だ負けなしのウィルソンがどこまで連勝記録を伸ばせるかに期待が高まった。また、#41トレイ・カナード(Team HRC/CR ELECTRIC PROTO)が電動モトクロッサーでスポット参戦。公式レースへの実戦投入は初ということで、IA1クラスでどれほどの実力を発揮するのか、多くの注目が集まった。なお、#2能塚智寛(Team Kawasaki R&D/カワサキ KX450-SR)は土曜日の練習走行時に肘を負傷しリタイア。#11星野裕(Team SBE/スズキ RMZ450)も怪我により決勝の走行をキャンセルした。

今大会は15分+1周の3ヒート制で行われた。ヒート1ではスタートを決めたウィルソンが前に出ると、同じく好スタートを決めたカナード、#8内田篤基(Yogibo MOUNTAIN RIDERS/カワサキ KX450)、#7⼤塚豪太(T.E.SPORT/ホンダ CRF450R)が続いていく。一方、スタート直後で#6⼤倉由揮(Honda Dream Racing Bells/ホンダ CRF450R)が転倒。そこに#4大城魁之輔(Honda Dream Racing Bells/ホンダ CRF450R)と#1富田俊樹(YAMAHA FACTORY RACING TEAM/YZ450FM)も絡み、転倒した大倉はリタイア、大城と富田はリスタートし追い上げていく展開となった。レース前半はウィルソン、カナード、内田のトップ3が一定間隔を空けた状態でレースが進行。レース中盤にはカナードがウィルソンとの差を詰めていくシーンも見られたが、終盤でカナードが失速。結果1位ウィルソン、2位カナード、3位内田という順位でフィニッシュし、ウィルソンは連勝記録を19に伸ばした。

ヒート2はカナードがホールショットを獲得。ウィルソンはスタートで少し出遅れるも、すぐに2番手までポジションを上げカナードに迫っていく。オープニングラップはカナードがトップ、ウィルソンが2番手で通過。フィニッシュライン後のジャンプで横並びになる接戦を繰り広げると、ジャンプ直後のコーナーで接触し双方転倒。両者ともにポジションを一気に落としてしまう。ウィルソンはすぐさま復帰し後方から追い上げるが、カナードはそのままリタイヤとなった。2人の転倒によりトップに立ったのは、3番手を走行していた大倉。しかし、大倉との距離を詰めてきた#9星野優位(レーシングチーム鷹 / STAR Racing 166/ヤマハ YZ450F)がレース中盤に大倉をパス。その後も星野がトップを守り切り、今シーズン初となる日本人ライダーによるIA1優勝を果たした。2位には大倉、3番手には追い上げを続けたウィルソンが入賞。ウィルソンの追い上げは惜しくも届かず、連勝記録はここでストップとなった。

決勝日最後のレースとなったヒート3では、好スタートを決めたカナードがウィルソンを抑えてレースをリードしていく。しかし2周目にカナードがタイヤを滑らせ転倒。再スタートできず再びリタイアとなってしまう。これによりウィルソンがトップに浮上し、続いて大倉と内田が追いかけていく。3人の間隔は徐々に広がり、ウィルソン、大倉、内田という順位でフィニッシュ。ウィルソンは今季20勝目をマークした。

#27ジェイ・ウィルソン
「今回ヒート2で連勝記録が止まってしまったけど、トータルで言えば20勝することができたからポジティブに捉えているよ。もちろん優勝を逃したことはとても悔しい。ただ、星野選手の優勝は日本のファンにとっても自分にとっても喜ばしいことだと思う。最終戦も優勝してシーズンの良い締めくくりになるようにしていくよ」

#41トレイ・カナード
「現役を引退してから時間は経っているけど、やっぱりレースはとても楽しかった。新しいバイクにまたがってグリッドに並べたことはとても素晴らしい経験だし、とてもワクワクしたよ」

#9星野優位
「2月に股関節脱臼という大きな怪我をして、バイクに乗り始めたのは2ヶ月前で、正直不安もあったのですが、絶対気持ちだけは負けないと思って挑みました。誰もジェイさんに勝てていない中、俺が決めてやるというモチベーションで、開幕前からの8ヶ月間のリハビリを頑張ることができました。レースに戻れたのは支えてくれたみなさんのおかげです。ありがとうございます!」

#6⼤倉由揮
「ヒート1はスタート後にクラッシュしてそのままリタイアという結果で、チームの皆さんにも迷惑をかけてしまったので、ヒート2はしっかり結果で返したいと思って挑みました。ジェイさんとカナード選手が転倒してチャンスが見えたんですけど、自分の実力不足で負けたと痛感しています。本当に悔しいので、最終戦は勝って終われるように頑張っていきます」

#8内田篤基
「後半戦からマシンを新型に変えたことで、乗り慣れるのに時間がかかり、ここ2戦くらいは表彰台にも登れず苦戦していました。また、少し消極的な走りをしてしまっていたので、今回は積極的に攻めた走りをしようと思って挑みました。そこが上手く出せて、表彰台にも登ることができて、前半戦の勢いが戻ってきたと思えるレースでした。最終戦は今シーズン一番の走りができるように頑張ります」

IA2

スポット参戦のブライアン・スーが安定した強さで総合優勝

IA2クラスはポイントリーダーの#58ビクトル・アロンソ(Auto Brothers/ヤマハ YZ250F)とポイントランキング2位につける#5横澤拓夢(TKM motor sports いわて/ホンダ CRF250R)のポイント差が18と、チャンピオン争いは接戦となっている。また、ドイツ出身の#81ブライアン・スー(Team YAMAMOTO/ホンダ CRF250R)がスポット参戦することでトップ争いにどう食い込んでくるのか、見逃せない一戦となった。

ヒート1では好スタートを決めた#13福村鎌(Team SBE/スズキ RM-Z250)がトップを走行。その後ろを#18池田凌(Yogibo MOUNTAIN RIDERS/カワサキ KX250)、ビクトル、#9鴨田翔(Kawasaki PLAZA 東⼤阪/カワサキ KX250)が追いかけていき、スーは序盤で6番手と少し出遅れる展開となった。レース前半、2番手を走る池田にビクトルが迫りポジションアップ。続いて鴨田も池田をパスすると、レース中盤には今度はビクトルと鴨田が福村を抜くなど、順位が入れ替わる接戦に。一方、追い上げを続けるスーはレース後半に3番手まで順位を上げる。そのまま鴨田に近づき2番手に浮上し、ビクトルをも抜かす勢いを見せたがタイムアップとなり、1位ビクトル、2位スー、3位鴨田という順位でゴールした。

ヒート2では#7鈴村英喜(TEAM HAMMER/ホンダ CRF250R)がスタートで前に出るも、ビクトルが序盤でトップに浮上。一時、#69森優介(Team ITOMO with オフロードピット那須/ホンダ CRF250R)も鈴村をかわし2番手についたが、レース中盤にかけてポジションダウン。2番手に再び鈴村が、3番手には鴨田がついた。後方との差を広げたビクトルがこのまま逃げ切るかと思われたが、ラストラップにビクトルのマシンが止まってしまう。これにより鈴村がトップチェッカー。1位鈴村、2位鴨田、3位には7番手からの追い上げを見せたスーが入り、鈴村は自身初の優勝を獲得した。なお、ビクトルは再スタートできず未チェッカーの29位となった。

拮抗するトップ争いに注目が集まるヒート3。スーがスタートからトップに立つと、2番手には横澤、3番手には鴨田がつきトップを追っていく。しかし、スーは後方との差を徐々に広げていき単独走行へ。一方、ポイントリーダーのビクトルはスタートで出遅れ、序盤7番手からの追い上げを強いられる。しかし、周回を重ねるごとに着実に順位を上げ、レース終盤には3番手を走る鴨田をパス。さらに横澤との距離を詰めていくと、ラストラップで横並びの接戦を繰り広げる。両者譲らぬ攻防戦を展開する中、ビクトルが横澤の隙をついて2番手に浮上。結果、1位スー、2位ビクトル、3位横澤という順位でゴールし、全ヒート表彰台を獲得したスーが総合優勝に輝いた。

#81ブライアン・スー
「ヒート1はラスト5分というところでリヤタイヤがパンクしてスピードが落ちてしまって、ヒート2はスタート直後の接触でクラッチレバーが折れたんだ。そんな中で結果を残すことができてよかった。ヒート3はスタートから完璧な流れでレースができてとても嬉しいよ。全ヒートとても面白くて楽しむことができた。子供のころ台湾にいたから、日本には何度もきたことがあったんだけど、今回はこうして全日本のレースに参戦することができてとても良い経験になったよ」

#58ビクトル・アロンソ
「今回はスタートで前に出ることができて、良いレースができたと思う。毎ヒート勝つために挑んでいるから、ヒート1で優勝できたことは嬉しかった。ヒート2はマシントラブルでゴールできなかったことが悔しい。ただ、ここ数戦表彰台を逃していたから表彰台に戻って来れてとても嬉しいよ。次戦も勝って、年間チャンピオンを母国スペインに持って帰りたいと思う」

#7鈴村英喜
「IAクラスに上がって8年目になりますが、初優勝をオフロードヴィレッジで獲ることができてホッとしています。応援してくれているみなさんにもやっと勝てたと思ってもらえたかなと思います。ようやく勝てて嬉しい気持ちでいっぱいです!」

#5横澤拓夢
「ヒート3の最終ラップでビクトル選手に抜かれて悔しくて悔しくて。スーとビクトルの速さについていくことができませんでしたが、表彰台に登ってファンのみなさんに感謝を伝えられてよかったです。最終戦は地元のSUGO大会なので、絶対勝って終われるように頑張ります!」

#9鴨田翔
「ヒート1は順位を落とさず表彰台に登れてよかったです。ヒート2は鈴村選手にかなりプッシュしたのですが抜くことができませんでした。ビクトル選手のマシントラブルがあって、結果的に2番手に上がることができたんですけど、鈴村選手を抜いておけばよかったと思いましたね……。次は優勝狙っていきます」

IB OPEN

拮抗するトップ争い、住友が年間チャンピオンを獲得

IBOPENクラスは、ポイントリーダーの#53住友睦巳(bLUcRUフライングドルフィンサイセイ/ヤマハ YZ250F)とポイントランキング2位の#63藤井武(TEAM HAMMER/ホンダ CRF250R)のポイント差が前大会終了時点で55ポイント。今大会で住友の年間チャンピオンが決まる可能性のある、大事な一戦となった。

土曜日に行われたヒート1では、なんとその藤井がマシントラブルでスタートできずDNS。これにより、住友がヒート1を優勝すれば、その時点で年間チャンピオン獲得が決まるという状況になった。スタートで前に出たのは住友。しかし、#2近藤祐介(レーシングチーム鷹/ヤマハYZ450F)がすぐに住友をパスし、トップに浮上する。近藤は軽快な走りで住友との距離を離していき単独走行へ。一方、2番手を走行する住友はトップとの距離を詰められずにいたが、レース後半に近藤のペースが落ちたことで、7秒ほどあった差が1秒差にまで詰まっていく。住友は最後まで攻め続けるも、近藤が逃げ切りタイムアップ。1位近藤、2位住友、3位には序盤から3番手を守り切った#7古井奎伍(YSP浜北⼤橋レーシング/ヤマハ YZ250F)という順位でゴールし、近藤が住友のチャンピオン獲得を阻止するかたちとなった。

翌日曜日に行われたヒート2もスタートから近藤が前に出てレースをリード。好スタートを決めた藤井が後ろにつき、トップの座を狙っていく。一方、住友はスタートで出遅れ4番手からの追い上げを強いられる。しかしすぐに2番手の藤井に迫り、激しい攻防戦を展開。両者譲らぬバトルの中、住友がミスにより転倒。リカバリーに時間がかかり、一気にポジションを落とすこととなった。2番手を死守した藤井は近藤との差を詰めていき、一瞬の隙をついてトップに浮上。さらに、レース後半には2番手にまで追い上げた#8佐野壮太(ジュニアライダース・フリーダムナナ/カワサキ KX250)が藤井に迫っていく。佐野は最後までプッシュしていくが、藤井がトップを守り切りゴール。ヒート1での悔しさを晴らした。2位には佐野、3位には怒涛の追い上げを見せた#45今岡駿太(bLUcRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド/ヤマハ YZ250F)が入りフィニッシュ。

なお、住友は6位でゴール。これにより藤井とのポイント差が60ptとなり、ここで年間チャンピオン獲得が決定した。

#53住友睦巳
「全日本でチャンピオンになることが初めてで、どれくらい緊張するものなのかもわからなかったので、いつも通りの走りをしようと心がけました。ただ、頭の片隅にチャンピオンがよぎって、緊張しちゃいました。ヒート1は調子良く走れたのですが、ヒート2はスタートで出遅れて、さらに転倒して順位を落としてしまいました。そこからも思うように追い上げることができず納得のいく走りはできませんでした。ただ、最終戦前に年間チャンピオンを獲ることが目標だったので、今回目標を達成できてホッとしています。もうプレッシャーからは解放されたので、最終戦は楽しくやり切ろうと思います」

#63藤井武
「住友選手とどうしてもポイント差を縮めたかったのですが、ヒート1はマシントラブルで走れなくて、かなり落ち込みました。それでもチームの方々が夜遅くまで整備してマシンを直してくれて、ヒート2は絶対に勝ってやろうと思って挑みました。優勝できて本当に嬉しいです。目標としている両ヒート優勝をまだ達成できてないので、最終戦は完全優勝したいと思います」

#2近藤祐介
「いつも通り走れば勝てると思っていたのですが、ヒート1はいつも通りの走りができず腕もパンパンになっちゃって、最後住友選手に追いつかれてしまいました。それでもなんとかもちこたえて優勝することができてよかったです」

#45今岡駿太
「今までいろいろ空回りしていた部分があって、なかなか表彰台に登れなくて、今シーズン中に表彰台に登ることを目標としてきました。なのでこうして3位になれてとても嬉しいです。次戦は1位を取れるように頑張ります!」

#8佐野壮太
「こないだの名阪でトラブルにより予選落ちをしてしまって、今回こそはという気持ちで挑みました。地元ということで、色んな方々にアドバイスをいただいたり、お兄ちゃんと一緒に走り込んできたので、表彰に登れて嬉しいです」

#7古井奎伍
「全然前に追いつくことができませんでした。中部の先輩方に表彰台で面白いこと言ってと言われたのですが全然思いつかなくて、その点を改善するためにも、次も表彰台に登ります!」

LMX

本田と川井の一騎打ち、お互いの意地がぶつかり合う

レディースクラスは、前大会を終えた時点でポイントリーダーの#4本田七海(bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド/ヤマハ YZ85LW)と、ポイントランキング2位の#2川井麻央(T.E.SPORT/ホンダ CRF150RⅡ)が2ポイント差という僅差でチャンピオン争いを繰り広げており、今大会はお互い相手との差をつける大事な一戦となった。

グリッドを選ぶ順番を決める予選では本田が1位で通過。一方、川井はミスにより16位でゴールし、希望のスタート位置を選べず不利な状況になると思われた。しかし、その川井が決勝で好スタートを決め1周目からトップに躍り出る。スタートで出遅れた本田は2番手につけるも、川井からは2秒ほど差をつけられたままレースが進行していった。レース中盤、バックマーカーの攻略に苦戦する川井に本田が迫り一気に仕掛ける。しかし、ここでタイヤが接触し本田が転倒。すぐに復帰し順位を落とすことはなかったものの、再び川井との差が開くこととなった。結果、トップ争いは川井に軍配が上がり、1位川井、2位本田でフィニッシュ。3位には拮抗する3番手争いを制した#7川上真花(bLU cRU YSP⼤阪箕⾯/ヤマハ YZ85LW)が入った。川井が優勝したことにより、ポイントランキングは川井が141pt、本田が138ptと3ポイント差に。最終戦で勝った方がチャンピオン獲得となる。

#2川井麻央
「予選でミスをしてグリッド順が16番目という不利な状況だったのですが、スタートで前に出ることができて、トップに立って、最高の結果で終えることができました。地元大会であり、チャンピオン争いにとって大事な1戦であるこのレースで優勝できてとても嬉しいです。自分に良い波が来ていると思うので、最終戦もしっかり勝負して勝って、チャンピオン獲りたいと思います」

#4本田七海
「悔しいしかないですね。チャンピオンを意識しすぎて、土曜日の練習走行から緊張しすぎて思うように乗れませんでした。決勝でも序盤は身体がすごく硬かったのですが、コースサイドからたくさんの応援の声が聞こえてきて、それがすごく力になって、気持ちを切り替えていつも通りの走りをすることができました。仕掛けた時に転んでしまった自分はまだまだ甘いなと反省しています。ただ、前向きに気持ちを切り替えて、勝つことだけを考えて挑んでいきます」

#7川上真花
「最年少で2回連続表彰台に登ることができて嬉しいです。今までは3位しか獲れていないのですが、次戦のSUGOは好きなコースなので、表彰台のもっと上に上がれるように頑張ります」

JX

髙木と永澤が超接戦を繰り広げる

ジュニアクロスでは、#55髙木碧(bLUcRUレーシングチーム鷹/ヤマハ YZ85LW)が好スタートを決めてトップを走行。続いて、#22清宮伊織(レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ85LW)と#66永澤匠真(bLUCLUレーシングチーム鷹/ヤマハ YZ85)が追いかける展開となった。1周目を終えた時点でトップ3の間隔がそれぞれ開いていたが、永澤が徐々に清宮との差を縮め、レース序盤で2番手に立つ。するとさらにスピードをあげた永澤が髙木をとらえ、レース終盤で勝負を仕掛ける。スピードが落ちやすいリズムセクションのコーナーで横並びになる超接戦。そのまま永澤がトップに立つかと思われた瞬間、バランスを崩し髙木との差が再び開いてしまう。すぐにリカバリーし、最後までスピードを落とすことなく攻め続けるも届かずタイムアップ。髙木が永澤からのプレッシャーに耐え、見事優勝を飾った。結果は1位髙木、2位永澤、3位清宮となり、レーシングチーム鷹のライダーが表彰台を独占した。

K65

ジャンプセクションの差が勝利につながる

K65クラスは65ccのマシンで競い合うクラス。決勝はフルサイズマシンの走行後ということで、キッズライダーたちはコースにできた深い轍やギャップに苦戦を強いられた。そんな中、序盤からトップに躍り出たのは#50松本剛(motolab&JHX/ヤマハ YZ65)。スムーズな走りでトップを快走していくが、後方からは#823目黒結翔(桜井ホンダ/ハスクバーナ TC65)が距離を詰めていく。目黒はリズムセクションやテーブルトップなど、他のライダーが飛ばずに走るセクションを攻略し一気に松本に迫る。その勢いのままレース後半にトップへ浮上。結果は1位目黒、2位松本、3位に#55岩渕琉真(TEAM長野塾/ヤマハ YZ65)の順でゴールを果たした。

CX

トップ争いが白熱、最後の最後まで大奮闘

日曜日のお昼に行われたチャイルドクロス。フルサイズマシンを駆るIAライダー走行後ということもあり、50ccマシンの半分ほどが埋まってしまう深い轍があるなど、荒れた路面をどう攻略するかが勝利の鍵となった。Aクラスは#94阿部哲昇(MOUNTAIN RIDERS/スズキ DR-Z50)と#36大橋有真(The Rising Sun Coffee/ホンダ CRF50F)のトップ争いが白熱。序盤にレースをリードしていた大橋に阿部が迫ると、その勢いのままトップへ浮上。その後も抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げ、ラストラップへ。大橋がリードし、そのままゴールするかと思われたが、最終コーナーでバックマーカーの攻略に苦戦。その隙をついた阿部が先にゴールラインを越えた。しかし、最終コーナーでは黄旗が振られており、阿部は追い越し禁止の黄旗区間で大橋をパスしたことに。これによりペナルティとして順位を2つ落とし、結果は1位大橋、2位は7番手から追い上げを見せた#83松本剣(motolab&JHX/スズキ DR-Z50)、3位阿部となった。

一方、Bクラスはタイからスポット参戦した#5 ROMPHAN CHAIANAN(レーシングチーム鷹/KTM 50SX)がスタートからトップを快走。他のライダーを寄せ付けない速さで優勝を獲得した。後方には#22井⼝藍暉(バイクボンバー&SCF&カトモ/KTM 50SX)と#15川⼝牡丹(KTM/50SX FACTORY EDITION)が懸命に追い上げていく。両者ともに一時ペースが落ちる場面もあったが、最後まで諦めることなく走り抜き、井口が2位、川口が3位という結果となった。

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第61回MFJ-GP モトクロス大会

次戦、最終戦は2週間後 の 11/11(土)- 12(日)、宮城県 スポーツランドSUGOにて開催!
チャンピオンの決定したIA1とIB-OPENは最後の戦いで次年度のゼッケン番号を獲得。
IBは時期IAクラスへの昇格を賭けた戦いが熱い!
最終戦までチャンピオンの決まらなかったIA2クラス、LMXクラスの戦いは見逃せない!
ぜひ会場で秋の風を感じる全日本モトクロスをご観戦ください。

観戦eチケット発売中!
D.I.D JMX 2023 R9 第61回MFJ-GP モトクロス大会 観戦情報

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