4月から始まった2024シーズンも残すところあと1戦。最終戦となるD.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2024 第8戦 第62回 MFJ-GP モトクロス大会は、10月19〜20日、宮城県にあるスポーツランドSUGOで行われる。今回はIA1/IA2/レディース/IB OPENクラス、承認クラスのジュニアクロスとチャイルドクラスが開催され、第7戦でチャンピオンが決まったIA1以外の公認3クラスにとっては、チャンピオン決定をかけた大事な一戦となる。

会場のスポーツランドSUGOは起伏の激しいコースレイアウトで、2コーナーから3コーナーにかけては大坂がそびえ立つ。SUGOを象徴するダイナミックなセクションであり、ライダーたちがアクセル全開で駆け上る、迫力ある走りが見どころだ。また、ヨーロピアンセクションには複数のコーナーが設けられており、各ライダーのラインどりやコーナリングのテクニックが光る箇所となっている。

レイアウトに関しては第4戦と同様で大きな変化はないが、セクションがいくつか変更されている。例えばヨーロピアンセクションに向かうステップアップジャンプの後、テーブルトップだったところに9連のリズムセクションを新設しているという。さらに、スタートエリアが改修され、メッシュスタートを導入。全日本モトクロス選手権としては2022年から導入しているものだが、スポーツランドSUGOで採用されたのは今回が初めてだ。担当者は「オフロードヴィレッジやHSR九州で採用している斜めメッシュとは異なり、グレーチングを敷いています。そのため他のコースとも感触が違うかもしれません」とのこと。金網を敷くことでスタート時のグリップ感や安定性を向上させる効果がある一方、マディコンディションになると滑りやすくなるため、ライダーたちは土スタートと異なるグリップ感に慣れる必要がある。

IA1

今年一年の集大成、最後に優勝を飾るのは


IA1クラスは25分+1周の2ヒート制で行われる。第7戦では下田丈がスポット参戦し話題を集める中、#1ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM/ヤマハ YZ450FM)がヒート2を終えた時点でシリーズチャンピオンを獲得した。ウィルソンは「チャンピオンを取ることができてとても嬉しいよ。最終戦はチャンピオンシップこそかかっていないけど、僕はレーサーだから、どんな状況でも毎レース勝ちたいと思う。目標はこれまでと変わらず優勝すること。最終戦も楽しんでいくよ」と勝利に向けて意気込みを示した。

一方、第7戦ではランキング2位につける#41横山遥希(Honda Dream Racing LG/ホンダ CRF450R)の勢いある走りに目を引かれた人も多いだろう。横山は第6戦でウィルソンを抑えて優勝を獲得。第7戦でも下田やウィルソンに対して果敢に攻め、トップ争いを展開した。10月4〜6日にはモトクロスの国別対抗戦「モトクロス・オブ・ネイションズ」のMX2クラスに出場し予選で14位、B決勝で6位という結果を残している。各国の強豪と戦い、経験を積んできた横山はさらに成長した姿で最終戦に臨むだろう。

また、横山と同じく「モトクロス・オブ・ネイションズ」に参戦した#2⼤倉由揮(Honda Dream Racing Bells/ホンダ CRF450R)と#12渡辺祐介(YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM/ヤマハ YZ450FM)は、大会を通して悔しさと自身の成長、そして伸びしろを改めて発見したと話している。この経験が最終戦にどう生かされるのか期待していたい。

なお、今大会にはFIMモトクロス世界選手権MX2クラスに参戦している#73フェルッチョ・ザンキ(Team HRC/ホンダ CRF450RWE)がTeam HRCよりスポット参戦する。普段は250ccを駆るザンキが450ccに乗り、日本の地でどんな走りを見せるのか、注目が集まる。

IA2

中島が逆転、チャンピオン争いの行方はいかに

IA2クラスも25分+1周の2ヒート制で行われる。第7戦を振り返ると、第6戦終了時点でランキングトップであった#2横澤拓夢(TKM motor sports いわて/ホンダ CRF250R)は、4位/2位/4位という結果でレースを終える。一方、ランキング2位につけていた#3中島漱也(bLU cRU レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ250F)は全ヒートで優勝を果たし、横澤を逆転しランキングトップに浮上した。しかし、2人の差は13ポイントと変わらず僅差である。さらに最終戦が行われるスポーツランドSUGOは横澤の地元コースでもあり、チャンピオン争いは依然として油断ならない状況だ。

また、3位以降のポイントランキングを見ると、第7戦終了時点で#6柳瀬⼤河(TKM motor sport いわて/ホンダ CRF250R)が179ポイント、#10⽥中淳也(bLU cRU YSP浜松BOSS RACING/ヤマハ YZ250F)が173ポイント、#9⻄條悠⼈(Kawasaki PURE TECH Racing/カワサキ KX250)が162ポイントと続いている。混戦が予想されるランキング争いにも注目だ。

LMX

川井、本田、川上。チャンピオンを手にするのは

レディースクラスはチャンピオン争いが超接戦。第7戦で#1川井麻央(T.E.SPORT/ホンダ CRF150RⅡ)が優勝、#2本田七海(TEAM KOH-Z LUTZ with 中西建設(株)/ヤマハ YZ85LW)が3位となったことにより、ポイントランキングは両者が同点でトップに立っている。つまり、最終戦で勝った方がチャンピオンを獲得するという状況だ。さらに、#4川上真花(bLU cRU YSP大阪箕面/ヤマハ YZ85LW)がトップ2人と6ポイント差でランキング3位についており、川上にもチャンピオン獲得の可能性が十分に残っている。誰がチャンピオンの座を掴み取るのか、一瞬も目が離せない。

また、ランキング4位の#5瀬尾柚姫(TEAM HAMMER/ホンダ CRF150RⅡ)と5位の#10楠本菜月(ホンダ CRF150R)も同点の73ポイントで並んでいる。ランキングをかけたバトルが白熱するのは間違いないだろう。

IB OPENクラス

松岡がチャンピオンに王手、粘り強く追いかける飯塚

IAクラスへの昇格をかけて競い合うIB OPENクラスは、これまで#5松岡力翔(SP忠男広島/ヤマハ YZ250F)が4回優勝を果たしており、ランキングトップに立っている。チャンピオン決定に王手をかけていた松岡だが、第7戦でそれを阻止したのがランキング2位につける#1飯塚翼(三恵技研工業 アシタプランニングMS/ホンダ CRF250R)だ。飯塚はスタートからトップを走行し、ヒート1で自身初優勝を獲得。ヒート2では3位に入賞し見事総合優勝を果たした。最終戦を目前に、2人のポイント差は44ポイント。依然として松岡がリードしている状況であるが、飯塚にもチャンピオンの可能性は残っている。

一方、IAクラスへの昇格枠(ランキング上位10位まで)をかけたバトルも見逃せない。昇格ライン付近のランキングを見てみると、9位は57ポイントで#2當真弦樹(YSP浜松 BOSS RACING /ヤマハ YZ250F)、10位は56ポイントで#10齋藤啓太(Team Pitin/ヤマハ YZ250F)、11位には54ポイントで#51樋口絆里(bLUcRUレーシングチーム鷹/ヤマハ YZ250F)、12位には51ポイントで#3島袋樹巳(グラスライダーズ/カワサキ KX250F)、さらに13位は同じく51ポイントで#42馬場新一郎(YSP京葉withTwisterRacing/ヤマハ YZ250F)がついており、9位から13位まではなんと6ポイントしか差がない大接戦となっている。最終戦の結果によってIA昇格が決定するということで、最後まで熱い戦いが繰り広げられるだろう。

第8戦(10/19-20)
◾️D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ2024 第8戦 第62回 MFJ-GP モトクロス大会情報

◾️D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ2024 第8戦 第62回 MFJ-GP モトクロス大会チケット発売中

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