D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2025第2戦SUGO大会が、4月26〜27日の2日間にわたって宮城県にあるスポーツランドSUGOにて行われた。今大会は1日目に予選と一部決勝、2日目に決勝が開催されるスケジュール。天候は両日とも晴れ、特に2日目は気温が25度を超える夏日となった。コースはドライだが、滑りやすく、轍が徐々に深く掘られていく難しいコンディションとなった。

日時:2025年4月26〜27日
会場:スポーツランドSUGOオフロードコース(宮城県)
天気:晴れ
観客動員数:2700名

IA1

横山とジェイ・ウィルソンが熾烈なトップ争いを繰り広げる

IA1クラスは30分+1周の2ヒート制で行われた。公式練習では#1ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY RACING TEAM/ヤマハ YZ450FM)が1分55秒1のトップタイムを記録。続いて#2横山遥希(Honda Dream Racing LG/ホンダ CRF450R)も1分55秒3と僅差で2番手につけ、決勝では両者の一騎打ちが予想された。

ヒート1では好スタートを決めた#10内田篤基(Yogibo PIRELLI MOUNTAINRIDERS/カワサキ KX450)と横山がレースをリード。ウィルソンはスタートで出遅れ10番手あたりから追い上げる。内田がトップを守るが、2周目で横山が内田をかわしてトップに浮上。横山、内田、3番手に#15渡辺祐介(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM/ヤマハ YZ450F)という順で先頭集団が形成される。ウィルソンは周回を重ねるごとに順位を上げ、レース中盤に内田を抜いて2番手に浮上すると、そのままトップを走る横山との差を詰め、横並びの接戦を繰り広げる。横山もウィルソンを抑えながらポジションを守るが、リズムセクション「ルンバルンバ」後のコーナーで横並びになった際に2台が接触。ウィルソンはバンクの外へコースアウトしたが、すぐに立て直してコースへ復帰。横山は転倒してしまい追い上げる展開となった。結果、ウィルソンがそのまま走り切ってトップチェッカー。2位には横山、3位には#8大城魁之輔(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松/ヤマハ YZ450F)とのバトルを制した#4大倉由揮(Honda Dream Racing Bells/ホンダ CRF450R)が入賞した。

ヒート2、スタートで#11神田橋瞭(Team GANZ with ZEKURA/カワサキ KX450)
が前に出ると、2番手には横山、その後ろには#37西條悠人(Kawasaki PURETECH Racing/カワサキ KX450)が続く。ウィルソンはヒート1と同じく出遅れ、7番手あたりからの追い上げとなった。横山が神田橋の隙をついてトップに浮上。さらに大倉が西條と神田橋をかわして2番手にポジションを上げる。ウィルソンは序盤から積極的に追い上げ3番手に上がると、大倉との差を詰めて2番手まで挽回。さらにレース開始から8分ほどで横山に追いつき、ラインを交差させながらトップの座を奪取する。その後、横山はペースを上げ、終盤にはウィルソンをも上回るラップタイムを記録。粘りのある走りを見せるも、ウィルソンがトップを守りきりフィニッシュ。2位横山、3位大倉という順位でレースを終えた。なお、総合順位も同じくウィルソン、横山、大倉という結果となり、ウィルソンが開幕戦から4連勝を飾った。

#1ジェイ・ウィルソン
「今回スタートはイン側を選んだのだけど、スタートゲートの前がドライすぎてタイヤがうまくグリップせず、前に出ることができなかった。ヒート1はかなり出遅れて20位あたりからの追い上げだったと思う。序盤からかなりのライダーをパスすることになったけど、自分のライディングはとてもよかったと思う。今年、自分の走りは良い方向に変わっていて、ライディングやテクニックに集中して挑むようにしている。例えばヒート1も昨年は焦ってミスをすることが多かったけど、今年は30分間焦らず落ち着いて、前にいるライダーを着実にパスすることに集中することができた。横山選手が前に見えて抜こうとしたけど、1回目のタイミングはまだそのタイミングではなく、2周くらい早いと感じたんだ。その時に自分の方が速いとわかったし、残り時間があることもわかっていたから落ち着いて次のタイミングをうかがっていたよ。横山選手は僕が来たことを知っていたから、彼なりにチャレンジして僕をブロックしたのだと思う。結果接触して、僕はコースアウト、横山選手は転倒となったけど、これもレース。日本のファンの方々には楽しんでもらえたんじゃないかと思うよ。ヒート2もスタートはよくなかったけど、クリーンにパスして良い流れでトップに立つことができた。コンディションはハードパックかつドライでマシンのセッティングに苦労したけど、全体的に良い調子で終えられたと思う」

#2横山遥希
「ヒート1は終盤までトップを走っていましたが、並んだところで自分のラインを締めた結果接触してしまって、さらに転倒して前を譲ることになってしまった。あそこまでトップを走っていて勝てたレースだったのにと、反省していますし悔しいです。ヒート2も同様にスタートで出たにもかかわらずパスされて離されてしまいました。スタートなど走りは調子よかったですが、両ヒートともベストタイムは後半に出ていて、前半からペースを上げることができなかったなと思います。特に序盤はコースコンディションを見ながらレースを進めていて、去年は転倒が多かった分今年は転倒しないよう意識していたこともあって体が動き切っていなかったです。思い切り攻めて転けたら意味ないし、かといって転倒しないように守りに入ると追いつかれるし、レースの組み立て方がかなり難しかったです。スタート出たらあとはいくしかないのですが、攻めきれなかったところが今回の敗因かなと思います。自分の殻を破らないと勝ちは見えてこないと思うので、次戦までに改善していきたいと思います」

#4大倉由揮
「3位という結果はすごく悔しいですし、もっと上にいきたいという気持ちはあります。ただ、IA1クラスに上がってから2ヒート制のレースで両方表彰台に登れたというのは初めてなので、まずまとめることができたというのは大きな一歩かなと思います。シーズンオフにヨーロッパへ行って、1ヶ月間イタリア、その後ビクトル選手(※1)のホームであるスペインで1ヶ月間お世話になって、彼らのおかげでちょっと強くなれたなと思うので本当に感謝してます。そしてまだまだレースはたくさんあるのでここからさらに強くなって、この先勝てるように頑張りたいと思います」

※1:2024年IA1クラスランキング2位のビクトル・アロンソ選手。今シーズンは全日本参戦の予定は無い

IA2

勢いに乗る田中を抑え、中島が2連勝獲得

IA2クラスも30分+1周の2ヒート制で行われた。予選はA組とB組に分かれて行われ、A組では#4田中淳也(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松/ヤマハ YZ250F)が、B組では#2横澤拓夢(TKM motor sports いわて/ホンダ CRF250R)が予選トップで通過を果たした。2024年チャンピオンの#1中島漱也(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM TAKA/ヤマハ YZ250F)はA組2番手。実力が拮抗するIA2クラスのトップ争いに注目が集まった。

ヒート1、中島がスタートで飛び出しトップを走行。続いて# 47道脇右京(バイカーズステーション金沢レーシングwithMOTUL/ヤマハ YZ250F)、#6鴨⽥翔(Kawasaki Plaza 東⼤阪/カワサキ KX250)、#13池⽥凌(Kawasaki PLAZA 大阪鶴見/カワサキ KX250)が追いかける。横澤はスタートでクラッシュし、後方からの追い上げを強いられた。レース序盤、中島がトップを走る中、田中が6番手あたりから着実に追い上げ2位に浮上。さらに中島に迫り、一時はその差が1秒以内にまで縮まるも、田中がヨーロピアンセクションで転倒。7番手あたりまでポジションを落とすこととなる。しかし、田中はその後もペースを落とすことなく追い上げ、レース終盤で2位に復帰。結果は安定した速さを見せた中島が優勝を獲得。2位田中、3位鴨田という順位でフィニッシュを果たした。

ヒート2も中島がスタートで前に出ると、田中、そして#14吉⽥琉雲(Bells Racing/ホンダ CRF250R)が続く。トップ3台の差はそこまで開くことなくレースは進行。田中は中島に迫りトップを狙うが、ミスがあり逆に差が開くことに。後方からは吉田が迫り、僅差の2番手争いを展開する。中島はヒート1同様、安定した走りで終始トップをキープ。クラス内ベストラップタイムも記録し、見事ヒート2も制して1位に輝いた。2番手争いは田中が徐々に吉田を引き離してレース終盤ではそれぞれが単独走行となる。結果2位には田中、3位には吉田が入賞を果たした。総合順位は中島、田中、吉田の順で、吉田にとってはIA2クラス自身初表彰台となった。

#1中島漱也
「まずは今季初優勝でピンピン獲れて嬉しいです。ヒート1は身体が固くなってしまい、走りの内容が良くなかったです。去年チャンピオンを獲ったけど、引き続き今年もIA2クラスを走る目的は、”もっとスピードをつけて速くなりたい” ということなのに、レースで守りの走りをしてしまった自分に満足できませんでした。ヒート1は縮こまったライン取りをしてしまって、スピードに乗れていないなとわかっていたのにラインを変えることもなかなかできなくて、そこが良くなかったため、ヒート2は広くラインを取るようにしました。ミスのないよう慎重に走る部分と攻める部分、バランス良く走れたと思っています。また、予選から田中選手が調子良くて、ヒート1でも後ろから近づいてきたのを意識してしまいました。ヒート2も同じ展開だったのですが、中盤くらいまでは後ろのライダーが誰かわからないくらい自分に集中できていました。開幕戦はブライアン・シュー選手を追う立場だったのであまり感じなかったのですが、今回自分が追われる立場になって、初めてディフェンディングチャンピオンとしてのプレッシャーや雰囲気みたいなものを感じました。それで余計守りに入ってしまったのですが、この走りだと一年通して成長できないと思ったので、意識を変えることができてよかったです」

#4田中淳也
「今回やっとニュージーランドで学んできたことを出せた感覚があって、予選から良い流れでヒート1も走れました。前半で転倒してしまったのですが、1・2周走ったら転倒前のペースに戻すことができてよかったです。普段はあんな転倒したら気持ちが下がってしまうのですが、自分の調子が良くて、さらに前とのペース差を見たらそこまで離れていなくて、前向きに、諦めずに最後までプッシュできました。ヒート2はスタートで前に出ることができてたので、ヒート1での経験を生かして気持ちをコントロールしたのですが、コントロールし過ぎたのかペースが上がらなくなってしまいました。コースも難しくて攻略するまでに時間がかかってしまって、迷いながら最後まで走った結果中盤から中島選手も離れてしまいました。ただ、両ヒートともに課題を見つけることができて良いレースだったと思います。調子の良さは戻せたと思うので、次戦もヤマハ1・2フィニッシュ目指して頑張ります」

#6鴨⽥翔
「IAクラスに昇格してから何度か表彰台を獲得してきましたが、ここSUGOでだけ登ることができていませんでした。今回やっと登ることができて、3位ですがよかったと思います。ただ、優勝を目指しているので、次のレースで勝てるように頑張ります」

#14吉田琉雲
「スタートも結構決まって前の方で最初からレースすることができ、トップ集団の後ろにもついていけたので次はもっと高いところを目指して練習します」

LMX

箕浦が粘りの走り、川井が追い上げ2勝目をあげる

レディースクラスは15分+1周の1ヒートで行われた。決勝、スタートでは#6箕浦未夢(TEAM ITOMO/ホンダ CRF150RⅡ)が好スタートを切り、序盤からレースをリード。2番手には#1川井麻央(T.E.SPORT/ホンダ CRF150RⅡ)、3番手には#8穗苅愛香(TOMOレーシング&美蔵withCONNECT/ヤマハ YZ85LW)が続いた。箕浦は序盤から安定したペースで川井との差を広げようとするが、レース中盤、川井が徐々に箕浦との差を詰めていきトップ争いを繰り広げる。川井が勝負をかけ、一瞬箕浦をかわしてトップに浮上するが、箕浦も簡単には譲らず再び抜き返す。両者の攻防戦が激しくなる中、再び箕浦の隙をついて川井がトップに浮上。箕浦も粘りのある走りでついていくが、結果川井が先にチェッカー。3位には穗苅が入賞を果たした。

#1川井麻央
「追い上げ中のミスが多いなと気づけたレースでした。まだまだだなと思ったし、勝てたから満足というのは無いですね。前のライダーと同じラインに入ってしまったり、ベストライン以外のラインも同じくらい速く走れないと前に離されてしまって、自分の反省点が多く見えました。まだまだできることはたくさんあるなと思います。次戦は地元大会なので、たくさんの方が応援に来てくれると思うし、いつも以上にプレッシャーを感じると思うので、上手く自分をコントロールしながら勝ちにいきたいです」

#6箕浦未夢
「予選でスタートが出れなくてかなり不安になってしまったのですが、レースの直前でサスペンションのセッティングをしたりとマシンを調整したことで決勝ではスタートで前に出ることができました。2位は悔しいですが、川井選手に抜かれた後も食らいついていけたので、自分の粘り強さを発揮することができたかなと思います。次は最後の最後まで粘って1番高いところを取れるように頑張ります」

#8穗苅愛香
「SUGOは轍が深くて、普段の練習でも転倒をしてしまうことが多かったので、苦手意識が強いコースではありました。ただ、その中でスタートから前に出られて、表彰台に登れたことが嬉しいです。後ろとの距離も近いことは感じていたし、近づいてくる音にプレッシャーも感じたのですが、今まで他を気にしすぎて転倒してしまうことが多かったので、今回は自分に集中して走りました。結果、段々後ろから音が聞こえなくなって、これなら行けるなと最後まで気持ちを保って走り切ることができました。トップとは離されてしまって、2人が見えないくらい差が開いていたのが悔しいです。次は絡んでいけるように頑張ります」

IB OPEN

鎌倉が総合優勝、表彰台争いは混戦に

IB OPENクラスヒート1では、スタートでクラッシュが多発。その中を抜け出したのが#16菊池慶太朗(Team NFS with BIVOUAC OSAKA/GASGAS MC250F)、#7原國翼(TWISTER Racing with YSP京葉/ヤマハ YZ450F)、#10鎌倉大樹(レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ450F)だ。序盤で原國が菊池をかわしトップに浮上。さらに鎌倉がポジションを上げて原國に迫ると、そのまま勢いに乗ってリーダーの座を奪取する。一方、レース中盤には、#58名島玖龍(レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ450F)、#54外間大詩(T.E.SPORT/ホンダ CRF250R)、#14笹谷野亜(TKM motor sports いわて/CRF250R)が追い上げ、表彰台争いを展開。2番手を走る原國が転倒で後退したことにより、トップ3台は鎌倉、名島、外間となるが、名島と外間の距離は近く、さらに4番手を走る笹谷が接近する。レース終盤には、名島と外間を笹谷が抜いて2番手に浮上。結果は、後方との差をつけた鎌倉が優勝を獲得。2位笹谷、3位にはチェッカー手前までもつれ込んだバトルを制した外間が3位入賞を果たした。なお、笹谷と外間はこのヒートで自身初表彰台を獲得した。

ヒート2は好スタートを決めた#57髙木碧(BLUCRUレーシングチーム鷹/ヤマハ YZ125)が序盤でトップに浮上。後方には菊池と笹谷がつきトップを追いかけるが、菊池はミスによりポジションダウンとなった。髙木は後続との差を広げて独走状態へ。一方、2番手の笹谷には後方から追い上げてきた#2島袋樹巳(Yogibo PIRELLI MOUNTAINRIDERS/カワサキ KX250F)が肉迫。攻防戦が繰り広げられる中、レース中盤で島袋が笹谷をかわし2番手に浮上。その後、笹谷は巻き返しを図るが、島袋が逃げ切りゴールを果たした。結果1位髙木、2位島袋、3位笹谷でフィニッシュ。総合順位は鎌倉、笹谷、髙木となった。

#10鎌倉大樹
「去年ぶりのスポット参戦でした。シーズンオフに練習をして、そこでサスペンションチューナーのテクニクスさんとともにサスペンションの仕様変更を重ねて、自分好みに合った車体を作ることができました。何も考えずに走りだけに集中することができるバイクを仕上げた状態で今回レースに参戦しました。現役の時は目を三角にして挑んでいましたが、肩の力を抜いてレースをしたいと思って走りました。ヒート1は腕あがりしてしまって、これ以上ペースを上げると腕があがりきっちゃうな、でもできる限りペースは落としたくないし……と自分の体と対話しながら必死で走っていたら結果に繋がりました。順位はあまり気にしていなくて、気持ちよくバイクに乗ってレースをしたいという思いで出場したのですが、まさかの優勝で、こんな幸せなことは無いですね」

#57髙木碧
「ヒート1スタート直後にクラッシュしてしまって、何台か絡んだ中で一番下敷きになってしまって、最後尾くらいからの追い上げでした。結果7位までしか順位を上げることができなくてすごく悔しかったです。ヒート2は絶対に勝ってやろうと思って挑みました。スタートも前に出られて自分的に楽しいレースでした。次戦も優勝目指して頑張ります」

#2島袋樹巳
「ヒート1はスタートのクラッシュでマシンを傷めちゃって全然走れなくて悔しかったので、絶対に挽回してやると決めてヒート2に挑みました。ただ、スタートで前に出られなくて追い上げの展開になりました。荒れたコースが難しくて、部分的にしかラインを変えることができなかったのですが、なんとか順位を上げることができました。結果2位まで追い上げましたが、悔しいです。次戦に向けてしっかり準備して、優勝目指して頑張ります」

#14笹谷野亜
「初表彰台です。チームの地元のコースということもあって力が入る大会でした。周りの速いライバルたちに抜かれてしまって、悔しい2位と3位ではあるのですが、とりあえず両ヒートとも表彰台に登ることができてよかったです。次は1位を取れるように頑張ります」

JX(ジュニアクロス)

伊良皆が他を寄せ付けない走りで優勝

ジュニアクロスは好スタートを決めた#21目黒結翔(桜井ホンダ/ホンダ CRF150RⅡ)がレースをリード。しかしすぐに#25伊良皆龍翔(GASGAS MC85)が目黒をかわしトップに浮上する。一方、3番手にはタイから参戦したPRAYONGRAT ARANCHAI(アランチャイ)(レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ85LW)が続き、目黒と2番手争いを展開。ここに、5番手から追い上げた#8外間匠(T.E.SPORT Jr./ホンダ CRF150RⅡ)が加わりバトルが白熱。外間が目黒とアランチャイを上回るスピードで2人をかわし2番手を奪取し、結果は1位伊良皆、2位外間、3位目黒という順でチェッカーを受けた。

CX(チャイルドクロス)

荒れた路面を大きなミスなく走りきった菊池と伊良皆の実力が光る

チャイルドクロスは排気量50cc以下のマシンで競い合うクラスで、国産車の4ストロークエンジンバイクで競うAクラスと、外国メーカーの2ストロークエンジン車両に加えていくつかの許可された電動モトクロッサーで走るBクラスの混走でレースが行われる。

スタートからレースをリードしたのは#15伊良皆真結香(GASGAS E-5)。今回唯一のBクラス参戦となったが、序盤でトップに立つと安定した走りで後方を引き離す。バックマーカーや荒れた路面に一時はスピードダウンする場面もあったが、順位を落とすことなくトップでフィニッシュを果たした。

一方、Aクラスは午前中のレースで深く掘られた轍で転倒するライダーが多く見られたが、序盤からミスなくトップを守り切ったのが#61菊池 朗以(Team NFS with BIVOUAC OSAKA/スズキ DR-Z50)だ。大きなミスなく、Bクラスの伊良皆にも食らいつく速さで周回を重ねてゴール。荒れた路面を乗りこなすテクニックが光った。なお2位の#25齋藤光志(株式会社TKS&かもん小池レーシング/スズキ DR-Z50)もポジションを落とすことなくフィニッシュ。3位には5番手から追い上げた#5浪花 慶人(チーム長野塾/ホンダ CRF50F)が入賞した。

Yamaha YZ125 BLU CRU Cup

杉本vs.清宮、最後まで繰り広げられたトップ争い

2024年に引き続き、若手ライダーの育成を目的に日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)とヤマハ発動機株式会社が企画した「Yamaha YZ125 BLU CRU Cup(ブルークルーカップ)」が併催された。2025年は今回を含め全3戦が行われ、その初戦となる今回は19名のライダーがエントリーした。

レースは好スタートを決めた#88杉本大駕(レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ125)が序盤からリードしていく展開。2番手に予選をトップ通過した#22清宮伊織(レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ125)がつけ、その差は約1秒ほどと僅差でレースが進む。清宮は徐々に距離を縮め、レース終盤には2人の接戦が白熱。トップの座をかけたバトルは最終コーナーまでもつれ込むが、杉本が逃げ切りチェッカーを受けた。結果は1位杉本、2位清宮、3位には#113阿部 一斗(YogiboPirelli MOUNTAIN RIDERS/ヤマハ YZ125)との攻防戦を制した#36太田結馬(ガレージクローバーレーシングサービス/ヤマハ YZ125)が入賞を果たした。

Over40 Enjoy Motocross

沼田が最後尾から怒涛の追い上げを見せる

40歳以上限定の「Over40 Enjoy Motocross」も2024年に引き続き開催された。スタートで前に出たのは#318沼⽥誠司(TEAM judgement/カワサキ KX450)。しかし直後のコーナーで転倒し、最後尾から追い上げる展開となる。トップに立ったのは#117大熊雅美(FROLIC’S/ホンダ CRF250R)。#47森田誠(カワサキ KX250R)、#11栗花賢司(カワサキ KX250R)が続くが、転倒した沼田がすぐに復帰して追走する。沼田はすぐさま大熊に迫る位置まで挽回すると、スムーズな走りで2周目にはトップに立ち単独走行へと持ち込む。トップ2台の差が広がる中、栗花が3番手を走る森田との距離を縮めてバトルを展開。栗花が攻めるも、森田がポジションを守り切ってゴール。沼田が圧倒的速さを示して優勝を獲得。2位に大熊、3位森田という順位でレースを終えた。

次戦は5月11日(日)、埼玉県川越市にあるオフロードヴィレッジで開催される。IAクラスは今季初となる15分+1周の3ヒート制で行われる。さらに、公認クラスに加えてジュニアクロス、キッズ65、チャイルドクロス、エンジョイクラス、ホンダCRF125カップが併催されるなど見どころ満載。都心からのアクセスも近いため、ぜひ会場に足を運んで迫力ある走りを間近で見てほしい。

コメントを残す