D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2026 第5戦 中国大会が、6月27〜28日、広島県の世羅グリーンパーク弘楽園にて行われる。前戦の第4戦SUGO大会では初の総合優勝や初優勝が相次ぎ、各クラスで新たな展開が生まれた。シーズンの折り返しとなる第5戦では誰が頂点に立つのだろうか。
全6クラス、2日間開催
開催クラスはIA1・IA2・IB OPEN・レディースクラス(LMX)に加え、承認クラスのチャイルドクロス(CX)と2st125クラスが行われる。
会場となる世羅グリーンパーク弘楽園は、広島県の山間部に位置するコースだ。起伏に富んだレイアウトが特徴で、全長約22mのラムソンジャンプや、ライダーたちが勝負を仕掛ける最終コーナーは観戦ポイントとしてよく知られている。
IA1
上り調子の大塚、大倉・大城の勢いにウィルソンはどう出るか

IA1クラスは30分+1周の2ヒート制で行われる。第4戦では、#4 大塚豪太(T.E.SPORT/ホンダ CRF450R)が両ヒート2位でまとめ、自身初の総合優勝を獲得した。大塚はレース前半で走りが固くなりがちだという課題を抱えつつも、30分ヒート後半での追い上げ力は際立っている。「今年はもう朝起きてから寝るまで、自分を変えたくて変えたくて生きている感じなので、引き続きそれだけを目指して頑張ります。次はヒート優勝を獲ります」と意欲を見せており、さらなる活躍に注目が集まる。

一方、タイトル争いの中心にいるのは#1 大倉由揮(Honda Dream Racing Bells/ホンダ CRF450R)だ。第4戦ではヒート1こそスタートの出遅れから4位フィニッシュに終わったものの、ヒート2では序盤からウィルソンの後ろに付け、終盤にかわして優勝を獲得。この結果によりポイントランキングトップに浮上した。第4戦を終えて、「ヒート1のような不甲斐ない走りを今後なくして、全部表彰台、全部優勝するぐらいの気持ちで戦っていきたい」と語った大倉は、2025年の広島大会でも優勝経験があり、広島でもその実力を発揮するだろう。

さらに、第4戦で大倉と優勝を分け合った#3 大城魁之輔(YAMAHA FACTORY RACING TEAM/ヤマハ YZ450FM)は、「ヒート1のようなレースができたということは自信になっている」と優勝を自信に繋げ、広島に向けて気持ちを切り替えている。2025年を振り返ると、大城もヒート優勝を獲得している。

なお、開幕戦からランキングを牽引してきた#2 ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY RACING TEAM/ヤマハ YZ450FM)は、肋骨の骨折の影響もあり、自身のパフォーマンスは「60%」だと語っていた。「チャンピオンシップ争いをするにはどんな状態でも走り続けるしかない。夏のインターバル明けでフルコンディションに戻れると思うから、それまでは無理せず、トップ5に入ることを目標にしていくよ」と意気込んでいる。今大会は夏のインターバル前の最後のレースとなるため、ここでどれだけ踏ん張れるかが焦点となる。

また、第4戦で両ヒート3位に入り存在感を放ったIA1クラス2年目の#311 西條悠人(Kawasaki PURETECH Racing/カワサキ KX450)も見逃せない。「広島は最低でも両ヒートで表彰台、目標はもちろん優勝。勝ちに行きたいと思います」と宣言しており、上位争いをさらに激しくする存在となるだろう。さらに、同じくIA1クラス2年目の#7 浅井亮太(BLUCRU YSP浜松BOSSRACING/ヤマハ YZ450F)は、2025年の中国大会でIA1ルーキーながら初表彰台を獲得した経験を持つ。勢いに乗る若手2人の台頭にも目が離せない。
IA2
田中と柳瀬、譲らぬ攻防戦

IA2クラスも30分+1周の2ヒート制で行われる。同クラスは徐々に勢力図が浮かび上がり、第4戦では#55 田中淳也(YAMAHA BLUCRU RACING TEAM YSP浜松BOSS RACING/ヤマハ YZ250F)がヒート1を制し、#51 柳瀬大河(Honda Dream Racing/ホンダ CRF250R)がヒート2を制するという、2人の一騎打ちとなった。田中は「自分が前にいて、抜かされて離されるという展開は本当に悔しい」と気持ちを露わにし、雪辱を期す。対する柳瀬は「今までスタートで遅れたら上位に上がってこれないのが自分の課題だったんですけど、今日は比較的早い段階で前の方に上がっていけました」と、着実な成長を手応えとして掴んでいる。両者のトップ争いは引き続き目が離せない。

また、第4戦で両ヒート3位と安定した成績を収めた#48 渡辺陵(BLU CRU Team Pitin with M:F/ヤマハ YZ250F)は、「次こそ『俺が勝ったぞ』と表彰台の真ん中で言えるように頑張ります」と、広島での結果に強い意欲を見せている。さらにランキング3位につける#240 横澤拓夢(KawasakiPLAZA盛岡 TKMmotorsports/カワサキ KX250F)や、5位の#46 吉田琉雲(Bells Racing/ホンダ CRF250R)らも優勝争いに絡むライダーであり、その動向は見逃せない。
IB OPEN
初優勝ラッシュの次は誰が主役の座を掴むか

IB OPENクラスは第4戦で、ランキングトップの#2 藤本琉希亜(ウイリー松浦 with AXIS/ヤマハ YZ250F)がヒート1で自身初優勝を獲得。ヒート2も3位で表彰台に立ち、これまで全6ヒートのうち5ヒートで表彰台に立つ安定感を見せている。一方、第4戦ヒート2では#62 今岡陸駆斗(Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS/カワサキ KX250)が今季初優勝を果たした。勝者が毎戦変わるなか、次の頂点に立つのは誰か、その勢力図は混戦が続いている。

また、第4戦ヒート1を3位、ヒート2を2位でまとめた#10 工藤博ノ介(TKM motor sports/カワサキ KX250)も安定して上位に入る実力を示している。さらに、後方からの怒涛の追い上げで存在感を示した#69 外間匠(T.E.SPORT/ホンダ CRF250R)も、注目すべきライダーの一人だ。第4戦ヒート1では10番手以降から猛追し2位に浮上した。
なお、2025年の中国大会を振り返ると、地元の#12 稲迫 凛(BIKE SHOP JUN/ホンダ CRF450R)が初優勝を果たすなど、地元ライダーの活躍が目立った。今年も広島で腕を磨いてきたライダーたちが台風の目となる可能性は十分にある。
レディース(LMX)
激化する優勝争い、川井が5連勝を重ねるのか

レディースクラスは#1 川井麻央(T.E.SPORT/ホンダ CRF150RⅡ)が4連勝を重ねている。しかし第4戦では#14 川上真花(YSP浜松 BOSS RACING/ヤマハ YZ85LW)が好スタートから一気に差を広げ、序盤で7秒ものリードを築く走りを見せた。しかしラスト2周で周回遅れとの接触で転倒を喫し、川井にトップを明け渡す形に。悔しさを滲ませながらも、「1周目をトップで回って帰ってこれたのが今回が初めてで、今までで一番いい走りができた。次こそはぶっちぎりで勝ちにいきます」と、川上自身も手応えを口にした。

対する川井は「チャンスをモノにできる位置にいたこと、攻め続けたことは良かった」と語り、1戦1戦着実に積み重ねてきた連勝となる。2025年の中国大会を振り返ると、川井がここでも4連勝を達成し、シーズン前半戦を完全制覇した。路面への適応力が高い川井にとって相性の良い舞台でもある。ただ、「わだちなど荒れた路面が得意」という川上にとっても広島は戦いやすい舞台となる。また、第4戦で2位に入った#33 本田七海(TEAM KOH-Z/ヤマハ YZ85LW)や#2 箕浦未夢(Team ITOMO/ホンダ CRF150RⅡ)も上位争いに絡むライダーである。シーズン折り返しとなるこの一戦で、川井の5連勝が実現するか、川上らが抑えるのか、その行方は見逃せない。
D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2026 第5戦 中国大会
https://mspro.jp/jmx/2026r5
