9月12〜13日(日)の2日間、D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2026第7戦近畿大会MRAカップが、奈良県山辺郡山添村にある名阪スポーツランドにて開催された。今大会は2日間の開催で、公認クラスのIA1/IA2/IB OPEN/レディース(LMX)/JX(ジュニアクロス)に加え、承認クラスのCX(チャイルドクロス)、2st125、Yamaha YZ125 BLU CRU Cupという全8クラスが実施された。

例年は残暑のなか砂埃が舞う名阪スポーツランドだが、今回は両日とも雨が降り、水はけの良いサンドコースも降り続いた雨によって、各所に水たまりができるコンディションとなった。土曜日は公式予選とジュニアクロス/チャイルドクロス/2st125/Yamaha YZ125 BLU CRU Cupの決勝、日曜日はIA1/IA2/IB OPEN/レディース(LMX)の決勝が行われた。深く掘れた轍と水を含んだ路面が体力とマシンの両方を削り、ラインチョイスと冷静さが明暗を分ける一戦となった。

D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ 2026第7戦近畿大会MRAカップ
日時:2026年9月12〜13日
会場:名阪スポーツランド(奈良県)
天気:土曜:晴れ時々曇り、日曜:晴れ一時雨
観客動員数:4300名

IA1

大倉由揮が2ヒートを制して総合優勝、同点のチャンピオン争いを一歩リード

IA1クラスは15分+1周の3ヒート制で実施された。土曜の公式予選でトップタイムをマークしたのは#2 ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY RACING TEAM/ヤマハ YZ450FM)。2番手に#1 大倉由揮(Honda Dream Racing Bells/ホンダ CRF450R)、3番手に#3 大城魁之輔(YAMAHA FACTORY RACING TEAM/ヤマハ YZ450FM)が続き、同点で首位に並ぶ2人が予選から真っ向勝負を演じた。

ヒート1、スタートで先頭に立ったのは大倉。続いて#7 浅井亮太(BLUCRU YSP浜松BOSSRACING/ヤマハ YZ450F)、#54 道脇右京(バイカーズステーション金沢Racing/ヤマハ YZ450F)らが後を追う展開となった。浅井が大倉に迫る場面も見せたが、徐々にその差は拡大していく。一方、スタートで出遅れたウィルソンは4周目に全体ベストとなる1分37秒143をマークすると、浅井をかわして表彰台圏内へ浮上する。その間に大城も着実にポジションを上げて、大倉、ウィルソン、大城がトップ3となる。しかしウィルソンがレース終盤に転倒。これにより大城がポジションを上げ、結果は大倉が逃げ切り優勝を獲得。2位大城、3位ウィルソンという順位でレースを終えた。

ヒート2は大倉が好スタートを切るも、1周目のうちにウィルソンがトップへ浮上。ウィルソンは2周目に1分38秒774のベストラップを記録してレースをリードする。大倉も粘り強い走りで食らいつくが、レース中盤に転倒を喫してしまい、ここで大きく差が開く。結果、ウィルソンがヒート1の悔しさを晴らして勝利を収める。2位に大倉、3位には好スタートを決めた大塚が入賞を果たした。

ヒート3、ホールショットを獲得したのは、スポット参戦の#44 小島庸平(BellsRacing/ホンダ CRF450R)。しかしすぐに大倉がかわしてトップに躍り出る。一方、ウィルソンはスタートで出遅れ5番手あたりからの追い上げを強いられるが、2周目には2番手に浮上し大倉を捉える。両者の差は徐々に縮まり、1秒を切る接戦を繰り広げる。トップを守る大倉、攻めるウィルソン、2人の攻防戦が激しく繰り広げられる中、残り2分を切ったところでウィルソンが転倒。すぐに立て直し追いかけるが、大倉が逃げ切り優勝を飾った。結果、1位大倉、2位ウィルソン、3位大城でフィニッシュ。3ヒート中2ヒートを制した大倉が総合優勝を飾り、ウィルソンに5ポイント差をつけてチャンピオンシップをリードする形となった。

#1大倉由揮
「夏のインターバル中、地元大阪は連日38度くらいで、出歩くだけで体調を崩しそうな暑さで、思うように練習もできず『こんなんで自分は大丈夫なのかな』と思いながら過ごしていました。それでも8月にはタイ選手権に行かせてもらって、レース感を維持する良い予行練習になりました。今回はジェイさんと一対一で戦うことができて、ヒート2は自分が転倒して2位になりましたが、全体的に良くまとめられた一日になったと思います。ジェイさんとのスキルの差やラインチョイスの上手さ、ギャップを利用して飛んでいくような細かい乗りこなしがまだ自分には足りていないと感じましたが、日本人ライダーの中では少し抜け出せているのではないかという自信はありますし、まだまだ伸びしろはあると思っています」

#2ジェイ・ウィルソン
「自分のライディング自体は本当に良かった。ポジティブな部分がたくさんあった。サマーブレイクで、しっかり休む時間を取ることができて、そのあとヨーロッパへ行って1ヶ月トレーニングを積んだんだ。帰ってきてからもさらに休養が取れたので、身体の強さが戻ってきたし、フィジカル面もかなり良くなった。“新しいジェイ”になって戻ってこられたという感覚があるよ。ただスタートからいいポジションに付けられず、そこから挽回していかなければならなかった。このコースは必ずしも一番速いライダーが勝つコースではない。それが、ここを走る時に自分が一番不安に感じるところなんだ。今日は明らかにスピード自体は良かったが、自分をいいポジションに置くことができず、それが今日の代償になってしまった。ここから切り替えて、次のオフロードヴィレッジに向かうのを楽しみにしているよ。みんなずいぶん早い段階からチャンピオンシップの話をしているが、去年見たとおり、最終戦が終わるまでは何が起きてもおかしくない。次戦に下田選手が来ることについては、もちろんワクワクするし、ファンの関心も高まる。ライダーにとってもそうだ。ただ、自分にはチャンピオンシップを争うという目標があるので、自分にとって何かが変わるわけではない。彼と走って、それを楽しめたらいいと思うよ」

#3大城魁之輔
「率直に悔しいです。1〜2周目のインテンシティ(瞬発的なスピード)の低さが原因なのですが、これはずっと言っている課題なので、今回も繰り返してしまって本当に恥ずかしいです。中盤から終盤は乗れているのですが、この2日間に関してはちょっと乗り切れない感じがずっとあって、15分かけて3位まで上がるようなレースになってしまいました。インターバルは基本的に国内で、北海道にも東北にも行って調子自体は全然良かったですし、瞬発系を意識したトレーニングもやってきました。中盤・終盤はもともと得意なので、短い時間でパッと速さを出すようなトレーニングをしてきたんですが、まだ足りていないということですね……」

#4大塚豪太
「表彰台には上がれましたけど、ヒート優勝を目指してこのインターバルをひたすらやってきたので、満足はいっていないです。ただ、僕はこれまで名阪とあまり相性が良くなかったので、その名阪でちゃんと成長を感じられるレースができたのは良かったと思います。インターバルは1ヶ月ほどコーチの山本鯨さんのところに住み込みさせてもらって、名阪に通って練習をしていました。ヒート優勝を目標に、自分の足りないところを洗い出して、どうしたら速くなれるのか、自問自答しながらやってきました。今回は3ヒートを入賞でまとめられましたし、ヒート3はスタートで出遅れたけれど最低限のところまでは上がれました。精神面も含めて全体的に少しずつ強くなったかなと思います。ただ、ヒート優勝するにはまだ足りないんだろうなと。今回達成できなかったので、ヒート優勝は次に持ち越しです」

IA2

柳瀬大河が2大会連続のパーフェクトウィンを飾る

IA2クラスは30分+1周の2ヒート制。土曜日の予選では#240 横澤拓夢(Kawasaki PLAZA 盛岡TKM motor sports/カワサキ KX250)がトップ、#51 柳瀬大河(Honda Dream Racing/ホンダ CRF250R)が2番手につけた一方、ランキング2位の#55 田中淳也(YAMAHA BLUCRU RACING TEAM YSP浜松BOSS RACING/ヤマハ YZ250F)はペナルティにより、13番グリッドからのスタートを強いられることとなった。

ヒート1、柳瀬がスタートで前に出ると、横澤がその後を追う展開。同じく田中も好スタートを切ったが、2コーナーでエンストし、10番手あたりまで順位を落としてしまう。柳瀬は序盤から危なげない走りでペースを刻んで独走態勢を築く。一方、3番手争いでは#100 住友睦巳(YSP浜松 BOSS RACING/ヤマハ YZ250F)に#46 吉田琉雲(Bells Racing/ホンダ CRF250R)が迫る。吉田はクラス内ベストラップタイム1分47秒653を記録するペースで追い上げ、3番手に浮上する。柳瀬は安定した走りで後続を寄せ付けず、2位に26秒238差をつけて優勝を獲得。2位横澤、3位吉田という順でフィニッシュした。

ヒート2も柳瀬が好スタートを決めてトップに立つ。田中と横澤が後を追うが、ここでも柳瀬はリードを広げて単独走行へと持ち込む。トップ3の差が広がる中、#48 渡辺陵(BLUCRU TeamPitin with M:F/ヤマハ YZ250F)が怒涛の追い上げを見せ、レース中盤で3番手の横澤に迫る。表彰台争いが白熱する中、2番手を走行していた田中は残り5分というところで転倒しかけ、エンジンが止まってしまう。再始動に時間がかかり、その間に#48 渡辺陵(BLUCRU TeamPitin with M:F/ヤマハ YZ250F)と横澤がポジションを上げる。田中は4番手まで後退するが、そこから再びペースを上げ、残り2周というところで2番手までポジションを上げる。結果は柳瀬が両ヒート制覇のパーフェクトウィン。2位田中、3位には横澤とのバトルを制した渡辺がは入賞を果たした。なお、ヒート1で3位表彰台を獲得した吉田は、レース中に負った怪我の影響でヒート2を欠場している。

#51柳瀬大河
「土曜日から調子良く走れていました。インターバル中は前哨戦となる中日本選手権も出たんですが、その時は心配になるくらい遅くて、大丈夫かなという気持ちもあったのですが、今回のコンディションは割と得意で、1周を繋がり良く走ることができて、乗れているなと実感するライディングができていました。ライン選びも比較的良かったと思いますし、バイクも自分も、すべてがうまく噛み合った1日だったなと思います。サインボードで後ろとのラップタイム差も出してもらっていて、1、2周目から後ろと差が開いていたのがわかったので、自分の走りに集中して走れました。次戦はジャンプが多いコースレイアウトで、日本人があまり経験したことのないようなジャンプになっているので、ある意味イコールコンディションかなと思っています。残り2戦、ここまでの流れを維持できるように頑張りたいです」

#55田中淳也
「後半戦の最初に優勝していいスタートを切って、ラスト3戦でチャンピオン獲得に向けてポイント差を詰めていこうと思っていたので、率直に悔しいです。昨日の予選から調子は良かったのですが、マシンのペナルティで順位が下がってグリッドが不利な中でのスタートでした。ヒート1はスタートで出れたと思ったら2コーナーでエンストして止まってしまって。復帰して少しずつ追い上げていったら、前のライダーがジャンプの着地で転倒して、そこに突っ込んでまた転倒……。でも2回転んで、後ろから抜いていくのが難しいコンディションの中で4位まで上がってこられたのは、最低限ですが良かったと思います。ヒート2は2位を走っていたのに、転倒しかけた時にエンストして、2台に抜かれてしまいました。ただ、そこでもう一回気持ちを切り替えて、4番手ではダメだ、2番手まで戻るしかないと思って走り切りました。それでも自分が目標にしていたところには届かず、納得のいく大会ではないです。ランキングトップのライダーとは離れていく一方なので、ラスト2戦しかない中でどう戦うかをまた考えます。北海道の後すぐに始めたメンタルトレーニングは、今回いい方向に行ったと思います。転倒が多いのは変わらないんですが、転倒した後のマインドや考え方を学んで、サインボードでも出してもらいながらコントロールできたのかなと。そこはラスト2戦にも繋げていきたいです」

#46吉田琉雲
「地元ですし、去年勝っているのでプレッシャーはすごく感じました。スタートで出れなくても、転がなければいけるなという自信はありました。ただ、スタートしてすぐ2コーナーでチームメイトに引っかかって転んでしまって、その後も4コーナーで転倒して、結構バタバタでした。中盤、奥のダブルジャンプの着地で手を痛めてしまい、そこから15分くらい耐えました。めちゃくちゃ痛いなか、それでも3位で走りきれたので、いいでしょうという感じです」

IB OPEN

外間匠が完全優勝でランキング首位を堅守

IB OPENクラスは20分+1周の2ヒート制で行われた。ランキング上位3人の差がわずか28ポイント、IA昇格ラインとなる5位は同点という大混戦のなか後半戦を迎えた。

ヒート1、ホールショットを奪ったのは#1 酢崎友哉(成田MXパーク アシタプランニングMS/カワサキ KX450)。#3 笹島勇気(Crazy Racing with B/ヤマハ YZ250F)、#12 稲迫凛(BIKE SHOP JUN/ホンダ CRF450R)、#57 木村優希(TeamPowerBand/カワサキ KX250)が続く展開となるが、笹島は1周目に転倒。2周目には酢崎に稲迫と木村が迫り、木村がトップへ浮上する。しばらくは木村が後続を引き離す展開となったが、その後方では#80 水野零埜(ZEROPOINTRACING with ysp名古屋北/ヤマハ YZ250F)と#69 外間匠(T.E.SPORT/ホンダ CRF250R)がポジションを上げ表彰台争いを展開する。外間が水野をかわして3番手に。外間はレース終盤に転倒を喫しながらもポジションを落とさず、最後は木村をとらえてトップでチェッカー。2位には酢崎、3位木村という結果になった。

ヒート2はスタートで笹島、#17 長崎有優(Kawasaki PLAZA 盛岡 TKM motor sports/カワサキ KX250)、稲迫らが前に出て、笹島が先頭に立つ。しかし笹島は2周目にエンストし、代わって稲迫と今岡が前に出る展開となった。今岡が稲迫をかわしてトップに立つが、その背後には外間が迫る。スタートから6分を過ぎたあたりで今岡がミスをした隙を突き、外間がトップを奪取。外間はその後も2番手以降より2秒近く速いラップタイムを刻み、他を寄せ付けない速さで独走状態へと持ち込む。結果は外間が21秒114差をつけて優勝。2位今岡、3位には清宮とのバトルを制した酢崎が入賞を果たした。

#69外間匠
「インターバルでは名阪で乗り込んだり、腕上がりしないように、もっと強く乗れるようにとトレーニング量を増やしてきました。今回も腕上がりはしてしまったのですが、体力は全然持つようになりましたし、ライディングでもいいところが増えてきたかなと思います。特にヒート2の轍を上手く走れて、ペースを上げることができました。轍の走り方というか、自分がうまく走れるスピードを掴めましたし、開幕前のオフシーズンにアメリカで轍を練習してきたのがやっと生きたかなと思います。自分的には乗れていたと思いますが、A級と比べるとタイムが出ていないのは悔しいです。ヒート1は運もあったと思いますが、ヒート2はもう完全に実力で勝てました。あと2戦、とりあえずは勝つこと。勝って、どれだけA級のタイムに食い込めるかというところと、自分の走りをみんなに見せていきたいです」

#1酢崎友哉
「これまでのIB決勝で一番良い結果でした。両ヒートとも表彰台というのが今までなくて、初めて2つとも表彰台に乗れたので嬉しいです。実は初めて全日本に出たのもここ名阪で、2024年でした。その時は怪我をして途中までしか走れず、あまり良い思い出がなかったんですが、去年も今年も表彰台に乗れて、なんだかんだ好きなコースになりました。ただ、今季は2位とか3位ばっかりなので、そろそろ勝ちたいです。自分は成田モトクロスパークでしか練習はしてなくて、そこはあまり轍ができないんです。サンドでジャンプの飛び出しに深い轍ができるということがないので、そこは苦戦したんですが、それでも成績を残せたので自信がつきました。あと2戦に向けて良い流れを作れたかなと思います。成田で走ってどこまで行けるかという中で、2位までは獲れるとわかったので、あとは優勝だけです」

レディース(LMX)

川井麻央が7連勝、0.7秒差の攻防を制す

15分+1周の1ヒート制で実施されたレディースクラス。スタートで前に出たのは#4 穗苅愛香(BLU CRU TOMOレーシング/ヤマハ YZ85LW)。続いて#14 川上真花(YSP浜松 BOSS RACING/ヤマハ YZ85LW)や#1 川井麻央(T.E.SPORT/ホンダ CRF150RⅡ)らが続く。川井は2コーナーで2番手に上がるとそのまま穂苅をかわしてレースをリードする。一方、穂苅は転倒を喫し後退。代わって川上、#2 箕浦未夢(Team ITOMO/ホンダ CRF150RⅡ)、#33 本田七海(TEAM KOH-Z/ヤマハ YZ85LW)らが川井の後を追いかけた。川上は序盤で2番手に上がると、バックマーカーに引っかかる場面もありながら、川井との差を詰めていく。川井は、コースにできた深い水たまりでマシンが水を吸い込みパワーが出ないというアクシデントがある状況の中、トップを守り切りゴール。0秒717差という僅差で川井が今季7勝目を獲得した。2位川上、3位は箕浦がチェッカーを受けたが、音量規定違反により5順位降格となり、4位の本田が繰り上がり3位入賞となった。

#1川井麻央
「8月は毎週名阪に来ていましたね。練習するならと泊まり込みで練習できる環境をサポートしていただきました。ずっとバイクに乗っていた夏だったので、勝つことができてよかったと思います。自信はあったんですけど、やっぱり雨の影響が大きくて。150ccはもともとバイクが重いので、泥がつくことでさらに重くなってしまって大変でした。さらに、水たまりも結構深いところがあって、そこを走った時にバイクが水を吸ってしまって、もう止まるギリギリみたいな状態で走っていました。振り返るときついレースでしたが、後ろからきていた川上選手が速い場所もわかっていたので、そこで差を詰められないように冷静に走り切ることができました。残り2戦、次は地元ですけど、気を抜くどころかさらに気を引き締めないといけないと思っています。コースはまだ走っていませんが、ジャンプは得意なので全然心配ないです」

#14川上真花
「インターバルは練習三昧でした。125ccに乗れたら85ccも簡単に乗れるということで、125にたくさん乗って、お兄ちゃんと練習する時は2人とも85で一緒に乗っていました。名阪でも乗り込んで、完璧だと思っていました。一番残念なのはトップタイムを出せていないところで、決勝も予選も、たぶん練習走行も負けているので、一回くらいトップタイムを出したかったなというのはあります。予選は勝ちたかったですね。そこで気持ちが違ったんじゃないかなと思います。決勝はスタートをしっかりイメージしたらちゃんと前に出れたのですが、ミスでアウト側にふくらんでしまい、そこで順位を落として3番手になってしまいました。速いライダーが前に行ってしまうと気持ちが折れて、去年とかは離されてしまっていたんですが、今回は1周目から川井さんが2連を飛んでいったので、自分はジャンプが苦手なのに『もう行くしかない』と行きました。全然届かなくてぶっ飛びかけましたが、あの気持ちを入れられたのは過去一だったかなと思います。そのあとは丁寧に走ろうとレース中でも気持ちを切り替えられました。次は自分の地元でやられてしまったので、相手の地元でやり返す。かっこいい展開を作れたらいいなと思います」

#33本田七海
「今回は地元ですごく応援もたくさん来てくれていたので、ここは必ず1勝する、と思っていました。ただ、アメリカから帰ってきた大会1週間前は全然調子良く乗れていなくて、不安なまま昨日の練習走行に入ったという感じでした。それでも乗るたびに良くなってきて、調子も上がってきていたのですが、スタート前にプラグがかぶってしまいました。気温が急に上がったこともあってセッティングが合わず、プラグ交換をしていたらサイティングに行けず、不安を感じながら走る形になって、3回も転んでしまいました。スタート位置はイン側を選びました。スタートで前に出られなくても次のコーナーでそれなりに抜け出せると思っての判断で、実際出遅れたけれど、1周目に4位で帰ってこられました。今回は繰り上がっての3位という形になりましたし、優勝も狙っていたので、悔しさの方が大きいです。今年は表彰台にもあまり乗れていないので、せめて1勝はしたいという気持ちが強いです。次のオフロードヴィレッジはみんな練習してくるでしょうし、前の3人もすごくレベルが上がっていると思うので、そこで気持ちを落とさず戦いたいなと思います」

JX(ジュニアクロス)

齋藤輪が圧倒的な実力を見せつける

JX(ジュニアクロス)は土曜に決勝が行われた。前日に降った雨の影響が残り、ショートカットコースでレースが行われた。1周目は#88 堀田新(YSP浜松 with BABANASHOX/ヤマハ YZ85LW)、#89齋藤輪CLUB Mr-BIKE/ジュニアベルズ/ヤマハ YZ85LW)、#121 熊谷夏空(TAG /ホンダ CRF150RⅡ)、#4 齋藤極(CLUB Mr-BIKE/ジュニアベルズ/ヤマハ YZ85LW)の順で通過したが、齋藤がすぐに前をかわしてトップに浮上する。2周目には熊谷が転倒し、#7 古賀海里(TEAMぱわあくらふと/GASGAS MC85)と#386 加藤瑠一(GRINTA RACING with PLAZA長崎/カワサキ KX85)がポジションをアップ。荒れた路面で転倒も相次いだが、齋藤はその後も安定した走りでトップを快走し、2位に23秒505差をつけて優勝。2位古賀、3位加藤という順位でレースを終えた。

2st125

伊良皆龍翔が最速ラップタイムで圧勝

2st125クラスも土曜に決勝が行われた。スタートからトップを走行したのは#25 伊良皆龍翔(ヤマハ YZ125)。2位以降は転倒が相次ぎ、1周目から早くもトップと2位以降の差が開く展開となった。1周目は伊良皆、#940 奥村海(ホンダ CR125)、#101 羽田悠人(レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ125)、#41 酒井一馬の順で通過。伊良皆は1分53秒台という、2番手以降に対して10秒以上も速いラップタイムで周回を重ねる。終盤にかけては羽田が奥村に迫る追い上げを見せたものの、そのままの順位でフィニッシュ。伊良皆が2位に1分2秒598差という大差をつけて優勝し、2位奥村、3位羽田という結果となった。

Yamaha YZ125 BLU CRU Cup

伊良皆龍翔が2クラス制覇

若手育成を目的に併催されるYamaha YZ125 BLU CRU Cup。ホールショットからトップを走行したのは#25 伊良皆龍翔(ヤマハ YZ125)。その後ろには#39 平岡正悟(チームモトスペース/ヤマハ YZ125)、#5 大泉拓也(YSP浜北大橋レーシング/ヤマハ YZ125)、#15 浅井大翔(YSP浜松BOSSRACING/ヤマハ YZ125)が続いていく。伊良皆は圧倒的な速さで後続を引き離して独走状態に持ち込む。一方、2番手争いは大泉が平岡をかわし、レース序盤で2番手に浮上。結果は伊良皆が2位に28秒455差をつけて優勝し、2st125クラスと合わせて2クラス制覇を達成した。2位大泉、3位平岡、4位にはレディースクラスとダブルエントリーの#14 川上真花が入賞した。

CX(チャイルドクロス)

荒れた路面で転倒相次ぎ、逆転優勝

チャイルドクロスは排気量50cc以下の国産4ストロークエンジンバイクで競うAクラスと、外国メーカーの2ストロークエンジン車両に加えていくつかの許可された電動モトクロッサーで走るBクラスの混走で行われる。スタートで前に出たBクラスのライダーは#91 寺坂真壽(MTracing/クラブベルズ/Husqvarna TC50)、#1 伊良皆康喜(GASGAS E5)、#7 浅田琉花(SWIFT RACING/Husqvarna TC50)、#21 髙村風生(KTM NAGOYA/KTM SX-E5)、Aクラスは#25 齋藤光志(TKS&かもん小池レーシング/スズキ DR-Z50)、#51 向山絵智(ホンダ CRF50F)、#90 寺坂茉梨乃(MTracing/クラブベルズ/スズキ DR-Z50 )という順でレースが展開。1周目に伊良皆が寺坂真壽をかわしてトップに浮上。齋藤光志もBクラスのライダーに負けない速さで走行を重ね、Aクラスのトップに立つ。その後、伊良皆が転倒して浅田がトップに浮上。齋藤光志、髙村が続く展開となるが、レース後半にはブリヂストンジャンプ前での転倒が相次ぎ、登り切れずにスタックするライダーが続出する。ここで浅田、齋藤光志、髙村らも詰まってしまい、レースは一気に荒れた展開に。浅田がレースをリードし、このままゴールかと思われたが、最終ラップに浅田がトラブルに見舞われ後退。最後まで粘り強く追い上げた髙村がBクラスで逆転優勝を飾った。Aクラスは齋藤光志が優勝。最後までどうなるかわからない波乱のレースを制した。

次戦、D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2026第8戦 TOKIO INKARAMI Super Motocrossは、10月10〜11日の2日間、埼玉県川越市のオフロードヴィレッジにて開催される。シーズンは全9戦中7戦を終え、残すは2戦のみ。IA1は大倉とウィルソンが5ポイント差、IA2/IB OPEN/レディースクラスはトップがそれぞれリードを広げて終盤戦に突入する。さらに、第8戦には、AMAスーパーモトクロス選手権250クラスチャンピオンの下田丈が来日・参戦する。白熱するランキング争いと下田の走りをぜひ会場で見届けてほしい。

なお、第8戦の1週間前、10月2日(金)〜4日(日)にはフランス・エルネーで国別対抗戦「Monster Energy FIM Motocross of Nations(MXoN)」が開催され、日本代表「TEAM JAPAN」として大城魁之輔、横山遥希、大倉由揮の3名が出場する。世界の強豪に挑む日本代表も応援してほしい。

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