モトクロスの国別対抗戦「モトクロス・オブ・ネイションズ(MXoN)」が、10月2日から4日にかけてフランス・エルネーのCircuit Raymond Demyで開催。最終日、日本代表は決勝進出をかけたB決勝に出場した。

ゲートピックは大城を先に

土曜日に行われた予選で総合24位となった日本は、ストレートで決勝進出することは叶わず、決勝進出をかけたB決勝に出場した。B決勝は20位以下、13組のチームメンバー全員がグリッドに並び一斉にスタートする。チーム内上位2名の合計順位がポイントとなり、1位の国だけが決勝へ進む。予選ではMX OPENクラスに出場した大倉が他ライダーに接触されクラッシュ。大事には至らなかったが、腕を負傷し、怪我の様子を見て当日朝に出場を判断することとなった。直前まで走りたいと話す大倉だったが、腕の腫れは引かず、大事をとってレースを欠場する判断をした。

ルール上、B決勝と決勝はチーム2名でも出走可能であるが、先述したように、通常は3人のうち上位2人の結果で決まるというところ、2人の結果がそのまま反映されるため、1人のミスも許されない状況となる。他チームと比べると厳しい状況になるが、大城と横山は「B決勝で2人とも5位以内に入れば決勝にいける」と、決勝進出へ闘志を燃やしていた。

ゲートを選ぶ順番は予選の結果順であり、20〜32組目と1人ずつ選んだのち、同じように2人目が選んでいく(※予選24位の日本の場合、1人目が4番目、2人目は17番目となる)。このゲートピック順は、予選終了後に大城と横山2人で話して決めたという。初めは横山が1番目に選ぶと話していたが、インからなら前に出られると考えていた大城に対し、横山が予選で中央寄りから好スタートを切っていたこともあり、大城が1番目となった。

大城は一番イン側から8番目、横山は19番目と中央寄りの場所を選びレースを迎えた。

大城がホールショット、決勝進出圏内を戦い総合3位

ゲートピックが功を奏し、B決勝では2人ともスタートで良い反応を見せると、1コーナーで上手くアウト側に膨らみながらイン寄りのライダーを抑えて集団を抜け出し、大城はホールショットを獲得、横山も5番手あたりにつけることができた。1周目、大城はレースをリードするが、上りセクションで真横から差し込む陽の光に苦しむ。わだちやギャップの中まで影になり、路面がまったく見えない状況でバランスを崩し、2位にポジションを落としてしまう。横山も好スタートを切り1周目を6番手で通過。この時点で日本代表は1位で、チェコが1ポイント差で決勝進出枠を競う展開となる。

その後、大城は前を走るライダーの転倒もあり2番手に浮上するが、レース終盤に転倒。すぐに復帰し、3番手から追い上げを続けるがそのままチェッカーを受けた。一方横山もレース中盤で転倒を喫し10番手あたりまで後退。しかし最後まで追い上げを図り、8位まで追い上げてフィニッシュ。日本はB決勝を総合3位で終えた。

最終順位は総合22位。惜しくも決勝進出とはならならなかったが、最後まで代表3人で話し合い、情報を共有するなどチームワークが光った。欠場となった大倉も、B決勝前のウォームアップの様子を動画撮影しチーム内で共有するなど、最後までチームに貢献し、全員が一丸となって戦い抜いた。

ライダーコメント

#31 大城魁之輔
「昨日B決勝進出が決まった時点で、はるちゃん(横山選手)とゲートピック順について話し合って、自分はインから出られるんじゃないかと思っていたので、先に選ばせてもらいました。B決勝はスタートがしっかり決まってそこまでは作戦成功でしたが、レースがあった時間帯の朝日が結構強くて、テーブルトップ手前の縦わだちが長くてギャップもあるのに、真横からの日差しでわだちが全部影になっていて、まったく見えなかったんです。1周目トップで走っていたのですが、バランスを崩してテーブルトップを飛べず、ポジションを落としました。途中で2位を走るライダーが転倒して2番手に上がったんですけど、コーナーに角度きつめに入ったらリアが持っていかれてしまって、耐えきれず転んでしまいました。すぐ復帰したけど、3番手でゴール。悔しいです。今回自分は初めてということで、2人にいろんな面でサポートや助言をしてもらいました。みんなで協力して、決勝進出も見えていたからこそ、さらに悔しいです。またリベンジしたいです」

#32 横山遥希
「僕も、予選でもB決勝でも転倒によって順位を下げてしまいました。転倒は悔やまれますが、そこまでプッシュしないと通れるものも通れない領域でした。どこでリスクを取って結果につなげるか。コースも『難しかった』という一言では簡単すぎるくらい難しかったです。かいちゃん(大城選手)は初出場でしたが、一番活躍していたと思います。同世代だから気を使わずにいれましたし、情報を共有して良いチームワークで大会に臨めたと思います。今回ネイションズに参加して、テクニックはまだまだすべての面で劣っていますが、それは天と地の差ではないと思っています。こういう話をみんなで共有していけば、日本のレベルがさらに上がると思います」

#33 大倉由揮
「僕に関してはゴールすらできなかったのが本当に悔しいです。同世代の3人だからこそ、もっと上を目指せた。今まで以上に3人のポテンシャルを引き出せた走りはできていたと思うので、それが転倒で結果に結びつかなかったのがすごく悔しいです。この舞台を経験することで感じるものはたくさんありますし、バイクってこんなに速く走らせられるんだと、可能性は無限大だと、改めて速くなりたいと思いました。今後も、ネイションズの選考会でまたこの3人でいこうと思わせる走りをこれからもしていきたいです。みんなでパワーアップして戻ってきます。怪我については日本に帰ってちゃんとチェックして、第8戦にしっかり間に合わせられるように調整していきたいと思います」

MXoN2026の詳しいリザルトはこちら https://www.mfj.or.jp/national/2026-mx-major-competitions/2026-fim-motocross-of-nations/

優勝はベルギー、13年ぶり16回目

2026年、決勝を制したのはベルギー。メンバーはルーカス・クーネン(MXGPクラス)、サシャ・クーネン(MX2クラス)、リアム・エバーツ(MX OPENクラス)という若手3人を揃えていた。

MXGPとMX2が混走するレース1は、地元フランスのロマン・フェーブルが優勝。ベルギーはルーカスが3位、サシャが12位で、この時点の総合順位はスペインに次ぐ2番手だった。MX2とMX OPENが走るレース2は、オランダのジェフリー・ハーリングスが制し、フランスはトム・ヴィアルが序盤に激しく転倒して優勝争いから後退。ベルギーはエバーツ4位、サシャ7位とそろえて、首位に立った。最終のレース3もハーリングスが後方から追い上げて連勝したが、ベルギーはエバーツ4位、ルーカス5位でまとめ見事逃げ切り勝利。ベルギーは6つの順位のうち最も低いサシャの12位を除いた合計23ポイント。2位のスペイン(26ポイント)と3位オランダ(34ポイント)を抑え、2013年以来13年ぶり16回目の優勝を果たした。なお、16回の優勝はイギリスと並ぶ最多記録タイであり、エバーツの祖父ハリーが1976年に初めてMXoNを制してから、ちょうど50年後の勝利でもあった。

BLU CRU SuperFinale、YZ125クラスの伊良皆龍翔は21位

併催されたYZ BLU CRU FIM Europe Cup SuperFinaleでは、日曜午前9:20からYZ125クラスの決勝(20分+2周)がおこなわれ、日本代表に選ばれた伊良皆龍翔が出場した。

伊良皆はスタートで出遅れたものの、1〜2コーナーで10番手あたりまで追い上げる。しかし直後、目の前で転倒したライダーに突っ込んでしまい、ポジションを落とした。さらに追い上げの途中、低い角度から差し込む朝日でわだちがまったく見えない区間で転倒。2度の転倒が響き、21位でレースを終えた。

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