レースに関する疑問を解消。観戦ポイントも押さえよう!

5月14日〜15日に、埼玉県のオフロードヴィレッジ(埼玉県川越市中老袋295−5)で全日本モトクロス選手権 第2戦 関東大会が行われます。

モトクロスレースは抜きつ抜かれつといった順位変動が起きやすく、見ていて非常に盛り上がる競技。
そんな熱いレースを繰り広げる日本のトップモトクロスライダーたちの走りを、関東近郊から一番近い会場で見ることができます。会場は関越自動車道・川越インターから約20分とアクセスもしやすいのが特徴です。

しかも多くの大会で中学生以下は観戦無料なので、ファミリーでもお得に楽しめますよ!
(※関東大会は小学生以下無料です。お気を付けください!)

とは言え、モトクロスレースとはどんな競技なのか? 見どころはどこなのか? どんな服装でいったらいいのか?と、観戦ビギナーにはわからないことばかり。

そこで観戦ビギナーに向けて、モトクロスレースの観戦ポイントを紹介しましょう!

そもそもモトクロスレースとは?

未舗装のコースを周回して順位を競うレースのこと。
コースは自然の地形を生かしたアップダウンがあり、コーナーやジャンプなどが設けられています。

コース一周の長さは1.3km以上3km以下と定められ、クラスや大会によって変わることがありますが、30分+1周を2ヒート、20分+1周を2ヒート、15分+1周を3ヒートといった内容でレースが行われます。

モトクロスレースのここが面白い!

空高く舞うジャンプ、コーナーを土煙を巻き上げ豪快に走り抜ける姿はモトクロスならでは。
さらに、選手が横一列に並び一斉にスタートし、1コーナー目掛けて飛び込んでいく様は必見です!

レースが進むほどにコースが荒れてくるため、ライン選びが勝敗を大きく左右します。同じ選手でもレースの進み方次第でコーナーの攻略方法が変わってくる場合もあり、観戦する側も常に変化を楽しめます。

走っているのはどんな車両?

モトクロッサーという、モトクロスレース専用のマシンを用います。
形は公道から林道まで走れるトレール車(オフ車)に似ていますが、中身は全くの別物!

下の表で比べてみると……

スペックモトクロッサー・CRF250Rトレールモデル・CRF250L
全長(mm)21772230
全幅(mm)827820
全高(mm)12651200
シート高(mm)961880
車両重量(kg)104140
エンジン種類水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒
排気量(cc)249.4249
内径×行程(mm)79.0×50.976.0×55.0
圧縮比13.910.7
懸架方式前:テレスコピック式 クッションストローク 310mm
後:スイングアーム式 アクスルトラベル 313mm
前:テレスコピック式 クッションストローク 260mm
後:スイングアーム式 アクスルトラベル 260mm

スペック好きでないと、表を並べられたところで???かもしれませんが、
分かりやすい違いは、車両重量! モトクロッサーはレーシングモデルなので保安部品はなく非常に軽量にできています。

車両の加速能力を比べる目安として、車両重量に対する馬力の大きさがどれほどなのかを数値化したパワーウエイトレシオ(1馬力あたりが負担する車両重量のこと。重量÷馬力で算出)を比べてみましょう。

モトクロッサーのCRF250Rはレーシングモデルなので馬力は公表されていませんが、国内外で車両のベンチテストした数値を平均すると約39馬力。対するトレール車のCRF250Lは24馬力。

モトクロッサー・CRF250Rトレールモデル・CRF250L
パワーウェイトレシオ2.665.83

自動車でこの数値に近いモデルに例えると、

『ランボルギーニ・ガヤルド』と『ニッサン・グロリア(11代目)』がそれにあたり、スーパーカーとセダンぐらいに性能が違うということなのです。

※日産・グロリアの画像は日産ホームページより引用

レースにはどんなクラスがあるの?

トップカテゴリーの『IA』クラス

全日本モトクロスはクラスが分けされていて、トップカテゴリーは国際A級ライセンスを所持する選手が出場できるIA(アイエー:インターナショナルA)クラスとなります。
そのIAは、さらにIA1(アイエーワン)、IA2(アイエーツー)があります。

IA1:車両/4st291~450cc、2st176~250cc
IA2:車両/4st176~250cc、2st86~125cc

伸び盛りの選手の走りが面白い!『IB』クラス

IAクラスの次が国際B級ライセンスを所持する選手を対象としたIB(アイビー:インターナショナルB)となります。このクラスは排気量制限のないオープンクラス。将来を期待される若手ライダーたちがひしめき合うクラスなので、見ていてかなり面白い! 「あの選手速いなぁ」と思ったらしっかりとチェックしておきましょう。数年後はワークスで走っているかもしれません。

IB OPEN:車両/4st176~250cc・291~450cc、2st101~125cc・2st176~250cc

女性たちの熱き戦い!『LMX』クラス

レディースクラスのLMXもあり、こちらはMFJモトクロスライセンスを所持するライダーが出場できます。車両はフルサイズのモトクロッサーよりも一回り小さいミニモトクロッサーと呼ばれるマシンを使用します。

ただ、小さいと侮るなかれ! レーシングマシンなので想像以上にパワフル。しかも、フルサイズのマシンが走るコースと同じなので、コースの荒れ具合によってはろミニモトクロッサーで走る方が大変なことも……。

LMX:車両/4st86~150cc、2st66~85cc

観戦するポイントは?

全日本モトクロス選手権が開催されるコースレイアウトは各地によって違いますが、観戦ポイントは共通していることが多いです。下記のポイントと観客が多く集まっている場所で見るとハズレはないはず。

あとは、各コースとも周囲をぐるっと歩いて回れることがほどんどなので、位置を変えて自分の好きな観戦ポイントを見つけるのも面白いですよ。

①スタートから1コーナーへの進入

選手がスタートラインに横一列で並ぶモトクロスは、スタートでいかに前へ出られるかで、その後のレース展開が大きく変わってきます。というのも、レース中に他の選手を抜こうとすればスタミナを消耗し、前の選手を抜こうとしている間にもトップを走る選手との差はどんどん開いていってしまうからです。

スタートで一人でも前に行くことができたら、その後のレースも優位に進められます。
だからこそ、スタートは非常に重要であり見どころでもあるのです。

②3連や6連など連続するジャンプセクション

モトクロスの大きなジャンプは魅力ですが、それ以上に選手の力量を試されるのが連続するジャンプセクションです。小さめのジャンプを一つ一つ飛ぶのは効率が悪く、当然体力も消耗します。それなら、2つや3つのジャンプをまとめて飛んだ方が速いというわけ。

3連、6連などのジャンプセクションは、クラスや選手、レースの状況によって飛び方が変わってくるため、ここも見どころの一つです。

③ジャンプよりさらに緩やかな山が連なる〝ウェーブ〟、ウェーブよりもさらに小さなコブが連なった〝フープス〟

ウェーブ、フープスも観戦ポイントです。ウェーブセクションは選手によって攻略方法が変わり、2個ずつ飛んだりフロントタイヤを上げて越えたりします。ただしどちらの攻略方法が必ず速いということはなく、状況によって変わってきます。レースが進みウェーブの山が削れてくると、ウイリー状態で走った方がリヤタイヤが常に設置している分、推進力が得られ速く走ることができます。

フープスはウォッシュボードとも呼ばれる、連続するコブが特徴。攻略方法としては、コブの頂点をかすめるように走るスキミングという走法が速いですが、ウェーブ同様にレースの進行によって荒れてきた場合には複数のコブをジャンプして超えるというような状況も生まれてきます。

常に変化する路面だからこそ、柔軟に対応するスキルが要求されます。同じ選手でも周回によって変わったりするので、その違いを見ると一層楽しめます。

④観戦ポイントはちょっと違いますが、選手やマシンが待機するパドックもおすすめ

モトクロスレースは、選手が待機したりマシンの整備をする〝パドック〟へ観客も足を運ぶことができます。間近で選手を見ることができ、レースを一層身近に感じられます。

観戦の服装や持っていったらいいものは?

コースの周りは舗装されてないことがほとんど。そのため、歩きやすいシューズ、動きやすい服装がおすすめ。日差しを遮るような場所も少ないので、熱中症を予防するために帽子があると安心です。日焼けは体力を消耗します。皮膚が弱い方は日焼け止めも必須。またウェットティッシュも用意しておくと何かと便利です。

観客席が用意されていることもあるが、基本は立ち見。アウトドアで使うコンパクトに収納できるチェアがあると、長時間の観戦でも疲れることなく楽しめます。

雨の場合の観戦は?

雨の場合は傘を持っての観戦は他の観客の迷惑になることもあるので、レインウエアは必ず用意しましょう。長時間の観戦なので、透湿性のないビニールカッパだと雨の多い梅雨時期は蒸れて暑くなります。バイク用のレインウエアがあればそれが最適ですが、ワークマンなどで売っている透湿性のある製品もおすすめです。
また、オフロードコースなので雨になると足元がぬかるみます。長靴など防水性のあるフットウエアがあると移動の時に便利です。

飲食ブースの近くには休憩できるテントがあり、そこで強い雨の場合などは雨宿りすることもできます。
また、雨など荒天が予想される時にはTシャツなどの着替えを用意しておいた方が、汗冷えで体調を崩すのを防げます。

それでも身体が雨で冷えてしまった場合は、帰りに近くのスーパー銭湯へ寄るのもいいですよ。今回の川越は河川敷に造られたコースで他の所と少し環境が違いますが、おおよそモトクロスコースは山などに造られていることがほとんど。近場の温泉施設を利用しましょう。

なおオフロードヴィレッジから比較的近い温泉施設は『小江戸はつかり温泉』。夜は25時まで営業しています。

MFJのYoutubeチャンネルでもレースを視聴できます!

会場に足を運ぶのが難しい場合は、自宅や出先でもインターネットに繋げられる環境にあれば『MFJ公式Youtubeチャンネル』でレースを視聴することができますよ!

モトクロスレースの会場に是非遊びにきてくださいね!

レースはやっぱり生で観戦するのが一番。豪快な走りを間近で見たらモトクロスレースの魅力にハマるはず。
近くでレースが開催される時には是非会場に遊びにきてくださいね!

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