長かった全9戦のD.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2023も、いよいよ11月11〜12日に最終戦を迎える。会場は例年グランドフィナーレの地となっている宮城県スポーツランドSUGO。

D.I.D JMX 2023 R9 第61回 MFJ-GP モトクロス大会 観戦情報

6月に開催された第3戦SUGO大会よりも予想気温は低く、霜の影響なども想定されるところ。また、この最終戦はMFJグランプリとして開催され、1位25+3点、2位20+3点という具合にポイントスケールには規定の得点に3点が加算される。このGPポイントの影響を受け、まだチャンピオンの決定していないIA2、レディースクラスの勝敗の行方がどうなるのか注目度が高い。

レースはIA1とIA2が25分+1周の2ヒート、IBオープンが15分+1周の2ヒート。西日によりコースが見えにくくなる危険性を考慮してレース時間は通常より5分短縮されているが、この最終戦では3ヒート制ではなくスタンダードな2ヒート制が採用されている。
なお、レディースクラスは15分+1周の1ヒートと通常通りの開催だ。

IA1

成長著しいジャパニーズライダー、次の勝者は誰だ

すでにチャンピオンを決定している#27ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM /ヤマハ YZ450FM)だが、前戦オフロードヴィレッジではヒート2で2周目の転倒から復帰が遅れてしまい、連勝記録にストップ。レース後、ウィルソンは優勝を逃したことに悔しさを滲ませており、最終戦に向けてさらに調整を重ねてくるだろう。

一方で日本人勢の著しい成長にも注目だ。チームメイトのヤマハ勢だけでなく、ウィルソンと共にレースをすることが大きな影響となって、他メーカーの若手成長にも火が着いている。その筆頭は、この後半に調子を上げてきている#6大倉由揮(Honda Dream Racing Bells /ホンダ CRF450R)で、前戦ではヒート1を転倒で落としてしまったものの、ヒート2・3を2位でまとめてランキングも2位に浮上。3番手の#8内田篤基(Yogibo MOUNTAIN RIDERS/カワサキ KX450)も11pt差で大倉を追う位置につけており、共にウィルソンを下す可能性を秘めている。復帰から間もないものの、地元スポーツランドSUGOでの#3渡辺祐介(YAMAHA FACTORY RACING TEAM/ヤマハ YZ450FM)の活躍にも期待したい。

IA1ランキング

IA2

ビクトル・アロンソが後半の不調を巻き返す。横澤拓夢の可能性はいかに

第2戦、第3戦とパーフェクトウィンで圧倒的な勝利数をものにしてきた#58ビクトル・アロンソ(Auto Brothers / ヤマハ YZ250F)だが、第6戦ヒート1のノーポイントからトラブルが続いて大量にポイントリードの貯金を吐き出してきた。前戦でもヒート2でポイントを落としてしまっているが、ヒート1を1位、ヒート3を2位でフィニッシュ。終盤戦でようやく持ち直してきている。

ランキング2位につけている#5横澤拓夢(TKM motor sports いわて / ホンダ CRF250R)は、ビクトルとのポイント差28pt。ヒート1でビクトルが横澤の前でフィニッシュすれば、その時点でタイトルが確定する。
横澤にとっては、まずはヒート1のビクトル先行を阻止、そして出来うる限り上位のフィニッシュが鍵だ。

さらに注目したいのは、前戦で自身初優勝を遂げた#7鈴村英喜(TEAM HAMMER /ホンダ CRF250R)、そして2位表彰台が続いている#9鴨田翔(Kawasaki PLAZA 東大阪 /カワサキ KX250)。IA2のアップカマーである2人に熱い声援を送ってほしい。

IA2ランキング

LMX

川井麻央、本田七海はわずかに差が広がり3pt差

レディースクラスのタイトル争いは、早いうちから#2川井麻央(T.E.SPORT/ホンダ CRF150RⅡ)と#4本田七海(bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド / ヤマハ YZ85LW)の2名に絞られた形だったが、最終戦を目前に川井141pt、本田138ptという状況に。第8戦とおなじく1位争いになった場合は、勝利した方がチャンピオンというとても切迫した状況だ。なお、初夏の頃に行われた第3戦のSUGOでは、1位川井・2位本田という結果だった。もし、この最終戦で本田3位・川井4位といった結果で総合ポイントが同点となった場合には、勝利数が上回っているため川井がチャンピオンとなる。

今季は若手の活躍が目立っていて、最終戦を前にしたトップ5は川井、本田、#9箕浦未夢(TEAM ITOMO / ホンダ CRF150RII)、#8瀬尾柚姫(TEAM HAMMER / ホンダ CRF150RII)、#7川上真花(bLU cRU YSP大阪箕面 / ヤマハ YZ85LW)。来季は、大きくゼッケン番号を入れ替える年となりそう。彼女たちの3位争いにも注目を。

LMX レディース ランキング

IB OPEN

タイトルは住友の手に。IAへ昇格するライダーは?

IB OPENクラスでは、第8戦のオフロードヴィレッジで#53住友睦巳(bLUcRUフライングドルフィンサイセイ / ヤマハ YZ250F)がタイトルを決定した。一方、ランキング上位のライダーにとっては、最終戦はIAに昇格する来季の前哨戦ともいうべき戦いとなると同時に、昇格基準であるランキング10位近辺の選手にとってはIA昇格を死守、あるいは奪取するための重要な一戦となる。もちろんこの結果は将来のシート獲得にも影響するはずだ。目下注目はポイントランキング2位につける#63藤井武(TEAM HAMMER / ホンダ CRF250R)。また、前戦でヒート2で2位に入り、終盤になって調子をあげてきた#8佐野壮太(ジュニアライダース・フリーダムナナ / カワサキ KX250)の活躍も見逃せないところだ。

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