2024年3月30〜31日、D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2024が、埼玉県にあるオフロードヴィレッジで幕を開ける。会場は川越駅からバスで約35分、川越インターから車で約25分と、首都圏からのアクセスがしやすいのが魅力的だ。コースの特徴としては、アップダウンが少なく、リズムセクションやテーブルトップなど趣向が凝らされたセクションが設けられていることが挙げられる。今回はジャンプやS字コーナーが新設されたりと、2023年とはまた違うレイアウトとなっている。タイトなコーナーが多いため、全体を通してスムーズに走るコーナリングのテクニックがライバルと差をつける鍵となるだろう。

また、今回は公認クラスとなるIA1・IA2・LMX・IBの他に、キッズライダーたちが競い合うJX・K65・CX、そしてライセンスを持っていれば誰でも出場可能なエンジョイクラスとファンバイククラスが併催される。そのため、通常は土曜日に予選、日曜日に決勝というスケジュールであるところ、土曜日は併催クラスの予選と決勝+IBクラスの予選、日曜日はその他公認クラスの予選と決勝というスケジュールで開催される。

なお、予選は公式練習兼タイムアタック形式でおこなわれる。ライダーたちは各々のタイミングでトップタイムを狙うことができ、周りの様子をうかがいながらアタックするライダー達の駆け引きは見ていて面白いだろう。

IA1

横山とビクトルの参戦で新たな風が吹く

2024年最大のトピックは、#41横山遥希(HONDA DREAM RACING LG/ホンダ CRF450R)と#33ビクトル・アロンソ(AutoBrothers GASGAS JAPAN/GASGAS MC450F)の参戦だろう。横山は2019/2020年全日本モトクロス選手権IA2クラスで2年連続チャンピオンを獲得した経歴を持ち、その後オーストラリアに拠点を移すと、オーストラリア選手権で3位表彰台を獲得するなど活躍を続けてきた。そんな彼が全日本モトクロス選手権に参戦するのは3年ぶり。海外でさらに鍛え上げられたその走りに注目が集まる。一方、ビクトルはスペイン出身の20歳という勢いのあるライダーだ。2023年にIA2クラスに参戦すると、他のライダーを圧倒する速さでチャンピオンを獲得。その勢いと実力には目を見張るものがある。両者ともにこれまで乗ってきた250ccマシンから450ccマシンに乗り換えての参戦となり、新たな環境でどんな活躍を見せるのか、多くの注目が集まる。

また、IA1クラスには不動の王者、#1ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM/ヤマハ YZ450FM)がいる。彼は2023年に450ccマシンに乗り換えてIA1クラスに参戦すると、1年目にして全23ヒート中22勝を果たしチャンピオンを獲得した。今季タイトル防衛に挑む彼に話を聞くと「450ccマシンに乗り換えて2年目ということで、マシンに慣れて自分の強みを高める練習ができている」と話す。今季も彼の独壇場となるのか、他ライダーがそれを防ぐのか、トップ争いは見逃せない。

なお、2023年シリーズランキング2位の#2大倉由揮(Honda Dream Racing Bells/ホンダ CRF450R)は、オフシーズンの間にヨーロッパで1ヶ月間のトレーニングを積んできた。日本人ライダー最上位の実力を誇る彼が、海外遠征を経てどう成長しているのか、こちらも注目だ。

IA2

先に1勝をあげるのは誰か

IA2クラスはトップを争うライダーたちの実力が拮抗している。2023年には、開幕戦で全ヒート異なるライダーが優勝を獲得したり、初優勝や初表彰台を獲得したライダーが多く現れた。トップライダーたちの実力が近いからこそ、ライバル同士の白熱したバトルが見どころの一つとなる。

中でも注目は、2023年IA2クラスシリーズランキング2位を獲得した#2横澤拓夢(TKM motor sports いわて/ホンダ CRF250R)だ。昨年第5戦で優勝を飾ると、最終戦ではビクトルとチャンピオンを巡りバトルを繰り広げた。今季については「ライバルは多いですが、絶対に負けないです」と自信を示している。

一方、#3中島漱也(bLU cRU レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ250F)と#4鴨田翔(Kawasaki Plaza 東⼤阪/カワサキ KX250)はオフロードヴィレッジが地元のライダー。地元大会での1勝に期待が高まる。

また、IA2クラスには毎年IBクラスなどから昇格してくるルーキーライダーが多く参戦する。彼らが開幕戦からどんな活躍を見せてくれるのかも注目ポイントの一つだ。今大会は、2023年IBクラスチャンピオンの#01住友睦⺒(bLUcRUフライングドルフィンサイセイ/ヤマハ YZ250F)をはじめとするルーキーライダーが10人エントリー。さらに、2023年近畿モトクロス選手権ナショナルクラスチャンピオンの#43吉⽥琉雲(Bells Racing/ホンダ CRF250R)がIAクラスに飛び級を果たし、開幕戦でIAデビューを果たす。若干15歳の吉田の走りも見逃せない。

LMX

次なる女王に輝くのは

レディースクラスの2023シーズンを振り返ると、#1川井⿇央(T.E.SPORT/ホンダ CRF150RⅡ)と#2本田七海(LUTZ with 中⻄建設(株)NH/ホンダ CRF150R)のチャンピオン争いが白熱した。両者のバトルは最終戦にまでもつれ込んだが、最終戦で優勝を飾った川井が自身3度目のチャンピオンを獲得した。今季、川井はタイトル防衛に挑む。一方、これまで2st85ccに乗ってきた本田は、今季からマシンを4st150ccに乗り換えて勝利を掴みにいく。同じマシンで競い合う川井と本田。これまでとは違う新たなバトルが見られるだろう。

レディースクラスを牽引する川井と本田の存在が目立つが、昨年オフロードヴィレッジで開催された第2戦を振り返ると、#6濱村いぶき(T.E.SPORT/ホンダ CRF150RⅡ)が初優勝を獲得し、#3箕浦未夢(TEAM ITOMO/ホンダ CRF150RⅡ)が2位、3位には#5瀬尾柚姫(TEAM HAMMER / ホンダ CRF150RⅡ)と、若手ライダーが表彰台を独占した。また、#4川上真花(bLU cRU YSP⼤阪箕⾯/ヤマハ YZ85LW)も、2023年に表彰台を獲得した若手ライダー。2023年のシリーズランキングは4位に入った。彼女らの躍進劇にも期待したい。

IB OPENクラス

ライバルたちの実力が見える開幕戦

IB OPENはIAクラスへの登竜門となるクラスだ。IAクラスへ昇格できるのは年間ランキング上位10名と限られており、ライダーたちはその枠を掴むために1年間競い合う。毎年、昨シーズン参戦したライダーに加えて、地方選手権から昇格したライダーも加わるため、誰が強いのかは開幕戦が始まってみないとわからない。全員の実力が未知数だからこそ、何が起こるかわからないワクワク感が開幕戦にはある。さらに、IA昇格に向けて全力を尽くすライダーたちの走りからは、勝利への執念が人一倍感じられる。熱い戦いを繰り広げる彼らの走りを、ぜひ現地で見てほしい。

併催クラスも盛りだくさん

今大会は、承認クラスのJX・K65・CXに加え、ライセンスを持っていれば誰でも出場可能なエンジョイクラスとファンバイククラスが併せて開催される。50ccマシンを乗りこなすCX、65ccマシンで競うK65クラス、85ccマシンを駆るJXは、現地で走りを見ると、マシンを乗りこなしバトルを展開するキッズライダーたちの速さに目を引かれるだろう。将来IAクラスや海外で活躍する可能性を秘めたライダーたちにぜひ注目してほしい。一方、エンジョイクラスは昨年から2度目の開催、ファンバイククラスは今回初開催となる。オフロードバイクやレースを「楽しむ」という観点から開催されるこのクラスは、承認・公認クラスとはまた違う雰囲気を纏い、ライダーはもちろん観客もモトクロスの楽しさを感じられるレースとなる。ぜひ土曜日から足を運んで、その楽しさを実感してほしい。

開幕戦(3/30〜31)
◾️D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ2024 開幕戦 腕時計のベルモンドCUP 大会情報
https://mspro.jp/jmx/2024r1
◾️D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ2024 開幕戦 腕時計のベルモンドCUP 当日券発売中
https://mspro.jp/product-category/shop/ticket/jmx-ticket

第2戦・第3戦(4/20〜4/21)
◾️D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ2024 第2戦・第3戦HSR九州 大会情報
https://mspro.jp/jmx/2024r2-r3
◾️D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ2024 第2戦・第3戦HSR九州 チケット発売中
https://mspro.jp/product-category/shop/ticket/jmx-ticket

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